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極上チョコとカカオニブにワインを合わせてみました

目を閉じて食べたくなる美味しさ。

それは、先日友人からお裾分けしてもらい食べた、ベネズエラ産のチョコとカカオニブのこと。普段食べているものとは別格だったんです。この美味しさ、どこからきてるのだろう? と思い、産地や品種のことを調べてみたら、美味しさの秘密がわかりました。私は今までチョコを食べる時、産地や品種のことなど、何も気にせず食べていたのです。

そのチョコとカカオニブのふるさとは、南米ベネズエラのカリブ海に面した小さな村、パタネモ村。この村でつくられる「クリオロ種」のカカオは幻のカカオとも言われ、世界のショコラティエたちが探して求める、魅力的な品質なのだそう。

実は、世界のカカオ生産量の80%は栽培が容易な「ファラステロ種」という品種。対して、気象条件の変化や病害虫に弱く栽培が難しいため、世界の生産量のうち、たった5%しか育てられていないのが、カカオの原種の血統を引く「クリオロ種」という品種。香り高く苦味の少ない上質な味わいに加え、入手もしにくいことから、昔から高品質なカカオとして大事にされ、評価を受けてきたのだそう。

さらに、純粋なクリオロ種は全体の1%未満という希少品で幻の品種とまで言われているそう。この希少なカカオの血を濃く引くクリオロ・ハイブリッド種を育てているのが、パタネモ村というわけです。野生のカカオを丁寧に増やしながら、肥料や農薬などの化学品を一切使用せず、自然栽培されていると聞いて、食べたい気持ちが募ります。

ということで、食べてみました。

まずはチョコからいただきます。口に入れると、やさしいアーモンドの香りと上品なビターの味わいが口いっぱいに広がります。その後、スパイスを感じる香りとほどよい甘みとうまみが押し寄せてきて。キレのある柔らかな酸味のおかげで後味も心地よく、シンプルな板チョコながら、余韻も長く、一口で幸せに。 

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続いてカカオニブ。カカオニブはカカオ豆をローストして、皮をむいて、小さく砕いた、まさにカカオそのもの。スーパーフードとして最近注目されているので、何度か食べたことがありましたが、今まではじっくり味わうことがなかったこともたり、その違いは歴然でした。香ばしい食感を楽しみながら噛み締めていくと、上品なカカオの香りとほどよくビターな味わいが口中で積み重なって、止まりません。これはクセになりそうな予感。

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産地や品種、テロワールが大事なのは、ワインと同じですね。

この極上チョコとカカオニブにはどんなワインがあうだろう。

普通に考えたら、やっぱり赤ワインがいいだろうな。でも、ここはもうひとひねりしてみたい。繊細な香りと上品な味わいなので、赤ワインだと少し負けてしまうんじゃないかな。ということで、ロゼワインを合わせることにしてみました。

合わせてみたロゼワインは、長野県塩尻市で育てられたメルロからつくられたロゼワイン。日本の生産者が丁寧に育てたぶどうからつくられたワインとの相性は予想通りバッチリ。

さらに、ワインとのペアリングにもうひと手間。

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あんぽ柿を薄くスライスして、サワークリームとカカオニブを塗り、それを何段か積み重ねてミルフィーユ状にしてみました。甘みと酸味と苦味が絶妙で、これはもう自画自賛の美味しさ。ロゼワインを飲むと、これがまたピタっと寄り添ってくれて、極上のペアリング。

チョコはシンプルに、山形産の早生のさくらんぼ「紅さやか」を合わせてみました。色が濃くて酸味がほどよくある紅さやかは、チョコのほどよい苦味と甘みにうまくハマって、その後ロゼワインを飲むと、夢見心地な気分に。

やっぱり、素材の良さというのは、きらりと輝きを増し、その個性がさらに際立つものですね。ワインづくりで「良いワインはよいぶどうから」と言われるのと同じく、チョコレートづくりもカカオ次第なんだということ、改めて実感。

カリブ海に面した小さな村の人たちが、希少なカカオを一生懸命育てている姿を思い浮かべながら、幸せな美味しさをかみしめるひと時。落ち込んだり、つまずいたりの日々も、この幸せがあれば、私、がんばれる。と思えたひとときでした。

<おわり>

※この希少なカカオを育てているパタネモ村では、年間100トンほどのカカオが収穫されているのに、発酵、乾燥などの工程の中で、その品質が維持できず、高品質なカカオを求める日本に輸出できるカカオは、わずか20トンまで減ってしまうそう。そんなもったいない話はないですよね。この状況を打破するには、生産者たちが栽培から加工までの一連の知識や技術を学ぶ必要があるにもかかわらず、パタネモ村のカカオ生産者の中で、カカオの栽培から加工までの専門教育を受けたものは一人もいないのだそう。もし専門教育を受ける人が一人でも増え、品質のよいカカオが増えたら、産地としてもっと存在感を増し、明るい未来が待っているはず。今、私の友人が以下のクラウドファンディングをサポートしているのを知り、私もカカオニブとチョコのリターンを購入しました。次世代につなげるプロジェクト、みんなで応援していきたいですね。




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