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LUMIX DC-G99を眺めながら「軽さは正義」を全否定してみる。

お礼の言葉

ども、ミツハシです。
最近、月間PVが1800を超えるようになって、お読みいただいている皆様に感謝しかない日々を送っています。
主に LUMIX 系の記事が伸びているようで、それはそれで嬉しいのですがビックリするくらい伸びない記事もありまして……。

⇧この記事ほとんど読まれてなくて、多くのカメラユーザーにとって「写真をプリントする」という需要がほぼないことを示唆しているのかなぁと思うと、時代の移り変わりを感じてしまいます。
ただ、これまで撮影したポートレート写真をプリントしたポートフォリオをモデルさんに見てもらうと皆さん本当に喜ばれていたので、有料撮影会に足繫く通っているお客様カメラマンは是非プリントすることをお勧めします。

LUMIX DC-G99 / LEICA DG SUMMILUX 15mm f1.7 ASPH.

はじめに

さて、今回のお話はカメラ系ユーチューバーの常套句である「軽さは正義」に代表される決めつけについて、私的見解を書いていこうと思います。
私はマイクロフォーサーズ機に関する誤解を訂正して以来、カメラ系ユーチューバーに嚙みついてきましたが、通説を真実かのように話しながらそれらが間違いであったとしても訂正も謝罪もしない姿勢を糾弾することで、正確な情報と冷静な視点で動画を視聴してほしいという思いを伝えるためでした。
今回は「軽さは正義」というキラーワードを中心に考えてみようと思います。

LUMIX DC-G99 / LEICA DG SUMMILUX 15mm f1.7 ASPH.

本当に「軽さは正義」なのか?

小型軽量モデルの最大のメリットってなんでしょうね?
小型であれば手の小さい方でもハンドリングが容易になるでしょうし、収納性も高くなりますよね。
軽量化もほぼ同じ恩恵を得られるでしょうし、長時間持っていていても疲れにくいというメリットもあるでしょう。
実は多くのハイエンドモデルはサイズと重量に関しては小さくもないし軽くもないです。
ハイエンドモデルで小型軽量化を図っているのは、おそらくSonyだけだと思います。
それ以外のメーカーでは、ハイエンドモデルに持てる限りの性能を詰め込んで、高い次元の撮影を可能とすることを最優先事項として、小型軽量化はかなり優先度は低いです。
軽量化のデメリットとして「手ブレ」の発生があります。
シャッターを押すときにカメラがブレる様な種類のブレは、カメラが軽い方がブレやすいことが原因になっていることが多く、カメラが重いと逆に安定するので多少乱暴にシャッターを押してもブレにくくなります。
もっとも正しいカメラの持ち方・構え方をマスターしていれば、カメラの重量に関わらずブレたりしません。
また、軽量化するためにメーカーがどの様な判断と選択をするのかも考えるべきポイントだと言えます。
小型軽量化するにせよ、想定される使用において最低限の強度は必要ですので、軽量化についてはフレームの素材の選択時点である程度下限は設定されてしまいます。
そして小型化されたボディに、ハイエンドモデルと同等の機能を詰め込むのもある程度の限界があります。
つまり小型軽量ボディは、どう考えてもハイエンドモデルに比べて性能面で劣りますし、メーカーによってはエントリーモデルという位置付けとなりえます。
もちろん、フルサイズ機とAPS-C機・マイクロフォーサーズ機ではセンサーサイズが違いますので、フルサイズ機と比べて小型軽量化はしやすくなります。
それでも小型軽量化にあたって重量だけでなく性能面でも削らざる得ない部分はあります。
例えば我らがLUMIXの最軽量モデルにしてエントリークラスのG100ですが、LUMIXで定評のある手振れ補正機能はありません。
ということで、軽さを優先することで何かをトレードオフすることは当然の話ですので、安易に「とりあえず軽いの」は時としてミスチョイスの原因になるということは頭の片隅に置いておいてほしいです。

LUMIX DC-G9 / LEICA DG SUMMILUX 25mm f1.4ⅡASPH.

「軽い」という曖昧な基準

そもそもの話、「軽い」ってすごく曖昧な基準ですよね。
同じペットボトル飲料を持ったとしても、それを軽い・重いと感じるのは人それぞれです。
私が勝手に言っている「マイクロフォーサーズ機の完成形」のG99ですが、人によっては「小さくてグリップしにくい」「ボディが軽くて大きめのレンズを装着するとバランスが悪い」とも言われています。


また、手に持って感じる重さと首からストラップでぶら下げて感じる重さも体感で異なることがあります。
カメラ系ユーチューバーの言う「軽い」は、前モデルや同メーカーの類似モデルとの比較だったり、単純に体感だったり数字の印象だったりします。
それらの根拠があなたの「軽い」基準と一致していれば問題ないのですが、たいていの場合は一致しません。
いつも言っていることではありますが、小型軽量モデルを選ぶ際は実機に触れて比較検討してください。

LUMIX DC-G9 / LEICA DG SUMMILUX 25mm f1.4ⅡASPH.

「軽さは正義」となる人

ここまで「軽さは正義」となりえないことを書いてきましたが、これはあくまで「本格的にカメラを使う人」の視点であり、カメラはそれ以外の目的で使う方も多くいらっしゃいます。
本格的にカメラを使う人の対極にいるのが「レジャーの一環としてカメラを使う人」です。
例えば家族旅行でカメラを使う、スポーツ観戦やライブ鑑賞に持って行くなど、撮影がメインではないイベントにカメラを使う方にとって、小型軽量化されたカメラの方が使い勝手が良いのは間違いありません。
それでもズームレンズを選択すればシステム全体での重量は重くなりますので、バランスを重視すると必ずしも小型軽量モデルを選ぶのが正解とは言い難いのではないでしょうか。

LUMIX DC-G9 / LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm f2.8 ASPH.

「軽さは正義」という言葉の軽さ

「軽さは正義」だけでなく、カメラ系ユーチューバーはサムネイル画像で挑発的なタイトルで釣りますよね。
そうやって再生数稼ぎで釣りサムネイルを作るカメラ系ユーチューバーの動画って、内容が尻すぼみで結局ありきたりなことしか言ってない動画が多いのも特徴ですよね。
「軽さは正義」というのはカメラ系ユーチューバーの頻用語ではありますが、カメラ系ユーチューバーの多くがSony機ユーザーでSonyは小型軽量化を推し進めたメーカーですので、もしかしたら……と邪推してしまいますが……考えすぎであってほしいですね。
本来、小型軽量モデルを必要としていない方がカメラ系ユーチューバーの言葉を聞いて小型軽量モデルを購入しても、結果として別モデルを購入して写真活動を続けてくれたら良いのですが、せっかく買ったカメラ一式を売却してしまう事態となったら目も当てられません。
何度も書きますが、カメラを購入するのもそのカメラを使うのも自分自身です。
そんなカメラの選択肢を、誰に言っているのかも分からないカメラ系ユーチューバーの言葉に従っていいんですか?
カメラに興味を持って、カメラを使って写真を撮りたいと思ってくれた方が素敵な写真活動を送れるためにも、主体的であってほしいと願わずにいられません。

LUMIX DC-G9 / LEICA DG SUMMILUX 25mm f1.4ⅡASPH.

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