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軽快な中望遠APO-SKOPAR 90mm

 昨年、マップカメラの夜市だかなんだかで安くなっていたアポスコパーを見かけ、即決で購入。
 結論としてはとてもいいレンズだけど、ボケ感としてはやはり物足りない。ただ、その軽さは、コンパクトさは、本当にこれ90mmなん?と驚かずにはいられない。

 今、このレンズはライカではなくxpro2につけて135mmf4相当(ボケ比)で使っている。するとライカにテレエルマー135mmと変わらないことになってなんだかなあ、なんだけど、これもまたレンズのコンパクトさがそんなことを凌駕してしまい、今かなりの頻度で使うレンズとなっている。うん、135相当、恐るべし。

自転車に跨ったまま撮った。

 ライカの純正が欲しいなあと思っていた時に候補になっていたのはテレエルマリート90mm 後期だった。ズミクロン 50mm 2ndに似ていて好みのスタイルだったのと、そこそこな価格。そしてこのくらいの中望遠に慣れていたこともあった。

 だが、結果はアポスコパーである。出会っちゃったんだもの。
 ここ最近、出逢いすぎである。

 アポの名の通り、写りがものすごくいいのだろうかと思ったが、写りはそこまでシャープではない。が、滲む感もない。ゴリゴリのバキバキにシャープではなく、そこそこ写るという感じだろうか。湿度が写り込むというよりは焦点距離もあってそこを使い古したハサミで切り取ると言った感じ。だからか、多少ピントを外してもさほど違和感がない。総じて写りは良いと思う。

 個人的には露出を切り詰めて撮りたいレンズのようで無意識に露出をマイナスにしてしまっていることが多い。しばらくはプロテクトフィルターもサイズがなくてつけずに使っていたが、フードもしっかりついていて(そう、このレンズにはついているのですよ。フォクトレンダーなのに)、あまり大きな心配もなく使用していた。

 ボケ好きな人間なのに、なんでこのレンズを買ったのか、出会ってしまったから、とはいえ、きちんと「候補」に入れていたからこその暴挙なわけで、それは望遠でスナップ撮りたいという欲求に他ならない。

なんの変哲もない畑の隅なんだけど、植物と無機物の描き方に息を呑んだ。

 ポタリングでもこのコンパクトさなら持って行きやすいし、テレエルマリートだと換算200mm、流石にスナップだと望遠すぎるかなと言う時には90mmを活かすことができる。ライカにテレエルマリート135mmでいいんではないか、とも思うのだけれど、ライカにはどうしても標準域をつけたがるゆえに、アポスコパーはちょうど良かった。

 街中でもこの小ぶりな佇まいは、よもやこれがそこそこの望遠だとは思われまい。そういう使い方を楽しめるのはなかなかいい。

 そんなわけで、とにかく明るい安村…じゃなかった明るいレンズを使いたがる自分が、F2.8と、単焦点では比較的暗めのレンズを手に入れたのは、ひとえにこのコンパクトさにある。たぶん、これはずっと使い続けるだろうな、と思う。そりゃあ、ズミクロン90mmとか手に入れたら、とか中国製の1.5の明るさを持つレンズとかもあるけれど、大きさに加え、比較的きっちり写るこのレンズの良さは、標準域が滲むレンズばかりの自分には、ぴりりときいたワサビみたいな存在だ。
 また大きな変動がない限りは(つまりアポランター50mmを手にしない限りは)このレンズ、X-pro2の常用レンズとしてつけっぱなしになりそうな予感である。
 おかげでライカ用なのに、ライカにつけてないじゃん、とツッコミをいれつつ。


 ちなみにこのレンズ、ズミルックス75mmと同様に、動画で取り扱っているものが極端に少ない。ブログなどでは見かけるけれども、と言うかライカ界隈のレンズ動画は35mmと 50mm ばかりな気がする。需要がその分あるからなのか、こう言う動画が需要を生み出しているのか。


何にしても、軽快な中望遠レンズ。
だからこそ鞄の中に潜ませておいていざという時に使えるレンズなのだけど、ここ最近は二台体制の片翼となってしまった。なかなかお気に入りのレンズなのである。

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