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【1分で読めるミニ記事】地球には存在しない結晶

この世で最も希少な結晶は何でしょうか?この問いの答えは非常に難しいですが、この世でとっても希少な結晶というのは、いくつかあります。

中でもこの地球上では作ることができない結晶というのは、当然かなり希少なものになります。

今回はそんな本来地球には存在しない結晶について紹介したいと思います。

地球に存在しない石

本来、地球に存在しないのに、どうしてそんなものがあるのでしょうか?

そうです。宇宙から来た石であれば、本来地球上に存在しなくても不思議ではありません。

今回紹介する結晶というのは地球外に生まれて地球にたまたまたどり着いた隕石のことを指します。

人工的には作れない石

隕石といってもその構造はX線などを使って明らかになっています。それならば今の科学力をもってすれば人工的に作れてしまうような気がしますよね。

しかし、そうは簡単にはいかないのが結晶の奥深いところところになります。

なぜ、原料も構造もわかっているのに人工的には作れないのでしょうか?

結晶は一般的に時間をかけて気体や液体が固体になるときに生まれます。氷のように冷凍庫で一晩おいておけばできる結晶もありますが、中には時間をかけてゆっくりと冷えなければできない結晶も山のようにあります。

1万年に1℃の割合で冷やさないといけない結晶を今から人間がつくろうにも私たちは誰も生き残っていないですよね…

ウィドマンシュテッテン構造

この非常に希少な結晶には特別な模様が現れます。これをウィドマンシュテッテン構造と呼びます。

画像2

https://astro-dic.jp/widmanstatten-pattern/より引用

複数の三角形が重なり合ったような神秘的な模様ですね。

このきれいな結晶は、鉄とニッケルという比較的有名な金属の合金として現れます。安定した環境下で、ゆっくりと冷えることによって結晶の層が分離し、きれいな模様を作りだすことができるようです。

ちなみに、隕石自体はこんなきれいな模様が見えるわけではなく、表面を切り出して酸で処理をすることで、模様が浮かび上がります。

なお、世の中にはウィドマンシュテッテン構造だといってアクセサリーが多く売られていますが、その内安いものはたいてい偽物の可能性があります。購入するときはよく注意した方が良いですね。

最後に

今回は、地球上では作ることができないウィドマンシュテッテン構造を持つ隕石について紹介しました。

正直、興味がある人は少ないのかなと思う内容ではありますが、世の中にはこんな不思議な結晶もあるんだよってこと知っていると何かの雑学にでもなるかもしれないですね。

私もコレクションの中にウィドマンシュテッテン構造をもったギベオン隕石を持っています。写真写りが悪かったのでおまけに回しました。

図1

このサイズなのに結構値がします…コレクター泣かせの結晶ですね。

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