わたしたちの1年、わたしたちの写真展
2021年が始まって1ヶ月とちょっと、みなさんいかがお過ごしでしょうか。私はというと年を明けてすぐに出た緊急事態宣言により、仕事もそこそこなくなり、個人的な作品撮りも控えているので、写真を撮る機会が減っているのが現状です。
とは言いつつも、立ち止まってばかりではありません。去年の暮れあたりから準備し続けていた「写真展」を無事に今日発表する日を迎えることができました。
高埜志保さんと一緒にふたりでの写真展となります。去年から始まったコロナの影響で撮影方法や活動など制限が掛かり、そのなかでも工夫しながら撮影してきた1年、すべてが満足いく活動内容、撮影内容かというとそうではありませんでした。そんななかでも絞り出すようにシャッターを切った写真たちを見てもらいたいと企画しました。
また、新たな試みとしてオンライン上での写真展となります。もともとはギャラリーを借りての展示を計画していたのですが、緊急事態宣言が発令され、このまま中止にするかどうか二人で相談した結果、ギャラリーでの展示は無人にして、webページをつくりオンライン上で写真を発表するという形にいきつきました。ただ、webページに写真を貼り付けるだけではつまらない、私たち共通で思い描く「展示」というのは、写真を見てもらうことと同時に見てもらった方たちとの交流をすることでした。まだ準備中ですが、ギャラリーからの見える景色や展示した写真を通して、見てくださるお客さんと交流できればと思っています。また、せっかくオンラインを活かした展示をするならばということで、トークイベントも行う予定です。写真についてや、私たちふたりが関わっている方をお呼びしてなどなど考え中ですので、お楽しみいただけると嬉しいです。
「季節は巡り そして私たちは また光を追いかける」
私を知っている方は察すると思いますが、私がつけないようなタイトルですよね。このタイトルは志保さんに付けていただきました。とってもお気に入りです。私はwebページつくりを担当しました。二人で得意な部分を足していって、一人ではできない写真展の形にしていきたいなと思いつつ絶賛準備しております。
今日はあとちょっと志保さんとの出会いとこの写真展のきっかけをお話できればと思います。
志保さんとの出会いは5年ほど前に参加した御苗場という日本でも最大規模の写真展でした。私はそれまで友人とのグループ展の参加はしていたのですが、もうちょっと不特定多数の方に自分の写真を見てもらいたい、評価してもらいたいと参加しました。
とはいえ、知人はほとんどおらず、心細さ満載で会場に立っていたのですが、私の展示ブースの向かいで展示していたので志保さんでした。志保さんも私と同じように花と女性を被写体として展示していたのを覚えています。あのころも青い色が印象的でした。海外の古典から着想して作品を作ったというお話(間違っていたらすいません…!)としっかりと作品を言葉で伝える姿勢が言語化できない写真を見せようとする私とは対照的だなぁと感じていて、それはいまも変わらず同じ印象なのですが、その言葉や写真への向き合い方にとても好感と尊敬を持った方でした(現在進行形で)。
SNS上での交流や1年に1、2回ほどお茶をしながら近況を話す仲が続き、その中でお互いの写真の取り組み方もまったく違うことを知ることができました。
高埜志保さんの活動を知っている方はご存知かもしれませんが、彼女は公務員というお仕事をしながら写真の活動をしています。副業が許されなく活動への制約があることや時間の制限があることなど悩みや葛藤を抱えいることも少しばかりお話は聞いていました。それでもご自分の作品づくりにひたむきに取り組み、志保さんから生み出される写真たちは「映画のワンシーンのような写真」を彷彿とさせる本当に素敵なものばかりで新しい作品が発表される度にうっとりとしています。
私はというと、御苗場の展示をきっかけに撮影の仕事をいただくことが増え、2年半前にはフリーランスのフォトグラファーとして「写真の仕事」をしています。写真を仕事にすることで、ご飯を食べて生きていくためにも、自己表現としても「写真を撮る」ということに向き合っていくことになり、一日中ずっと写真のことを考えるようになりました。やりがいもありつつも、その両方をバランスよく活動していくことに難しさも感じていたりしていました。
自分が見ても、側から見てもお互いに正反対な働き方、写真の取り組み方をしていると思っています。ただ、それが私にとってはとても刺激的だし、尊敬できる存在になっています。写真を撮る友人が少ない私にとっては自分の活動を前向きにさせていただけるとてもありがたい存在です。なので、こうやって何年も長く仲良くさせていただいていることに本当に感謝しています。いろんなところで違うなぁと感じるのですが、私は志保さんの人柄がすごく好きで志保さんの撮る写真がとっても大好きです。
上のツイートは去年の秋頃にふたりで鎌倉を散策したときの写真です。近況報告のついでに鎌倉に写真を撮りにいきましょうとふたりで行ったときのことです。実はこのとき、志保さんと同じ場所で同じものを撮るとどんな違いがあるんだろう…志保さんの視点ってどんなものなんだろうと知りたくてお誘いした覚えがあります。このときの撮影がきっかけで私と志保さんの持っているものと持っていないものを掛け合わせていったら面白い展示ができるんじゃないかなと考え始めたのを覚えています。
そこからはテンポよくことが進み、この展示の発表の日を迎えることができました。
志保さんと一緒に「わたしたちの写真展」と発表できるのがとても嬉しいです。
これから準備はまだまだ続きます。また、ちょっとずつ写真展についてやこの1年のことなどnoteで書いていけたらと思ってます。
ヘッダーの写真は鎌倉で志保さんと行ったカフェ
何時間もおしゃべりして、ここでこの展示もはじまった気がする。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。写真展が続けられるようにサポートしていただけるとありがたいです…!