【EDH・統率者】《E. Honda, Sumo Champion》の困ったところ【MTG】

 フレーバー重視なのは良いが対象を取るのはちょっと困るという話。
 《E. Honda, Sumo Champion》というカードがある。

日本語がない

 ストリートファイターのエドモンド本田をMTGのカードに落とし込んだもので、6マナ0/7と一見すると随分パワーのないP/Tをしているが、自身の能力でコントローラーのターンの間、パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振れる。そのため自分のターンで殴る分には事実上6マナ7/7として振舞う。相手ターンは0/7バニラ。
 また、自身が攻撃したとき、クリーチャー最大100体までを対象とし、手札の数だけ+0/+Xさせる能力も持つ。この能力でパワーは上昇しないが、先述したもう1つの能力と合わせて、実質的に+X/+Xとほぼ同じ挙動になる。手札が3枚もあれば、かの《踏み荒らし》と同等のP/Tへの修正なので、効率としては悪くない。100体という上限も通常のMTGで100体以上クリーチャーを出す場合は大抵無限コンボが決まっているはずなのでさほど気にならないだろう。
 ちなみに100体を対象に取るのはエドモンド本田の技、百裂張り手から来ている。攻撃しているのに対象のタフネスを上昇させるとはこれ如何にと思わなくもないが、別のゲームのキャラクタをカードに落とし込む以上、多少のデフォルメは仕方のないことだろう。

 6マナと重いが、EDHでなら出せなくはない重さで、手札とクリーチャーの数が確保できるデッキなら中々悪くない性能である。
 しかし最近、使っていて、少々困ったところがあるなと思い始めた。
 主な原因は攻撃時に最大100体を対象に取り、+0/+Xする能力だ。
 手札がない状態だと修正がないという額面通りの欠点はさておき、とあるカードと相性が悪いことが判明した。
 《アクローマの意志》である。

気付いたら高騰してたやつ

 統率者をコントロールしていると両方のモードが選べる意志サイクルのカードで、飛行・警戒・二段攻撃を得るか、絆魂・破壊不能・プロテクション(すべての色)を得るかのモードを持つ。
 統率者をコントロールしていると両方選べるため、自軍クリーチャーが飛行・警戒・二段攻撃・絆魂・破壊不能・プロテクション(すべての色)という本家アクローマもびっくりの性能になる(本家と違って速攻は持てないが)。
 特に二段攻撃が強力で、プロテクション(すべての色)と合わせてブロック不能の高打点を叩き込めるのだが、ここでエドモンド本田との食い合わせの悪さが出てくる。エドモンド本田の能力は対象を取るため、プロテクション(すべての色)を得たあとだと対象に取れないのだ。
 プロテクションはプロテクションによって規定された性質を持つものから対象に取られない。これは呪禁と異なりコントローラーを問わない為、当然自分の白いエドモンド本田でも対象に取れない。
 一応エドモンド本田の攻撃時の誘発型能力を解決したあとに《アクローマの意志》を撃つことでその問題は解決できるが、そうなると《アクローマの意志》で持たせた警戒に意味がなくなってしまい、勿体なさが拭えないのである。
 多人数戦であるEDHでは可能な限り隙を晒したくはなく、殴るデッキならば警戒があれば隙を晒しにくくなるため有用なのだが、エドモンド本田の能力を活かそうとすると防御を諦めなくてはならない。
 エドモンド本田の能力でタフネスを上昇させた上で、ほぼブロック不可の二段攻撃による打点ならプレイヤーを殴り倒せる可能性が高いが、やはりカードの性能をフルに活かしたいと思うのがPWの性。
 誘発の条件はそのままに、対象に取らない能力であったならもっと強かったなと思ってしまう。
 この対象に取る、という部分は《アクローマの意志》以外にも干渉することがあり、《稲妻のすね当て》で被覆を持ったクリーチャーも対象に取れない。あるいは元から被覆を持っているクリーチャーも同様に対象に取れないため、時折打点が足りないということが起こる。
 《アクローマの意志》で警戒が持てないことは大きな打点との引換で許容できるが、対象に取れないと打点が上昇しないことはどうにも許容できない。
 被覆持ちのクリーチャーを使わないとか、《稲妻のすね当て》ではなく呪禁を持たせる《速足のブーツ》を使うとか、対策はないでもないが、それらは大抵デッキに必要なために採用されているので、エドモンド本田のために構築を歪めるなら、いっそエドモンド本田を抜いたほうが良いだろう。
 ともあれ、エドモンド本田自体はEDHで使っていて楽しいカードである。
 ただ、対象を取るという挙動故に、殴るためのカードと相性が悪いのは少し残念だなと個人的には思う。

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