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8年ぶりのペナン訪問

 8年ぶりにペナンを訪問してました。これまでペナンには来ても観光はせず仕事をしてさっさと帰っていましたが、今回は純粋に観光を2日間楽しみました。

 マレーシアには20年ほどいますが、ペナンの観光は初めて。あまりこれまで関心もなかったのですが、世界遺産に登録されているだけあって、やはり歴史的な建物の迫力を感じます。

 いろんな方が書いているので詳しく書いても仕方ないのですが、いくつか訪れて感じた所感をつづります。

電線が気になる

コーンウォリス要塞 
 たぶんペナン島の中で最も有名なところでしょう。大砲がいくつも海に向けられて、壁などは18世紀のものそのまま。当時は周辺は何もなかったでしょうから、あそこから船が近寄ってくればすぐにわかる。

 ただ、意外に小さいなあという感じもしました。要塞でもある日本の城だともっと敷地は必要で、ペナンのこれは要塞というより監視台ではなかったのだろうか。

 入口で20リンギを払いましたが、なぜかカールスベルグのビールとタイアップしていて、インド人の受付に「ビールにするか」と言われた。ただでビールをくれるらしいのですが、金曜午後でもあったので水だけにしました。しかし、なぜ要塞でビール?

観光客が多い

クーコンシー
 ここは龍山堂邸公司とも呼ばれ、邸氏の寺。詳しい歴史は省きますが、どっしりとした構えが壮観です。

 建物の飾りは木材や石材に細かく刻まれ、相当手の込んだデザイン。まだ100年ほどのもののようですが、あの様々な彫刻を眺めるだけでも圧巻です。

凄い彫刻


 しかし、入口が少しよくわからない。また、10リンギの入場料なのですが、入口には警備員が立っていて受付を案内してました。金を払うと知るとそそくさと引き返す観光客もおり、何だか。まあ、歴史も何も分からず、単に写真を取るだけなのであれば帰ってもらったほうがいいですが、観光の本分も忘れていないか。

 また、「気」がかなり強いので霊気などを感じやすい人はこういうところは無理かもしれません。今回僕はここではあまり感じませんでしたが、なぜなのだろう。クアラルンプールの陳氏書院に行ったときはかなり感じたのですが。

凄い緑

プラナカン・マンション
 プラナカンとはマレー人と中国人の混血の血族。現在もその血族は連綿と受け継がれています。このマンション(日本のマンションではなく、豪邸のこと)は緑の外壁で、内部はかなり大きい。豪邸ですからそうなのでしょうけど、入ったところのだだっ広さと吹き抜けになっているところはいかにも華人の富豪の家らしい。

入口入ってすぐの吹き抜け


 混血といっても結局は中国文化のほうが圧倒的に強く、イスラーム的要素はほとんどない。プラナカンのニョニャ料理というのがありますが、あそこにある程度の要素が入っている程度なのかなぁと感じました。

 クーコンシーなどの寺は向きなどを風水を元に作っているはずですが、こういうプラナカンの豪邸もそうなんだろうか。

 全体的になかなか有意義な旅でした。世界遺産となったぐらいですからそれだけのものなので少し無理してでも来た価値はありました。

 世界遺産とペナンについてはそのうち書きますが、今回思ったのが、「果たして観光とはいいものなのだろうか」ということ。4月に京都に行ったときも感じたことは、あれだけの人が文字通り押し寄せてくることから、地場の文化がどうしても壊れていきます。 

周氏桟橋入口の寺


 昨日行った周氏桟橋は、もはや完全に観光地化され、人は住んでいるものの、観光地化されるまでまったくなかった観光客向けの店だらけになり、そこでは周一族とは関係のない人たちが売っている。入口も真新しい寺ができ、観光でかなりの収入があったことが推測できます。観光客は確かに現金を持ってきますが、最近の傾向として彼らは単に写真を撮りたいだけ。そこの歴史や文化などには関心はなく、インスタ向けに行ってるだけなのです。

 「観光」は国の威厳を観察する意味で、「観行」(観に行く)ではないのです。単に写真を取りたいだけならば、オンラインで出回っている写真を合成すればいいわけで、土足で地元に踏み込む必要はありません。

 マレーシアは観光業で成り立っている国ですが、単に人を呼び込むのではなく、地場文化を保護することも考えないとドンドン消えていってしまうのでしょう。現代は空前の観光ブーム。これだけの人が全世界に観光に行っていた時代は他にありません。それがインスタなどの発展で拍車をかけたわけですが、そろそろ観光ではない別のことで食べていける産業を掘り起こしていかないといけないのかもしれません。

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