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なぜ「レトロ」がブームなの?

2000年代の初期から人気が高まってきた「レトロ」ブーム。
「昭和レトロ」人気から始まり、今では「平成レトロ」や韓国で人気の「ニュートロ」や1990年代後半~2000年代に流行になったY2K「輸入レトロ」など、様々なレトロに注目が集まっています。


心理学から考える「レトロ」ブーム

人は、不況の状況や何かしらの心配ごとがあると、安定した時代を求める傾向にあるようです。

安定した時代とは、今よりも過去のこと。

「昔はよかったなぁ」、つい口に出てしまう言葉。てっきり年齢のせいだと思っていましたが、年齢だけのせいではないようです苦笑。

何かと物騒なニュースが世間を賑わせたり、世界的なパンデミックが起こったり、SNSによって情報過多になり、他人と比較することが常になった現代では、「今よりも良い時代」=「過去」に安定と安住を求めることが多くなるんですね。

「不完全な美意識」に人気が集まる

日常がモノや情報で溢れ、便利になった現在と比べると、沸騰しても音が鳴らないヤカンを使ってお湯を沸かし、人とのコミュニケーションはスマートフォンではなく対面だった「過去」の生活は"不便”なことばかり。

昔、ヤカンに火をかけたことを忘れ、テレビを見ていたことがあったっけな汗。ケトルを使うよういなった今は、そんなことはしなくなりました。

”不便”な時代に人気が集まるのはなぜなんだろう。

理由の1つは、人は「不完全な美」に惹かれるから。

大人気アニメの主人公を例にあげると、無邪気で人の良い性格だが、だまされやすく、強いヤツと闘うコトが好きな「ドラゴンボール」の孫悟空。不良でケンカに明け暮れていたが、春子に近づきたいと、よこしまな動機でスポ根バスケ部に入部した「SLAM DUNK」の桜木花道。物語が進むにつれて2人とも強くなっていくけれど、完璧なキャラクターではありません。

不完全な主人公に人気が集まるのと同じく、不完全で"不便”な時代も注目が集まるのだとか。

これからの「レトロ」ブーム

「レトロ」の人気が始まってから10年余り。そろそろブームが沈下する頃と思う方もいるかもしれませんが、おそらく「レトロ」ブームは時代を変えながら続いていくと考えています。

なぜなら、過去はどんどん積み重なっていくもの。

このnoteを書いている今も、1秒ずつ過去が生まれていっています。
「平成レトロ」の次は、これから生まれてくる赤ちゃん達が「令和レトロ」人気に火をつけるはず。

海外の「輸入レトロ」も、Y2Kファッションや「ニュートロ」のように、国や時代を変えて人々の人気が集まるのでしょう。

そして、不安要素がますます増えていくと思われる未来は、ますます安定した時代を求めるようになります。

私たちが生きている今は、未来の私たちの"過去”で、これから生まれてくる人達の”未来”と”過去”になります。

ますます便利で不安な世の中になっていくことを考えると、「レトロ」は永遠にブームの続く可能性のある要素をたくさん持っているんだろうな、と感じています。

最後までご一読いただきありがとうございました。
美貌あふれるニャンコより、ぶさカワニャンコが好みのタイプです(きゅん)

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