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マップカメラの空き箱が届いた。

 マップカメラの空箱が届いた。
 僕はこの箱にレンズを入れて送り返すことになる。
(見出しの箱は以前届いたときのものです)

 送り出すのはXF18mm f1.4。
 XF35mmf1.4に続く、新たな神レンズを目指して登場したレンズだった。
 非常に写りのいいレンズだった。だから正直言えば、手放したくはない。
 レンズそのものに対する不満と言えば、少々大きくてT5には問題ないが、pro2には辛うじて許容範囲内の大きさだったということくらいか。
 そんななか、ライカが2台となり、それまでライカで標準を、フジで広角を、ということで18mm(28mm相当)を使っていたのだけれど、その28mmもライカで賄う形にしてしまった。よってフジフィルムのカメラを持ちだす機会がぐんと減ってしまっているのも事実だった。

 そんな状態で、今日はフジを、となるときに持ち出しているのがタムロンの18-300だということに気付く。ライカでは撮れない世界が撮れる。一眼レフ時代から望遠は桜の撮影か、祭、神楽の撮影くらいにしか使わない。あとは子どもの行事ごとくらい。70-200F2.8のレンズが大きく重かったからだ。望遠でスナップを撮るのはけっこう面白い。けれどもそんな大きなレンズを街中で振り回す気にはどうしてもなれない。
 ところがF値をあきらめてみたらどうだ、非常にコンパクトな超望遠レンズになるじゃないか。フジ純正の70-300もあったが、絞りリングが使えることや質感などにも心惹かれるものの、価格が若干高かったこと、子どもの行事ごとには、一本で賄える便利ズームがなにかと取り回しがよいということを考慮して、人生3本目のタムロンレンズを購入することになった。実に面白い。F値が暗いことは仕方がないが、その結果得られたのは、街中でも振り回せる超望遠、普段の鞄のなかに収められるということ、ああ、そうか、ライカでいいと思っていた可搬性の良さと同じことがここでも言えるじゃないか、と思ったのだった。
 そんな流れで、使いどころが微妙になってきたXF18mmをどうするか、宙ぶらりんな状態のなか、2.8通しのレンズを手に入れるのはどうか、と考えるに至った。
 ライカで、というかマニュアルフォーカスで祭や神楽を撮るのはやはり難しい。面白いものも撮れるけれど、打率はやはり低い。18-300だと室内や夜の撮影は厳しいときがある。撮れなくもないが。
 だからいわゆる大三元のレンズを一本持ってもいいかなあ、でも18mmはいいんだよなあ、と悩みつつ、替えるとしたらコンパクトで軽量で(僕の好きな、でも今一本も持っていない)シグマのレンズか、手振れ補正のついたタムロンか、予算を無視して純正に向かうか(早々に却下)、やはり18mmを残してクロップで対応するか、とぐるぐる考えていたときに、それは起きたのだった。

タムロン18-300
タムロン18-300
タムロン18-300
タムロン18-300

 息子の小学校入学によるPTA活動である。
 バザーの前日準備、当日の活動 バザーで売る布製品の布の裁断係 縫製係 バレー大会のお世話係……
 うむ、我が家にはミシンはないし、布の裁断となるとこれもなかなか難しそう。それにミシンがないご家庭が希望しそうで人気が出そうだ。バザーの前日準備はなかなか休めない仕事なのに、2日連続で休むわけにはいかないし、当日の活動だと、これまた手を挙げる人が多そうだ。バレー大会のお世話係は、夜のコートの準備などだけれど、これも日程がはっきりしていないし、もしかすると参加を促すお願い電話をしないといけないかもしれない(冷静に考えたら今は電話番号は個人情報ですよね)。うーむどうする? と話しあっていたときに見つけたのが「広報」というお仕事である。

「これじゃん」と妻が言った。
 写真が趣味だし、書くことも嫌いではない(むしろ大学は文学部系統だったわけだし)、冊子も趣味なり、仕事なりで作ったことがある。なんなら昨年度は職場の記念誌担当だったりする。
 ただ、インデザインなどの編集ソフトは使ったことないし、昨年も業者に構成はすべてお任せで、という具合だから何か戦力になるかと言われるとそんなものはない、とも言える。

 一応、かれこれ10年ほど前に仕事で指示された冊子作りに、PDFで出稿したことがある。その時使ったソフトはなんとワードである。ミリ単位の設定を1ページずつ細かく設定して提出。アホかというような時間をかけて作った。多分編集ソフトを使えばすぐに終わるようなところをちまちまやった。載せなくてはならない印刷物はスキャンしてaltキーを押しながらちまちまちまちまズラして置いていく。提出したとき、業者さんからこれ本当にワードで作ったんですか?と言われ、呆れられた。だって、責任者が値段抑えないといけないからこちらでDTPまでやってね、と言うんだもの。ワードしかないのに。(そもそも編集ソフト使えないけど。)
 …思い出すと通常業務しながらよくあんなことやっていたなとゾワっとする。そりゃ朝の7時から夜の9時過ぎまで仕事することになるよ…。

 閑話休題。
 でも、まあ、人気が集中するバザー準備で第二希望に回されるよりは、おそらくそんなに希望者が来ないだろう広報に手を挙げていたほうが、「第一希望落ちた、どうしよう」ということにもなりにくいのではないか、応募多数でも、僕写真も文章も一応やれます(編集できます、が一番強い気がする)と言えばなんとかなるんじゃないか、ということで広報を希望することにしたのだった。

 参観日の日、果たしてその思惑はうまくいった。枠1,2名のところ、2名。バザー当日準備は、予想通り枠オーバーで、どちらかにまわっていただけませんか、という話し合いとなってしまっていた。

 広報のもう一人の方は、よく分からずに広報を希望したとのこと。カメラも持っていない。「え、貸出があるんじゃないんですか」とおっしゃっていた。うん、そうだよね、そう思うよね。でもたぶんそんな予算はないハズ……。
 おまけに、お兄さんお姉さんがいるご家庭に聞いたところ、広報は、依頼があったときに写真を撮る、くらいでしたよ、とのこと。思わず勢いでマップカメラのHPを開く。そしてこれまた偶然、なかなかないタムロンのズームが良品で売られているじゃないか。ここからはもう、色々逡巡する間もなく、XF18mmf1.4を下取りに出し、タムロンをポチっとする。勢いでやっちまったもんだから、「待てよ、運動会なら18-300一本あれば十分じゃないか」という自己ツッコミもなかった。今、ちょっと後悔していたりもする。

xf18mmf1.4
xf18mmf1.4
xf18mmf1.4

 とはいえ、APS-Cとはいえ、標準ズームで大三元のレンズを持ったことがなかったので、それを使ってみることはちょっと楽しみでもある。それも換算すれば25.5-105という、一眼レフのころにイベント撮影で便利に使ってきた焦点域だ。夏祭りの御輿撮影、神楽の撮影、子どもの運動会や発表会(今、日程がズレて仕事と被ってしまった……)、しばらくフジには便利な撮影に徹してもらおうと思う。それもまた楽しみ方の一つだ。

xf18mmf1.4
xf18mmf1.4
xf18mmf1.4
xf18mmf1.4

 ところで、広報の活動、調べてみると、近所でよくしてくださる写友で、地元の議員さんもかなり以前に担当されていたことが発覚。なになに、写真を撮って、自家現像して、原稿をきちんと編集して、え、終わるのが午前様? ……たぶん本部執行役員の広報活動だよね?? 

追記

18mmを下取りでポチッとしたあと、マップカメラから当該レンズの下取り価格アップのお知らせが来た。
タムロンとの交換で、1000円弱返ってくることになっていたが、下取りアップ後だと5000円近くになる計算だ。
あと数日待っておけば良かったなあ、と後悔していたところ、査定の報告、なんとちゃんと下取り金額アップした状態で査定がなされていた。この辺マップカメラさん、すごいよね。

 FUJIFILMもここのところ炎上気味だし、価格もちょっと…という状況なので、もしかするともう少し待てばもっと上がったかもしれない。五万程度で買えていたはずの標準ズームが今や定価12万超えとかだものね。ともあれ、だからもっと得をしようなどとは考えないようにしたい。

タムロン18-300
タムロン18-300

なんにしてもライカといい、FUJIFILMといい、僕は炎上しやすいメーカーが好きなんだな、とちょっと複雑な気分だ。

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