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「東洋絵画の絶頂」法隆寺金堂壁画と再生プロジェクト

京都・奈良EU協会
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NPO法人・京都・奈良EU協会がお送りする「ランデヴDEなら」(奈良の出会い)のお時間です。今夜は先週に続き、法隆寺金堂四天王像のお話の続きからはじめていきたいと思います。パーソナリティは高島眞貴子さん、お話は法隆寺山内にお住まいの枡田典子さんです。

四天王像に続いて、法隆寺金堂の壁画についてお話してゆきたいと思います。また後半に和辻哲郎の『古寺巡礼』を高島さんに朗読して頂きます。

法隆寺と仏教について法隆寺の中で語るという得難い経験をさせて頂きました。

放送は8月末ですが、収録しているのはまだ7月、枡田さんから「法隆寺夏季大学」について説明して頂きます。
https://www.yamatoji.nara-kankou.or.jp/.../event/vjpkwcx3xd/

1951(昭和26)年から毎年、7月末の4日間、一流の研究者の方々を招いて、聖徳太子の教学を広めるために開校しております。仏教や、仏教史、仏教美術、建築、考古学など他分野に渡ります。

ところで、壁画は、建物などの壁・天井などに描かれた絵画ですが、人類が書いた最初の絵画は洞窟に描かれました。石器時代の壁画としてはフランスのラスコー洞窟とかスペインのアルタミラ洞窟とかが有名です。仏教壁画はインドや中央アジアの石窟などに描かれました。

ヨーロッパでは「フレスコ」と呼ばれる技法が使われています。フレスコfrescoとは「新鮮」と言う意味で、壁に漆喰を塗ってから漆喰が新鮮(フレスコ)なうちに、生乾きの間に顔料で描きます(やり直しが効かない)。

建築物や墳墓などに人間の生前や死後の生活に関わる空間を装飾する壁画が描かれるようになる(有名な仏教壁画としてはインドのアジャンターやバーミヤン大仏背後の太陽神など)。中国では唐代(618〜907)に寺院壁画が最盛期を迎えたが、ほとんど失われてしまっています。日本では創建法隆寺(日本書紀に670に火事で焼失との記述)の金堂や五重塔に壁画が最古だったと思われます(2004年に法隆寺若草伽藍から壁画の破片と見られるものが出土)。そして、現存する最古の寺院壁画の1つがが浄土世界が描かれた法隆寺金堂壁画
です。

法隆寺金堂壁画は1949年(昭和24年)1月26日に不慮の火災により焼損しました。その火災に至る経緯と修復、そして再生に向けてのプロジェクトを枡田典子さんからご説明して頂きますが、太平洋戦争前の1934年(昭和9年)から法隆寺昭和大修理が始まっていたのです。戦争により中断され、戦後再開されたあと、例年行われなかった真冬にも模写作業がされ不慮の火災が起こったのです。

当時、金堂は上層部材が外され、中の仏像や内陣の壁画飛天20面だけは取り外されていてすべて移されていたため無事でした。火災後、12面の壁画は保存処理を施され、焼けて炭化した柱とともに収蔵庫に保管されています(焼けてもなお国の重要文化財に指定されています)。

金堂壁画は火災から18年後の1967年(昭和42年)「壁画再生プロジェクト」と称して当時日本を代表する画家が4つの班に分かれて模写されました。実は、江戸時代半ばまでは、法隆寺金堂は聖域で僧侶も入れなかったそうです。

1879年(明治12年)、イギリスの外交官アーネスト・サトウの提案で「日本美術史の中で大変大きな重要性がある」と第9号壁画のみ京都出身の画工桜井香雲によって模写され、現在大英博物館に所蔵されています(他の11面と山中羅漢図と飛天図も桜井氏により模写される)。

1916年(大正5年)に「法隆寺壁画保存方法調査委員会」が設置され、田中松太郎が全壁画を撮影。鈴木空如巨大壁画12面を3度も模写。そして令和元年には東京芸術大学によるスーパークローン(インクジェットプリントに彩色)が制作された。

1300年前の巨大壁画「法隆寺金堂壁画」美術史家も絶句した驚異の模写に迫る | 和樂web 日本文化の入り口マガジン
https://intojapanwaraku.com/art/90361/

🎼 TRIO SONATA IN C MINOR FOR FLUTE, VIOLIN, AND CONTINUO FROM THE MUSICAL OFFERING
Andreas Brantelid, Ani Kavafian, John Gibbons, Paula Robison, by Johann Sebastian Bach
The file as licensed by the “Isabella Stewart Gardner Museum, Boston.
https://www.gardnermuseum.org/experience/music

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