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岩手ガストロノミーツアーに行ってきました コラボディナー編

東北の土地と人と食の魅力を堪能するツアーの最終訪問地は、北三陸の断崖絶壁の絶景に佇む、レストラン「ロレオール」。奥田シェフの親友、伊藤勝康シェフのお店です。こんなところにこんな素敵な場所が! と思える場所で、店内に入る前に、まずは感動の景色を堪能。この地で採れる食材がそのままいただける予感いっぱいです。

レストラン「ロレオール」から見える絶景とお店。

今回は伊藤シェフの呼びかけで、農水省料理マスターズ受賞の東北のシェフ達(伊藤シェフ、奥田シェフ、黒森シェフ、萩シェフ)、そして2011年に奥田シェフや伊藤シェフと被災地を回り、活動を続けた歌手の八神純子さんが集結。夢のようなコラボディナーです。

まずは食前に八神純子さんが登場。「みずいろの雨」「Mr.ブルー」「パープルタウン」などの往年の名曲から、最新曲の「負けないわ」まで、背中を押してくれる歌詞と当時から全く変わらない歌声に感動して、涙が出てきてしまいました。(このツアー帰ってきてから、心洗い続けたくて毎日八神純子さん聞いてます……。)

八神純子さんの美声は、参加者の心に響き、また元気をくださいました。

さあ、コラボディナーのスタートです!
(全9品。3品目と5品目以外は伊藤シェフのお料理です)
1品目 田野畑ワカメのゼリー、水タコ、わさび。
山地酪農のチーズ「白仙」を添えて。とろっとした海藻とコリっとした食感抜群の水タコを食べた後、とろりと熟成したチーズを口に入れると、絶妙に絡み合います。そのタイミングでスプマンテを飲むと、スーッと流れていく。最初から幸せなお皿です。

2品目 種市の南部もぐりで採った天然ほやと店前で採れた天草とホヤのエキスで作った寒天 朝採れのシドケとともに
天然ほやはボイルして軽く炙った状態でしたが、あまりにフレッシュで食感風味とも爽やかかつうまみたっぷりの味わいに驚きました。臭みは全くなく、「ホヤは臭くて今まで食べれなかったのに、初めて食べることができた」という女性もいたくらいでした。

3品目 こごみと海老の春巻 カラスミとともに
仙台の中華の名店「KUROMORI」の黒森洋司シェフの春巻。こごみ、そして海老をミンチ状にしたものを春巻きにして、上からカラスミを振りかけた、うまみ爆弾とも言える逸品。もう、ちょっとこれは感動です。ワインが進みすぎて困りました。

4品目 アイナメの炙り(左が2日目、右が4日目)山菜(ホンナ)とともに
アイナメの、熟成期間が違うものの食べ比べ。岩手産山葡萄の塩と、山葡萄のワインの醸造過程で出る種からできたグレープシードオイルがアクセント。熟成の違いで、口中での感じ方が面白いくらいに違くて、目が覚めた一品。

5品目 いわき産鮑と鮑の煮汁を合わせたカリフラワーソース
福島県いわきのレストラン「HAGI」の萩春朋シェフのスペシャリテ。水揚げから30分以内に火を入れているとのこと、歯応えのある柔らかさというのは、こういうことをいうのか…としみじみ。今度は「HAGI」を訪れてゆっくり堪能したいと思えます。

6品目 うるいの葉で包み蒸し焼きにした鱒とワカメ 海藻(マツモ)のソース
こちら、断面図の写真を撮らなかったのが悔やまれます。ナイフを入れると、ワカメと鮮やかな鱒が現れ、食感がまた絶妙でした。仕上げにクロモジの枝を燃やし、その炎の香りをつけたとのこと。リラックス効果のあるクロモジの香りで、まさに五感が研ぎ澄まされるお皿でした。

7品目 鮃のポワレ 椎茸の出汁に麹、あさつき、フノリを入れたソース
絶妙な半生状の鮃は食感優しく、お腹いっぱいなのに心地よく入っていきました。

8品目 ほろほろ鳥のロースト
海の幸をこれでもかと思えるくらい堪能した後に登場したのが、本日の主役、伊藤シェフのスペシャリテ。伊藤シェフは「南部鉄器で焼いただけですが……。」とおっしゃってましたが、まさに岩手にしか生み出せないお皿と言えるでしょう。全ての部位を使い尽くしているので、滑らか、芳醇、クリスピー、ジューシーと食感の宝庫。赤ワインに馴染み、至福のお皿でした。

9品目 山地酪農牛乳のソルベ
フレッシュミルクを使ったジェラート。最後に食すには完璧と言える締めくくり。普段はこれをシンプルにデザートにしている、と伊藤シェフはおっしゃってました。今回のみ加えて、山葡萄のピュレで煮て仕上げた、すれた小豆(岩泉町の在来種)、アマゾンカカオのムース、マカンボ(ホワイトカカオ)、マンゴーが添えられていました。

奥田シェフは東北の友人達を盛り立てるため、時折友人達とキッチンには立っていたものの、あえて料理をメインで作ることはなく、お料理をより一層引き立ててくれるワインの説明、そしてお客様にワインを振る舞うことに徹されて、頭が下がる思いでした。

今回の東北を代表するシェフ達のオープンキッチンでのコラボは、料理のみならず、シェフ同士がシナジーを描きながら調理する一部始終を目の当たりにできて、本当に楽しい時間でした。それぞれお一人のお店で、また静かにディナーを味わってもみたくなりました。

やはり、地産地消。訪れなければわからないことがたくさんあります。訪れたからこその感動体験があります。

是非是非、皆さんも岩手県の北三陸、田畑野を訪れてみてくださいね。きっと幸せな時間と素敵な出会いが待っているはずです!

前編の「牧場編」はこちらです。

※当日合わせたワイン(全て、モンテ物産)
ドゥーカ・ディ・サルバルータ・ブリュット
ロエロ・アルネイス
クロットロ モンテクッコ・ロザート
ロッソ・ディ・モンタルチーノ





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