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方向転換

夜、ひとりの部屋で、この文章を書いている。
今日は春なのにちょっと暑くて、嫌いな半袖で過ごしている。
もう暗いのに、外では猫が喧嘩している。
何かを始められた気がした、そんな日だったので、こんな文章を書いている。

1年前、わたしは生きようと思った。
生きていていいというゆるしを飲み込んだ。
震えていた。いまでも覚えてる。緊張も、嬉しさも、責任感も。

今日、あの日の自分の日記を見返してみた。
何も知らない私がいて、饒舌な彼女が羨ましくなった。

この1年で私の人生は全く変わってしまったと思う。
もう元には戻せなくて、これをどうしていくかは私次第で、
いまだに「いつか」を信じている。

神学者のヘンリ・ナウエンは、彼の著書の中で
『あなたの傷の中に、あなたの使命がある』と言った。

この言葉がずっと絆創膏になってくれていて、
わたしの傷を今日まで抑えてくれていた。
この傷を、やっと見つめ直す決心がついた。
慎重に剥がして、目を逸らさないで、ちゃんと。


本当は文章なんて書かなくていいのに、
書きたいと思って繰り返してしまう自分がいる。そして、続いてる。
評価されるのが怖くて、自分が自分で居ることは難しいと思っている。
でも、言葉を書いている間、わたしがいちばん「わたし」になっている気がしている。
不思議。
わたしは多分、書くことで逃げている。

現実、逃げられないことが多すぎる。
逃げたいのに、逃げる場所が見つけられなかったり。
被らなくていい仮面を被らなければ暮らせなかったり。
一緒に荷物を背負うために肩を貸したはずだったのに、いつの間に荷物も相手もおんぶすることになっていたり。

弱さを感じる必要はないのに。
自分がそうありたいと思う自分で居られたらいいだけなのに。

大丈夫、って出来る場所を作りたい。
逃げるじゃなくて、寄り道みたいな、そのくらいの場所。

ちゃんと「いつか」を迎えられるように、わたしはもう一回舵を切る。



自分のことなのに、直視できていないみたいな文章になった。
感情も相まって、うまく言葉にならなかったけど、
日付が変わる前に書いておきたかった。

こんなぼろぼろの文章を書きながら、いつの間にか泣いていた。
猫の喧嘩も、終わっていた。

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