マガジンのカバー画像

小説「働くことに生きがいを求めて」

15
自己体験をもとに,小説仕立てで書いています。 「テーマは働くことと生きがい」です。 高校生の時に加藤諦三先生の【高校生日記】を読み、激しく心を揺さぶられました。俺もこの人のよ… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

働くことに生きがいを求めて。その14「靴屋の店頭販売の巻」

働くことに生きがいを求めて。その14「靴屋の店頭販売の巻」

前号までの話はこちらです。

「大好きな仕事を見つけて燃えるように生きる」、つもりだった。しかし,その前に
「大好きな彼女」ができてしまった。
そして、二人の気持ちが盛り上がってしまい、結婚することになった。
僕は大学を中退、彼女は予備校を退学した。
彼女は早々に就職が決まった。
僕はなかなかうまくいかなかった。
そんな時、中学時代の親友が助け舟を出してくれた。彼の勤め先は流通業界のビッグスリー「

もっとみる
働くことに生きがいを求めて。その13。結婚しよう!

働くことに生きがいを求めて。その13。結婚しよう!

前回までの物語はこちら。
(前回より主人公h君を「僕」に変更しました。ご了承ください。)

僕はY子を選んだ。
自分でもよくわからない、なにか逆らうことができない
魔物のような力が働いたとしか言いようがない。

4月に付き合い始めて、週に2,3回バイトでいっしょになる。
楽しくて仕方がない。
そして,週一でデート。
もう、ずっとずっと嬉しくて仕方がない。

7月に二人で、スカイラインGTに乗って、

もっとみる
働くことに生きがいを求めて。その12〜大学編4。

働くことに生きがいを求めて。その12〜大学編4。

前回までの話はこちらです。
小説「働くことに生きがいを求めて」|えちごや|note

(この物語は著者の体験を基にしたフィクションです)
(今回から主人公の人称を「h君」から「僕」に変更しました)

では、始まり始まり〜

僕は、近所にあるスーパーの中の白木屋と言う和洋菓子の専門店で、アルバイトを始めた。
そこで予備校生のY子と出会った。
特別かわいいと思ったわけでは無い。
しかし、明るくて話やす

もっとみる
働くことに生きがいを求めて。その11。大学編Vol.3。

働くことに生きがいを求めて。その11。大学編Vol.3。

この物語は、働くことに生きがいを求めて彷徨した一青年の物語です。
(実話に基づいたフィクションです)
過去の話はこちらです。

今回は、大学編の3話目です。
では、ここからスタート。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

秋の日差しが照りつける中、大学のグランドでソフトボール大会が開催されていた。h君は、文学研究部に所属している一年生だった。中学までは野球部に所属し、ショートとしてプレーしていた。今日

もっとみる
働くことに生きがいを求めて〜新h君物語、その10。大学編その2。h君に春がきた🌸

働くことに生きがいを求めて〜新h君物語、その10。大学編その2。h君に春がきた🌸

時は今から40数年前、森田公一とトップギャランの『青春時代』が大ヒットしていた時代の話です。
まだ、世の中に「サザンオールスターズ」の『勝手にシンドバッド』が出る前の話です。
中学3年までは野球一筋だった少年。
高校時代に文学に目覚めた青年。
大学の入学式で応援団の勧誘に捕まり、登校拒否し、市の図書館に1ヶ月引きこもった青年。
そんな青年にも春がきました。

では、ここから、スタートです。

ゴー

もっとみる
働くことに生きがいを求めて〜新h君物語、その9。あぁ、華の大学生活編。

働くことに生きがいを求めて〜新h君物語、その9。あぁ、華の大学生活編。

入学式が終わり、出入口の扉を出た。
その途端、左右から脇に腕が差し込まれた。
そのまま掬い上げられるように、上に持ち上げられ、
自ずと足はつま先立ちとなった。
ズルズルズルズル〜
???
いったい何が起こったのか?
左右を確かめると、黒の学ラン姿の男が二人、
俺をどこかへ拉致しようとしていた。
えっ?
あっけに取られている間に、学校の中央部に位置する丸い噴水場の前にあるベンチに座らされた。
「おま

もっとみる
働くことに生きがいを求めて〜新h君物語、その8。

働くことに生きがいを求めて〜新h君物語、その8。

文学部への道。

ここまでのことを、今現在から俯瞰してもわかる様に、明らかに、自分の進むべき道は見えていた。

自分が高校時代,興味を持ったことの中で特に夢中になったことをまとめてみると、
読書するようになった。しかも、かなり好きだ。
この読書の習慣の影響か、書くことへの欲求が高まったように思う。
さらに、読む力がつき、現代国語はもちろんのこと、その他の教科もわかるようになり、成績が上がり出した。

もっとみる
働くことに生きがいを求めて〜新h君物語。その7。

働くことに生きがいを求めて〜新h君物語。その7。

ここで、前回までのまとめを記しておくことにします。
そもそもこの物語は、若松英輔氏の【「生きがい」と出会うために】という本を読み、自分にとっての「生きがい」とはいったいなんだったのだろうか?
と思い始めたことがきっかけでした。
それを探るには、自分の過去を振り返ってみるのが一番だろう、と書き始めたのが、いつのまにか、物語形式に変わってしまいました。という感じです。

ここから、ここまでのあらすじの

もっとみる
働くことに生きがい求めて〜新h君物語。その6

働くことに生きがい求めて〜新h君物語。その6

親友よしのりからの手紙。その1。

高校一年の三学期、小学校時代の親友から突然手紙が来た。
卒業以来初めてのこと。
開けてみると、「入院した。急性の腎臓病だ。暇だから遊びに来てくれ。病院はお前の学校と家の間あたりにあると思う。時間がある時に帰りがけに寄ってくれ。見舞いの品はいらん」
と書かれていた。
オレはびっくりした。
あの天然的に明るくひょうきんな男が病気で入院?
イメージが湧かなかった。

もっとみる
働くことに生きがいを求めて〜新h君物語。その5

働くことに生きがいを求めて〜新h君物語。その5

時は今から40数年前。

高一の秋、中学時代の同級生G子から突然手紙が来た。
多分、同じクラスの子だったと思う。
だけど、在学中に会話をした記憶がほとんどない。
だから、えっ! なに? と少しドキドキした。
内容は、「自分が今通っている高校の同級生が、h君(私のことです)と文通がしたいと言っています。とてもいい子です。どうかしら?」
というものだった。
G子が学校に卒業文集を持っていき、その中の写

もっとみる
働くことに生きがいを求めて〜新h君物語物語。その4。

働くことに生きがいを求めて〜新h君物語物語。その4。

まだまだ、高校時代の話しが止まりません。
もうしばらくお付き合いください。

時は今から45年ほど前(笑)

高校2年の春から秋にかけてのお話です。
その年の春ごろから、中学時代の仲間がバイクをきっかにして、また昔のように集まりだした。
俺もその中の1人。5月ぐらいからつるんで走るようになり、5月の末に10人で奥多摩のツーリングに出かけた。その時俺は50 CCのヤマハのミニトレに乗っていた。でも、

もっとみる
働くことに生きがいを求めて〜番外編その1。

働くことに生きがいを求めて〜番外編その1。

なぜこの物語を書くことになったのか?いや、なんで自分は、こんな恥ずかしい昔話を辿っているのか?
きっかけはこの本【「生きがい」と出会うために】を読んで書くことを誘発され、
自分なりの「生きがい」について書いてみたくなったから、だと思います。
前回の「その3」で書いたように、「仕事に燃えて生きる」これこそが生きがいだと思い込んで生きてきました。
しかし、ある時から(多分50歳をすぎた頃から)ちょっと

もっとみる
働くことに生きがいを求めて〜新h君物語。その3。

働くことに生きがいを求めて〜新h君物語。その3。

高校生の時に、読書の面白さに出会ってなかったら、いったいどんな人生になっていたのだろうか?
少なくとも、今回の人生よりはつまらなかっただろうと勝手に推測しています。
それぐらい、この後の私の人生は面白かった。

さてさて、続きを書こう。

この後、加藤諦三の本に出会います。
【高校生日記】です。

偏差値72以上じゃな入れない都立高に通っていた著者(主人公)。こんなに頭がいい人でも劣等感に苛まれる

もっとみる
働くことに生きがいを求めて〜新h君物語、その2。

働くことに生きがいを求めて〜新h君物語、その2。

とにかく話を前に進めよう(笑)
こうして、小学校の時の、図書の時間に、本を選んで着席するのがいつも最後から2番目だったほど読書嫌いだった私が読書に目覚めた。(図書の時間とは、週に一度時間割に組み込まれていて、クラス全員で図書室に行き、その場で本を選び、そのまま終業ベルがなるまで45分間各自が自由に本を読む、と言う授業。椅子に座ってじっとして文字を追う、その作業が嫌でたまらなかった。だから、私は、本

もっとみる