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自然と便利さと、古き良きが交わる街、飯塚市。共に歴史を重ねる商店街の魅力を、ドローンで伝えるプロジェクト


みなさん、こんにちは!えとうです。

突然ですが「福岡」と聞くと、みなさんはどんなイメージを思い浮かべますか。大抵「福岡、いいよね〜!ご飯も美味しいし、空港が近い!」と言われます。新鮮なお魚をはじめ、ラーメン、明太子、(実は)うどん…などグルメはもちろんですが、かなりの頻度で言われる「空港が近い」。空港の近さがこんなにアドバンテージになっている県って他にあるのだろうか…と思いつつ、アクセスの良さは観光やビジネスには大切ですよね。特に福岡市は、大企業の本社・支社の移転が次々に発表されるなど、あっという間に先進的な都市としての開発が進んでいます。

そんな福岡県の中央、北九州と博多の真ん中に存在する飯塚市は、人口126,481人(2022年1月現在)、筑豊地区で最大の人口を擁し、福岡市、北九州市、久留米市に次いで県内では4番目の大きさです。こう聞くと大きな市であり、もう少し認知されていてもいいのではと思ってしまうものですが、やはり「福岡=博多」というイメージが強いのではないかと思います。飯塚市は、一言で言うならば

「自然と便利さと、古き良きが交わる街」

でしょうか。近畿大学産業工学部、近畿大学九州短期大学、九州工業大学情報工学部の3つの大学が立地しており、ベンチャー企業への支援も近年は力を入れているなど、教育や人材育成には力を入れつつ、地域開発も盛んです。一方自然が豊かで、ほんの少し足を延ばすと夏には蛍が何百匹と飛んでいたり、秋には銀杏が色づき、一面黄色い絨毯が広がる場所があるなど、タイムスリップしたような世界が広がります。そこで、皆さんが知らないであろう福岡の一面「飯塚市」について魅力を紹介させてください。

お菓子の街、飯塚

■飯塚市について
かつては、長崎街道の宿場町(飯塚宿、内野宿)として栄え、多くの人、物、情報がいきかう流通拠点として、また、日本経済の成長を支えた筑豊炭田の中心都市として、重要な役割を担ってきました。長崎街道「シュガーロード」と炭都。砂糖の伝来と労働者に受け入れられ発展したお菓子文化により、全国的に有名な「千鳥饅頭」「ひよこ饅頭」「なんばん往来」などの銘菓が生まれたまちでもあり、令和2年度には「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロード~」が日本遺産に認定されています。

飯塚市HPより

そう、「ひよこ」を東京銘菓だと思っていた皆さん、実は飯塚が発祥なんです!そもそも砂糖は、江戸時代以前は薬として扱われるほど貴重なものだったそう。南蛮貿易が始まると、海外から長崎の出島に大量の砂糖が持ち込まれ、船のバランスを調整する重しの代わりに大量の砂糖を積み込んでいました。シュガーロードの中でも、飛躍的にお菓子の文化が発展したのが、ここ飯塚を中心とした筑豊地区。汗を流し働く炭鉱労働者にとって、砂糖は大事な栄養補給源でした。栄養が豊富な砂糖や卵を使ったお菓子が生活者の間で流通し、さらに地元の権力者などが土産物などにして発展していったそうです。

飯塚市本町にある千鳥屋本舗。
寛永七年創業、丸ボーロ、カステラを中心としたお菓子屋として始まりました。
千鳥屋本家HPより
明治時代、重要なエネルギー資源だった石炭を採掘する炭鉱では、沢山の捨石が出ました。いわば、石炭のゴミ部分である捨石で出来上がったのが「ボタ山」。かつては常に煙が上がり、焼き芋ができたそう。今は草木で生い茂り、立派な「山」として飯塚の象徴となっています。

タイムスリップしたような世界を楽しめる街、飯塚

また写真の通り自然が豊かな街でもあり、特に秋に見られる「内野の大銀杏」は一見の価値あり。まるで、ジブリの世界に迷い込んだような気分を楽しむことができます。この辺りは田舎道ではありますが、緑が多くとても気持ちがいいエリアになっているので、ツーリングやドライブにもおすすめです。

内野の大銀杏。飯塚市HPより
「ガタンゴトン」という音を楽しめる
レトロな電車での移動もおすすめ。

そして、古き良き世界を楽しめるのは自然だけではありません。国の登録有形文化財である「嘉穂劇場」は、川筋に50あまりあった芝居小屋の中でただひとつ残った江戸歌舞伎の劇場。大正10年、今の劇場の前身となる「中座」として開場して以来、役者、歌手、噺家など、さまざまな演者たちがここで芸を披露し、多くの人たちを楽しませてきました。

レトロなポスターも健在。
市川海老蔵さんも定期的に公演をされています。
升席で見る舞台はとても迫力があり、
ホールなどで見る印象と全く違う感覚を楽しめます。

街の発展を担う、飯塚市商店街

そんな飯塚の中心にあり、街の発展と成長を共にしてきたのが飯塚市商店街。炭鉱が栄えていた戦前から活気に溢れていた商店街ですが、炭鉱の閉山とともに街の人口が減り、空き店舗が目立つようになり、建物が老朽化してシャッター商店街になりはじめていました。それに歯止めをかけることを目的に5つの商店街が連帯し、商店街活性化の取り組みを実施。その成果が国に認められ、平成18年7月には「がんばる商店街77選」に選ばれています。また、平成24年から平成28年度までは内閣府の認定を受けて中心街地活性化事業に取り組むなど、飯塚市商店街連合会として商店街一体となって、様々な事業に取り組みはじめました。

レトロな街並みが魅力の飯塚市商店街
飯塚本町商店街の中央、ほんまち中茶屋コミュニティセンターに設置されているからくり時計。
長崎街道飯塚宿の街道を大名行列が通っていく様子を再現し、10時から18時の毎正時に、音楽に合わせて渡来の象やラクダをはじめ飯塚宿を通る大名行列の人形が歩きます。

100年以上続く老舗などレトロな雰囲気を残しつつ、最近では新しい店舗がオープンしたり、大学生をはじめとした若い世代が様々な取り組みで活用するなど、少しずつ活気を取り戻しつつあります。

思わず長居してしまう、老舗喫茶の「楡」
バターが香るチキンライスに、
トロトロの卵が巻かれたオムライス

そんな試行錯誤の最中、予測もしなかった新型コロナウイルスの蔓延。高齢者の利用も多い商店街は、大きな打撃を受けました。そこで、商店街の方々の想いを届けるために、一緒に頑張るプロジェクトとして立ち上がったのが「飯塚市商店街プロモーションビデオ制作」です。まずは、この飯塚市に住む人たちに、商店街の人々の想いを届けたい。飯塚市に住んでいる人たちに、そして故郷が飯塚の人たちに、まだ知らない、お店や商店街の魅力を知って欲しい。そんな気持ちで、商店街の方々と映像を制作することになりました。

盆地で、冬は雪も多い飯塚ならではの裏話ですが、撮影当日がまさかの大雪。臨時休業のお店も多い中、商店街の方々にたくさんのご協力をいただき、この映像が完成しました。厳しい状況が続く社会情勢ではありますが、まずは、この商店街の皆さんと一致団結すること、そして意外と知らない自分たちの街の一面を知るきっかけになれば、と思っています。

プロジェクトに協力してくださった皆さん

<Concept>
東京から里帰りしたご夫婦、熊本から遊びに来た家族、彼と待ち合わせて飯塚の街を散策するカップルが登場します。年齢性別、シチュエーションが違っても、誰もが楽しめて、美味しいおやつや、夕食まで堪能することができ、『また、飯塚に来たい』と感じて帰って行く。そんな街【飯塚商店街】をコンセプトに制作しています。地元の方には商店街の魅力の再発見、市外の方には飯塚市を知ってもらう・興味を持ってもらうきっかけになればと思っています。

初めて飯塚に足を運ぶ方にも是非、飯塚の街の魅力を知っていただきたいです!飯塚の街は緑が大変豊かで、のんびりとした空気感が流れています。また、こちらの記事や映像で紹介したお店以外にも、ちょっとしたお茶菓子、スイーツを楽しめるカフェが多いのも飯塚の魅力です。少し都会の喧騒や、日々の仕事・家事などに疲れた時は、ガタンゴトンと音がする電車に乗ってゆっくり読書や自然の景観を楽しんでみたり、甘いものを食べにカフェを巡ってみるという楽しみ方はどうでしょうか。

飯塚の街は、いつでもみなさんをお待ちしています!

*地方の小さな中小企業として、これからどう生き残っていくのか、そして飯塚市の魅力について随時発信をしていきます。拙いながら頑張りますので、ぜひよければTwitterのフォローをお願いします!





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