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【1分で読めるミニ記事】投影機って何がすごいの?

みなさんは物のサイズ(寸法)を知りたいときはどうやって測りますか?

きっと定規を使ったり、人によってはノギスを使うなんてことがあると思います。一方で、定規やノギスでは正確に測るのが難しいミリサイズのものを測るときはどうでしょう。

そんな時、先輩から小さいものの寸法を測るときは投影機という装置を使うといいと教えてもらいました。正直、普通の顕微鏡でいいんじゃないか? と思い調べてみるとかなり深い光学系の話が出てきたので簡単に紹介したいと思います。

投影機とは

そもそも投影機とは光を当てて、拡大した像を得る装置です。簡単にいえば影絵といった感じです。

レンズの下の試料台に見たいサンプルをのせると丸い画面に影絵が映し出されます。

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下記サイトより引用

投影機について何も知らなかったときに、私は顕微鏡で見ればいいじゃないか、なんでわざわざよくわからない装置を見るのだろうと思いました。

確かに顕微鏡で事足りるなら、投影機なんてこの世からなくなっても誰も困らないですよね。顕微鏡に比べてよほど安いとかの特別な理由があるのかなと思ったりしましたが、実はそんな単純な話ではなかったのです。

投影機には、投影機たらしめる仕組みがあるんですね。

テレセントリック光学系

なにやら難しい単語が出てきましたが、あまり気負わず見ていきましょう。

突然ですが、遠くものを見ると小さく、近くのものを見ると大きく見えますよね。なに当たり前のことを言っているんだ?と怒られてしまいそうですが、これは顕微鏡などに使用されるレンズでも同じです。

奥行きのあるものを観察するとき、その厚みによって若干見え方(サイズ)が変わってしまっては、サイズを正確に測る寸法検査はできませんよね。どこの長さを正しい寸法にすればよいのか困ってします。

そこで、遠くのものも近くのものも実際のサイズに見えるように、レンズを組み合わせたものをテレセントリック光学系と呼びます。

テレセントリック光学系では、奥行き(厚み)による寸法の変化が起こりません。

そのため、この光学系を用いた投影機で観察した結果はそのまま寸法として採用できるようですね。

↑こちらのサイトにわかりやすい例がありましたが、例えば地上から線路の写真を撮った時、通常のカメラでは遠くになるほど小さく見えます。

一方で、テレセントリック光学系のカメラで撮ると、地上から撮ってもまるで上空から撮影したかのような画になるようです。まったく奥行きが感じられないという点がわかりやすいかと思います。

テレセントリック


もっと厳密な話になると私もまだまだ勉強が足りませんが、ざっくりとした理解では、投影機は顕微鏡と異なる原理で観察しており、物体の奥行き(厚み)の影響を受けない装置といえるでしょう。

最後に

今回は、実験などで使われることもある投影機について紹介しました。知らないとなんのための装置なのかさっぱりでしたが、少し調べてみると科学の奥深さを感じられました。

世の中多くの人たちは実験装置は使えればOK、結果が出れば良しと思っていると思います。しかし、一歩間違えると、その結果はなんの意味もなさないごみデータになってしまいます。

それを防ぐためにも、装置の原理原則をしっかり理解して使用することを心掛ける必要がありますね。

参考

https://www.edmundoptics.jp/knowledge-center/application-notes/imaging/advantages-of-telecentricity/



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