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【言語心理学】「したい」

この言葉をよく使う人シリーズ、今回は「したい」をみていきます。


■「~したい」を多用する人


「~できたらいいね」も同様。
英語で言うところの「want」を指します。

「オレも週末くらいデートしたいな」
「私だって、海外旅行に行きたい」
「最近なんとなく引っ越したいなぁ」

というように、自分が主語の表現と

「私たちも飲み会したいね(できたらいいね)」

という、私たちが主語の表現があります。


■「~したい」を多用する人の心理


「~したい」をよく使う人は、

潜在的に「でもできるわけがない」と決めてしまっているか、
意識的に「と、言ってはみたけど本当はあまり興味がない」と考えているか
のどちらかです。

無意識下でできるわけがないと決めてしまっている人は
「~できたらいいね」も併用して使う傾向にあります。

基本的に物事は自由にならないと捉えてしまっている反面
それに不満を抱えている場合にこの言葉は使われます。

意識的に「~したい」を使う人は、
とりあえず、その場の空気に合わせてはいるが賛同しているわけではないというパターンです。
たとえば、

「今度みんなで温泉でも行かない?」
「あ、いいね。行きたい、行きたい」

と使われるような場合で、
本心では

それほど行きたくはない(けど話しを合わせている)
行っても行かなくてもいい(けど積極的なわけではない)

などと思っていることが多い傾向にあります。
本気で応える気はないものの、
わざわざ場の空気を乱したり、行きたくないと意思表示する気はないというときに使われます。

このタイプの人は人に合わせるという心理を持っている傾向にありいます。
同時に、最終的に人と同じではありたくないという心理があり、
さらに、人に自分の本心を言わないという傾向があります。


■「~したい」を多用する人の傾向


潜在的に「物事は自由にならない」と捉えているタイプの人は、
「~したい」という表現に力が入りません。
実際にこのタイプの人が「~したい」と言ってもあまり意見が通ることはありません。
それはもともと自分で「無理に決まっている」と決めてしまっていることが
言葉の力として発現しないということもありますが、
言葉を多用しすぎて周囲から信憑性がないと捉えられているということもあります。

このタイプの人は、諦め癖がついていることが多いです。
また、人からアドバイスをもらっても

「そうだね」

と一応は肯定するものの、なかなか受け入れて実行することはしません。
その様子を見て、アドバイスを出した方は

「~したいって、前向きだから協力したのに。なんだよ」

と、あきれる傾向にあります。

また、「~したい」と言った後に
でもそれはなぜできないのかという理由を筋道通して話す傾向がある人もいます。

どちらにしても、周囲の前向きさを削ぐタイプです。

あいづちや、あいさつと同じように「~したい」を使う人は、表面上の人間関係を行う傾向にあります。
友達の数は多く、人付き合いや人当たりもいい。
「~したい」という発言のなかでも、何回かに一度は実際に行動を起こすので悪い印象も薄めです。

自分から何かを積極的にするんだというタイプではなく、だからリーダーシップを取ることはできません。
あくまで口先行型です。
基本的には、潜在意識で「無理」がベースになっているところは変わりませんので、積極性は持てないのです。

良くも悪くも「普通の人」という印象があります。

これら2つのタイプとは別に、本当の意味でお気楽なタイプがいます。
何か楽しそうなことがあるたびに

「~したい」
「私もしたい」
「やろう、やろう」

という人が稀にいます。
前後の事情をあまり考えず、また考えるよりも先に欲求が出てしまうタイプで、能天気であり、精神的に幼稚なタイプです。

先の2つのタイプが、「世の中はあまり思うようにならない」中で、
何とかうまくバランスを取ろうとして「~したい」を使っているのに対して、
このタイプはどちらかというと

「世の中とか、人の事情は知らない」

という自己中心的な傾向にあります。


■「~したい」を多用する人との付き合い方


タイプが3つあるので、1つずつ見ていきましょう。

まず、潜在的に「できるわけがない」と決め付けてしまっているタイプの人。
このタイプの人が「~したい」と言っていることに対して、あまり真剣に応えるとバカを見ます。

「私も転職したいよ」
「じゃあ、思い切ってやってみようよ」
「そういうわけにも行かないんだよ、家族もいるし、会社の責任のあるし・・・」
「でも、それじゃあいつまでたっても今のままだよ。どこかで踏ん切りをつけて・・・」

という会話の後に、
口に出すかどうかは別として

「あなたは私の立場とか事情を理解してないからそんなことが言えるんだよ。よくわかってもないくせに、偉そうに言わないで」

という結果になりがちです。

このタイプの人が「~したい」と言ったら、「できたらいいよね」と言ってあげるのが一番です。

反面、このタイプの人ができていることで忘れていることや、気がついていない才能などを見つけて褒めてあげるとやる気が出ます。
「~したい」は現実から逃げるために使われているのですから、現実のいいところを指摘してあげるといいでしょう。

もし、その人の現状を見て、本当にそれではいけない、どうにかしたいという場合にはもう少し強い表現が必要です。
ただ親身なだけでは上に書いたように否定されて、現状維持されますので、
相談を受けた瞬間に、「バカヤロー」と怒鳴ったり、いきなり泣き出したりするくらいのインパクトが必要です。
そのくらいでなければこのタイプは行動を改めたり、見返そうとはしません。

次に話しを合わせるタイプです。

このタイプは割りと人畜無害なタイプなので、普通に付き合えば問題ありません。
このタイプの人が「~したい」と言い出したときに、その発言を真に受けずしばらく様子を見てあげるという余裕が必要です。

しかし基本的には、何事もままならないと思っていますので
陰口などに付き合いすぎないように気をつけた方がいいでしょう。

最後に、何でも「~したい」という能天気系の人ですが、
このタイプは、盛り上がりを重視するので
人間関係を維持したいのであれば、とりあえず一緒になって盛り上がるのがいいでしょう。

しかし、このタイプに限り有言実行する可能性が高いので、
軽はずみに賛同するのはオススメできません。

また、あまりに現実的なことを言い過ぎて夢を壊してしまうと
「おもしろくないヤツ」「ノリの悪いやつ」と思われる可能性も高いので、
関係の距離に気を配った方が無難です。

新しいことにチャレンジするときに、気持ち的には励みになり、頼りになる反面、
実質的にはあまり役に立たないこともあります。
そんな場合にも、失敗の責任を【正当化】する傾向にありますので注意が必要です。

このタイプは「~しなければならない」をよく使うタイプとは水と油です。
この両者がいる場合は、一定の距離を保つように工夫した方が、争いがなくていいでしょう。


■「~したい」の多用を変える


この言葉をよく使う人は、基本的に

「~したい。でもできない」

という概念があります。

この概念は、使う言葉を変えることで変化させることができます。
まず、

「~する」

という言葉を使うようにします。

「旅行に行きたい」ではなく、
「旅行に行く」

と、決定した言い方をするように心がけます。

ただし、この言い方はこれまで「~したい」と言い続けてきた人にとってはなかなか抵抗のある言葉です。
「~する」と言うことができない人は、
口癖で

「旅行に行きたい」と言ってしまった後に
「どうやったらいけるかな?」

と、「どうやればできるかな?」と質問するクセをつけます。
この質問を自分に投げかけることによって、
脳の中に、物事は自分で可能性を探ることができる、という可能性が生まれます。

この可能性が生まれ、定着すると
「~したい」と発言することが、
イコール可能性を考えることに結びつき
これまでの考え方にパラダイムシフトが起こります。



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