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ワンネスの海 藤井風『満ちてゆく』MV 感想文

藤井風さんの新曲とMVがでました
『満ちてゆく』
神曲すぎませんか・・・
『帰ろう』級の救済ソングが爆誕してしまったんじゃないかとちょっと思っています

で、MVは
「MVじゃない、映画やん!」てのが最初の感想で
ある男の、あるいは違う世界線の風さんの一生がぎゅうっと6分1秒(体感3分)に詰まっているような
山田智和監督…すごいよね(語彙力どこよ)
そして風さんの役者っぷりもヤバい

おおきなストーリーの軸はあるものの
見る人の感性にまかせて受け取れるよう余白が残されていて 
私は様々な人の様々な目線の感想や考察を読むのも好きなんですが
自分自身はこう感じたなーって最初の印象もメモとして残しておきたく
noteしています

大まかには3つの時間軸と+αの時間軸謎なシーンが交錯して描かれるMVで
①おじい風 ②サラリーマン風 ③少年風

+αは、エンドロールと途中差しはさまれる墓場の④サングラス風
そしてとても印象的でちょっと不思議な 
⑤海や水中のシーン 
ですよね~

海がね〜、最初は大海原にポツンと浮かぶベッドの上のおじい風の画の衝撃で

大海に浮かぶベッドとおじい風

まさかタイタニックのラスト的なシーンかと(泣)
ひぇー!となったんですが
冷静になって何度か見ると違って見えてきました…

ワンネス、ひとりひとりがみんな一つに繋がっているという事を、かつてブルーレイで発売されたドキュメンタリー映像のなかで
風さんは「海の泡と、海」に例えていたなぁと…思い出したりして

みんな同じものの一部 海に例えたら一人ひとりが泡
泡をプチってしたら もう海になっちゃう それと一緒で
「自分が自分が」ってなってるエゴとかが強い状態が 
すごい硬い泡ができちゃってると思うんだけど 
それをプチっと潰して大きなものと一つになったら
自分は大きな一つのものの一部だと思えるし みんな一緒なんやと思うし

「LOVE ALL SERVE ALL STADIM LIVE ドキュメンタリーgrace」より

こりゃ実際の海の話でなくって観念的な
生死や個々をこえてつながれる
おおきなものとひとつになっている状態ってのを、ヴィジュアライズするとああなるのかなぁと思いましたね~
大海原のベッドと風おじいは、肉体の死を迎えてワンネス(海であらわされている)にとけてゆく寸前の状態をあらわしている気がしました。
そう解釈するとお母さんは先に大きな海に行ったわけですが、
自分の内側に深くダイブするとワンネスにつながる世界があって…
生死を超えてお母さんと繋がれるということかなぁ? 
それにサラリーマン風は気づいたのかなぁ 

自分の内側へとダイブ じゃぼーん
お母さんの顔、静かで美しい

で 中盤の生きづらそうな、行き詰っているサラリーマン風をみちびいていくのは、もうそこにはいないはずのお母さんなんですよね

子供の頃の回想シーンは黄色っぽい映像なのですが古い思い出の雰囲気だけでなくお母さんからもらった愛のあたたかさもあの色のトーンは表している気がしました
自分を縛っている重たくしている いろんな執着や観念を手放せば
自由にありのままでいられて自然に自分の内側から愛は満ちてくるという
そんな歌詞だと思うんですが、その愛ってどんな感じ?って考えた時に
母親から子供へそそがれた無償の愛がいちばんちかいというか
そういうものだとも言っている気がしました
なんの条件も見返りもなく ただ愛している
自分をそういう風に愛して ただ満ちている

サラリーマン風は想い出のピアノ屋にみちびかれてピアノを弾いて
思い出します、ほんとの自分、子供の頃のピュアな魂の自分をみつけたのね
ピアノ屋から駆け出したサラリーマン風は子供の姿をしていて
走る途中でまたサラリーマン風の姿に戻るシーンがそれを表しているみたいで印象的です

ピアノ屋から駆け出すサラリーマン風は少年風の姿に
走る途中でまたサラリーマン風に戻る

そのまま教会に飛び込んで、感謝の祈りをささげたのか、あるいは何らかの誓いをしたのかな? 
何事かをつぶやき満面の笑顔で教会をあとにし、両手を羽みたいに広げてかけてゆくサラリーマン風が見えます
「解放」って背中に書いてあるみたい…

「解放」はそのままおじい風のラストシーンにかぶります 


肉体から解放されて自由になるおじい風…
サラリーマン風はその後脱サラして街のピアニストになったのかな~? 
その辺は自由に想像していい余白ですよね

店でピアノを弾く風も、グループワークを受ける施設でも、地下鉄のホームでも、ずっと母がそっと見守っています
 
ひとりでいるようにみえても、たくさんの人の中にいても変わらずずっと見守っているそれを母と思ってもいいし、ハイヤーセルフと思ってもいいし、そこここに充満している宇宙的な愛、あるいは神の愛と言う人もいるかもしれないけれど、いつもあるから、自分がそれを観ようとすれば観えて、感じたければ感じられる、そんなふうな気がしましたね

そして、④サングラス風なのですが 
これがよくわかんなくって…ただ、めちゃいい笑顔してるんですよね、そして一番素の演技してない風さんぽい気がします
映像の画質も表情も

お母さんにみちびかれて本当の自分に出会って脱サラしたサラリーマン風がサングラス風になって(サラリーマン時代と違うゆるっとしたスーツはリラックスした本来の魂に近い人生を生きれている表現に思えたり)お母さんのお墓参りに行っているような・・・
お母さんの赤いマフラーと赤い墓石がリンクしてるように思えますしね

でもちょっとね、エンドロールのあたりはMVの中で演じられている「誰か」でなくて、あのサングラス風だけは役のない素の状態の「アーティスト藤井風」だとしても面白いな~とか思ったりして 
マジな演技をかました後で物語全体を俯瞰してふふって笑ってる藤井風だとしても良い感じじゃないですか? 

この辺もすきに解釈したりその時々で好きに感じられる余白とさせてもらってもいいのかな…


まぁなんせ、オカンですよ、
お母さんへの愛が濃いMVだったので、ここ数年風さんとご両親の関係を垣間見させてもらっていたファンとしては、現実とリンクしまくってひっぱられちゃって、しばらく普通にMVが観れませんでしたわ
あの~MV公開された後すぐに「自分が見ることがかなわない老年期の風さんを見せてくれてありがとう」って仰ってる年配のファンが多かったんですよね、すごく多いの
風さんのファンは若い人からご隠居世代までめちゃ年齢層が広いのですが、中年以降はフェイクでないリアルおじ風やおじい風の姿は見る事は叶いませんからね~
身内でもなんでもないファンでもそんなことを考えちゃうんですから
いわんや風さんのオカンは…ということですよ 
風さんのお母様は40代でご出産されて当時は高齢出産言われてた時代ですからなおさら、自分がこの世を去った後の事を考えられたり親子で話したり親子とも意識することは多かったのではないかなー 
何かのラジオの相談コーナーで「お父さんに反抗してしまって優しくできない」という高校生に、「自分は親が年寄りだから反抗期とかはなかった 親が明日死ぬかもしれんと思って優しくしてみて」とかアドバイスしていた風さんを思い出したり
「かなえたい夢とかあんまりなくって親を喜ばせたいという事くらい」
ってこれまたラジオで言ってた風さんを思い出し なんだかねー(泣)
この世を去ってもずっと最後まで風のそばにいて見守るよ
とか、生死をこえて繋がれるんだよって大好きなママとパパに言われて育ったのかなぁと…これはまぁ本当に私の自分勝手な妄想、単なる妄想ですが
想像がどんどこ拡がっちゃってしばらく収集つきませんでした
そうすると
このMVまるごとご両親へのラブレターみたいな
そんな気もしてきちゃって…ハー《胸熱》

とどめにサングラス風のサングラスは実際のお父様から譲り受けたものですからね~ なんてこった
二枚目のアルバムが発売される頃に「愛の眼鏡」って風さんのインスタ投稿がありまして
愛の眼鏡をかければ世界が愛に満ちて見えるから愛の眼鏡をかけて見ようねってことなんですけど、愛の眼鏡のことを風さんに教えてくれたのはきっとオトンだよな~
そのオトンゆずりの眼鏡(=世界観 物事を見る時のフィルター)
をかけて風さんは生きて作品作って世界を駆けまわっている
てのがここでヴィジュアライズですよ!
オトンの愛の眼鏡か!とか思っちゃって
オカンの無償の愛+オトンの愛の眼鏡で育って今ここに風さんがおる
里庄で純粋培養された風が
いまNYでミュージックビデオを撮って大風ふかしてるんだよねとか
いや~もう妄想で勝手に膨らませてすみませんですが
オタクの盛り上がりが頂点に達してしまって曲どころではなかった
そんなMVでもございました

https://www.instagram.com/p/CbCwGCZvz-t/?igsh=MWQ5ODN4azF0cWRwdg==

そして盛り上がりと言えばあれですよ
曲の後半部分の盛り上がりすごくないですか?
前半のピアノと歌のシンプルな弾き語りで
「晴れてゆく空も荒れてゆく空も」ある、
いいことばっかじゃない日常の風景に淡々と、
そっと見守る母のようによりそう音からの
後半からどんどん緩急つけながらコーラスが加わって音も増えて
厚みが増すんですよね~聴いててきもちいいことといったら…
またシーンと編集と歌詞と音がぴったりはまっていて水の流れるがごとし、
だから6分あっというまに感じるんだろうなぁ
圧巻はラストのフェイクですよね~
風さん初期の作品はやたら「あーーー」が多くて
言葉にならない思いを「あー」に込めてるって仰ってたけど
今は「あー」のかわりにフェイクにこめてるんちゃうかと思っちゃいますね
空間いっぱいに風が巻き起こってぐるぐる声がうねってる感じ
私の脳内イメージでは綿菓子作るみたいに市井の人々のいろんな満たされない思いや悲喜こもごもを風さんの声がぐるぐるぐる~っと巻き取って
最後はひゅーんと天へあげちゃうみたいな
THE 浄化あるいは昇華っていう感じ
カタルシスとはこのことか~!と
毎度もってかれますね
風さん昔は時々自分の曲をゴスペルやいうてはったけど
ほんまある意味ゴスペルのようなものだよね
私の中ではこれはゴスペルです

今年もライブありますけど
会場の場所やタイミングや観客のバイブスやなんかがピタッとあったときの
そのライブ空間はすごいことになるんだろな~とか
これまた妄想ですけど 妄想しています
みんな歌うでしょ?「michi teyu--- ku----♪」
楽しみだね

オタク語りは尽きないのですが長いのでこの辺で

羽をひろげて走っていくサラリーマン風さん「解放」

注:上記画像はすべて公式「満ちてゆく」MV↓より
スクリーンショットして貼り付けております


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