【MTG】境界石サイクルが好きだった話
境界石の名を冠するサイクル(カード群)がある。
3マナのアーティファクトで、タップすると友好色(C)か(D)が出るという、マナを出すアーティファクトとしては劣悪な性能のカードだ。
しかしこのサイクルのカードは1マナを支払い基本土地を1つオーナーの手札に戻すことで戦場に出すこともできる。3マナを払おうが1マナを払おうがタップインなのだが、1ターン目に土地をプレイしてからこれを出すことで、疑似的なタップインデュアルランドの類として扱うことができた。
とはいえ先述の通り3マナで出してもタップインであり、現代の一般的なマナを出すアーティファクトは3マナともなればアンタップイン、不特定マナで出せる、好きな色が出せると3拍子揃っているため、わざわざ入れるほどでもない。序盤に出すとしても土地のプレイ権を使っているので印鑑サイクルなどと異なり、あくまで土地のようなもので、マナ加速になるわけでもないでもないのも欠点だ。
しかし、この境界石サイクルの存在したアラーラ・ブロック(当時はまだ3セットで1ブロックを形成する時代だった)当時、このカードは使っていて気持ちが良かった。
というのも土地を出し、それをタップして1マナを出し、土地を戻して境界石を出すという一連の、物理的な動きが楽しかったのだ。
MTGをやっていると、あれをタップしてこれをアンタップして、手札からこれを出して……という動きはアドバンテージをもたらすことが多いので、カードを縦にしたり横にしたり手札から出したりする動きは楽しいものだという感覚が染みついてくる。
境界石サイクルのカードは、戦場に出す際に、そのような動きを1枚で行えるので、使っていて妙に気分が高揚した。
別に境界石サイクルを使った斬新なデッキを思いついたとか、境界石サイクルを強く活かせるデッキを使っていたとか、そういうことではない。
ただ、土地を出し、それをタップして戻し、手札から境界石を出すという動きが楽しかった。
先述の通りあくまで疑似的なタップインデュアルランドを出しているのと変わらないので特にアドバンテージは稼いでいないのだが、あれをタップしてこれを出して……という複雑な手順を必要とするコンボデッキのような物理的な動きが1枚で、それも序盤から行えるのは貴重な体験だった。
他のマナを出せるアーティファクトと比較して、非常に使いづらく、弱いのは理解しているのだが、今でも境界石サイクルを見ると手札と戦場のカードを動かしていた時の楽しさを思い出してしまう。
できることならリメイクされ、もう少し使いやすくなって2色すべての組み合わせでデザインされてくれないものかと思っている。
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