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【写真館577】室町からつながる桜を

今日の一枚はコチラです。

これも4月半ばに撮った写真です。

名古屋城近くの道をとてとてと歩いていたとき、八重咲の花を満開にしている桜に出会いました。

私自身、桜のなかでもっとも好きなのが八重桜です。ですから、もふもふとかわいらしい感じの花に引き寄せられるように、傍に寄ってみました。すると、その木には名札が掛かっていたのです。

「普賢象」

その名札にはそう書かれていました。「『普賢』というからには、普賢菩薩…? たしか、象に乗ってる仏さまだったような…?」と思いながら、何枚か写真を撮りました。帰宅後、Googleさまにお伺いをたててみると

東京府江北村(現・東京都足立区)の荒川堤で栽培されていた品種です。室町時代から知られ、葉化した2本の雌ずいの先端が曲がっていて、その状態が普賢菩薩が乗っている象の鼻に似ていることからこの名が付いたといわれています。

日本花の会HPの「桜の図鑑」より引用

…いろいろ情報量が多い(笑)

でも、名前から連想?した「普賢菩薩」からの「象」は正しかったようで。昔の方の連想の仕方だったり、名づけ方の思い切りだったりの粋さを感じたりもして。

古代や中世に生きた人たちの、色への繊細な感覚や、カタチへの連想の多様さにいつも感嘆します。

たとえば、雨の名前だけでも山ほどありますよね。でも、今の私たちがその名前を聞いて、どんな雨か思い浮かべたり、季節を感じたりということはほとんどの場合できなくなっています。

あるいは。色覚というのは人それぞれです。だから、実は隣りにいる人と自分が、同じ景色を見ているかどうかすら、実は危うかったりします。

そう考えると、古代や中世に生きた人たちが見ていた日常の景色にある色って、ものっそい濃やかだったと想像するのですが、それを現代の私たちが体感できる可能性はほとんどないのだなと。

それはとても残念で、さみしいなとじんわり思うのでした。


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