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【感想】ギャラクシー・クエスト

1999年 アメリカ
監督 ディーン・パリソット
出演 ティム・アレン
   シガニー・ウィーバー
   アラン・リックマン

あらすじ

『ギャラクシー・クエスト』は終了から20年経った今でもカルト的人気を誇る、SFテレビドラマ。しかし、かつての出演者たちはその後の役者人生に恵まれず、年に一度のファンイベントで食い繋ぐ生活を送っていた。
そんな最中、タガート艦長役を務めていたジェイソンの前にサーミアンと名乗る集団が訪れる。なんと彼らは『ギャラクシー・クエスト』を真実のドキュメンタリー番組だと信じ込み、艦長に助けを求めにきた本物の宇宙人だったのだ。成り行きで宇宙船に乗り込み、侵略者と対峙する役者たち。果たして彼らは無事に地球へ帰還することができるのか……。

感想

間違いなくマイベスト10に入る傑作SFコメディである。2月は今作がアマプラでレンタル99円になっています。見たことない人は今すぐ見ましょう。

本作の魅力を一言で語るのならば、『推しとファンとの関係性』。これに尽きます。まずファンサイドですが、ものすごい科学力を持った宇宙人が冴えない役者たちを見て「やっべ…本物だ死ねる…」みたいな反応をするのがめっちゃ可愛いし健気なんです。宇宙を超える推しへの愛。宇宙人たちはまさにファンの鑑みたいな感じ。

それに引き換え、役者たちサイドはというと、初めはかなりイヤイヤなんですね。イベントでも、20年経ってるのにまだ騒ぐ奴がいるのかとやる気がない。ですが、宇宙人たちからデカ過ぎる愛情を受け取ってるうちに、それに応えようと必死に前を向き始めるんです。応援するファンとそれに応える推し。その関係性が笑って泣けるストーリーを構築していく。こんなの最高に決まってる。

一番好きなシーンは、撃たれて死にかけている宇宙人のために、デーンがクソダサい決め台詞を言うところ。デーンはいわゆるキワモノ役で、俳優としてのプライドもあり自分の役自体をかなり嫌っていたんです。ところが、最後までファンを貫き通した宇宙人のために、役になり切って大嫌いだったセリフを言ってあげる。かなりコテコテな展開なんですが、私はこういうのに弱いんです。

ストーリーの軸としてはそんな感じなんですが、間に挟まれるコメディ部分も非常に出来が良いです。本作は『スター・トレック』を思いっきしパロディしてる作品になるんですけど、その知識がなくとも十分に楽しめる。上映時間が短めなので、コメディ要素にも無駄がないと言うか、ダラダラせず、1990年代の作品とは思えないくらい笑いにキレがあります。

あとはなんと言ってもキャストが豪華すぎる。主役のティム・アレンはもちろんなんですが、やっぱりシガニー・ウィーバーアラン・リックマン! わからない人のために注釈すると、『エイリアン』のエレン・リプリーと、『ハリーポッター』のスネイプ先生です。上にあげた役のとおり、2人とも強い人物を演じることが多いイメージですが、本作では真逆の役どころで新鮮でした。

特に、アラン・リックマンは好きなシーンであげたトカゲ頭(戸田奈津子訳)のドクター・ラザラスことデーンを演じていて、それがめちゃくちゃ好きなキャラクターでした。プライドが高くて皮肉屋なんですが、実は熱いヤツなんです。

はい、まだまだ語りたいところはいっぱいあるんですけど収拾つかないのでこの辺りで。とにかくアマプラで99円なので全員見てください。後悔はしません。

まとめ。オタク文化がポピュラーになった昨今にこそ見てほしい推しへの愛を描いた物語。ストーリー・コメディ・キャラクター3拍子揃った傑作な映画、です。知名度があまりないのはパッケージがダサすぎるからだと思います。

以上、戸田奈津子さんの功罪はやはり凄まじいと感じました。お疲れ様です。

視聴:DVD

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