見出し画像

先生、どうして国語を勉強するんですか?

はい、席に着けー、授業を始めるぞー。

え? なんで国語の勉強をしなきゃいけないかって?

そうだなあ、先生が思う国語を勉強する理由は、自分の気持ちを表現するためと他人の気持ちを理解するためかな。


まず1つ目の自分の気持ちを表現することについてだが、例えばまだ言葉を知らない赤ちゃんのことを考えてみてくれ。
不快な思いをしたときには泣くと思うが、それだけではお腹が空いたのか、どこかが痛いのか、分からんだろう。
しかしな、成長して言葉を覚えれば、「お腹が空いた」や「足が痛い」などと感情を伝えることができるようになる。
知っている言葉が増えれば、「昨日から何も食べていないからお腹が空いた」や「さっき段差でつまずいたときに足をひねったから痛い」のように、今の感情をより詳しく伝えることができる。

もちろん、国語なんか習わなくったって普通に生活していれば自分の感情を表現することはできるようになる。
しかし、大人になるにつれて、いろいろな経験を重ねると、一言では表せない複雑な感情に出会うことが多くなるんだ。
そういうときに自分の気持ちを言語化して、話したり書いたりできる能力があれば、自分の気持ちをより深く理解することができるようになると、先生は思うんだ。


自分のことだけじゃない。他人の気持ちを理解することも大事だぞ。

相手の気持ちを理解するためには、もちろん言葉を知っている必要があるが、それだけではダメなんだ。
テストでもよく聞かれるだろう? このとき登場人物はどういう気持ちだったのかって。これはな、なにもテストのためだけに作られた問題ではないんだ。
先生もみんなもたくさんの人との関わりの中で生きている。時には相手を傷つけたり相手に傷つけられたりすることもあると思うが、相手のことを理解しようとする心があれば大きな争いを避けることができる。

教科書に載っている小説や論説や詩を読んで、登場人物や作者の気持ちを考えることは、これからの人生で人と関わっていくうえで役に立つと思うぞ。


まあ、これはあくまで先生が考える国語を勉強する意味だ。先生だってこの年になってようやくこういう考えを持つようになったんだ。
今の時点でみんなに理解できなくても、それでいい。みんなもゆっくりでいいから、国語を勉強する理由について自分なりの答えを見つけてみてくれ。

とりあえず、今日の授業の内容は次のテストの範囲だから、勉強しないといけないしな。

さあ、教科書を開けー、昨日の続きからいくぞー。



この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?