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髪型一つで世界が変わる

例えばコケシ物語とかいうアニメがあったとして、それを実写化されたなら、私は脇役で出演できるほどにコケシなのかもしれない……。と、自分を疑った。
『んふんふ』とでも呟けば、なめこでも行けそうだ。

そう思い始めたら、私は自分の髪型に疑問を抱かずにはいられなくなってしまった。

製作者の美容師さんが悪いのでは無い。
このボブヘアーはとても手入れが楽で忙しい朝は大変感謝している。

けれども私の毛量が多すぎて、実力以上に頭がデカくなり濡れ衣を着させられた気分になるのだ。さらに洗い流さないトリートメントの種類を塗り間違えるとお昼あたりには膨張してきて、鏡に映る自分に驚かされることとなる。

コケシの実写化がいる! ……と。

膨張時は脇役どころがコケシの女王だと言っても不思議じゃない有様だ。

やはり椿油を塗布せねば、このコケシ頭は何ともならないし、散髪からひと月も経った今では椿油でさえコケシ化を防げなくなってきた。

私は今朝、ダメ元で行きつけの美容院へと予約の電話を入れた。大抵当日予約の枠はないのだが、やはりそうだった。
私は神にすがる思いで「とにかく髪の量を少なくして欲しい。シャンプーとかブローとか無しでいいですから」とお願いしてみた。

すると快く引き受けてくださり、私はコケシ顔でほくそ笑んだ。

散髪後、髪はバランスの良いボリュームで収まった。
これだ。これが私にとって良いバランスのボブヘアーだ。毛量を減らしただけで気分が変わり、世界が煌びやかに見えた。

今ではコケシ物語のエキストラぐらいにしか出られない私となった。

 

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