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採用において企業が叩かれがちだが、けっこう求職者の履歴書もヤバい件

――商社の業務系システムを担当しています。

この職務経歴書を見て、エンジニアの皆さんは、この人のエンジニアスキルを判定できるでしょうか。
おそらく10人中10人が「こんな経歴で判断できるわけないだろ!」と憤慨するはずです。しかし、これしか書かないで職務経歴書を提出する求職者が(けっこうな割合で)います。

エンジニアの職務経歴書は薄いことが多い

個人情報なので、上記は本当の職務経歴書から引用したわけではありません。あくまで例です。実際の職務経歴書とは異なります。
ですが、このレベルの職務経歴書が割と普通に提出されています。企業の人事と会話すると、「職経歴書が薄すぎて判断できない」という言葉をもらうことがたびたびです。
詳しくお話をうかがうと「一行しか書いていない」ケースは珍しくありません。それくらい、このレベルの職務経歴書は存在します。

書類選考を通過しないエンジニアは、一度、ご自身の職務経歴書を確認してみてください。ここまでひどくなくても本当にその職務経歴書は他人が見て、レベルを判別できるものでしょうか。

大切なのは、何を、どのくらい経験したのか

では、どのような職務経歴書なら判断できるのか、一番簡単なのは各転職メディアが出しているテンプレに沿うことです。

中の人が言うので自画自賛的に聞こえますが、よほど特殊な業務にしか携わっていないエンジニア以外、テンプレに沿って記載すれば「職務経歴書が薄い!」と言われることはありません。

「エンジニアは、」と主語を大きくするので、異論のある方もいると思います。しかし、エンジニアの中に相手がどう理解するかを考えない方が多くいます。

ITプロジェクトの問題の3割くらいはエンジニアが相手を慮らないために発生、あるいは大事になっているケースがあると邪推するほど。

自分目線が強いエンジニアが少なくない

この書き方では、相手が判断できないということが頭にないのです。転職で選考が通過しない方は、その傾向が強い可能性があります。もっと言えば、今、評価されていないと感じているエンジニアは、この可能性が高いです。

どういうことか。会社や上司の評価ポイントと自分が評価してほしいポイントがズレているのです。例を言えば、会社はリリース後のエラー率の低さを評価するのに、エンジニアは新しい技術への取り組みを評価してほしい、という感じです。

同じことが面接でも起こっています。面接官としてはプロジェクトの中でどういう工夫や貢献をしたのかを質問しているのに、「コーディングを担当しました」と役割の話だけするといったことです。

このディスコミュニケーションが、採用の中では珍しくない程度に発生しています。コロナ前は採用要件に「コミュニケーション能力」と回答するIT企業の、いかに多かったことか。

やっぱりコミュニケーションスキルは大切

コロナ後はエンジニア需要が加速し、そんなことすら言えない状況になったためか、コミュニケーション能力を筆頭に上げる企業は少なくなりました。

とはいえ、採用要件から消えたわけではありません。書類選考や面接でコミュニケーション能力は見られており、最初の例のようなエンジニアには「お祈り」をしているわけです。

以上のように、求人倍率10倍を超えるエンジニアバブルにあって、コミュニケーション能力が大切なことがお分かりいただけたでしょうか。

特に自社サービス系の企業は周囲のメンバーと協調して働けるかを見ているようです。これは現在働いているメンバーのコミュニケーションスキルのなさの裏返しでもあるのですが……。

コミュニケーションスキルは技術

書類選考を通過しない、1次面接で落とされるというエンジニアは、一度、ご自身のコミュニケーションの取り方を見直してはいかがでしょうか。仕事に求められるコミュニケーションスキルは養えます。コーディングスキルと同列のものです。

もっといえば要件定義と同じです。相手が何を求めて、この機能を入れたいのかが分かれば、要件の段階でズレることはなく、差し戻しが発生しません。仕事のコミュニケーションはそれと同じです。

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