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エメラルドの泉

4月末、プロヴァンス地方は
先週から2週間の春休みに入ったが
私は仕事をしていた。
今年は早々と6月末に日本に行くため、
そして生徒たちの試験も近いので
振り替えレッスンをしていたのだ。
その間我が家には
友人や義妹家族など
ずっと誰かが泊まりに来ていて賑やかな日々だった。

娘と従兄弟たち

仕事のなかった木曜日、
珍しく晴れたので
家族でフォンテーヌドヴォークリューズへ行った。

エメラルド色の澄んだ泉が有名な観光地で
雨風の続いた休暇中
唯一天気の良かったこの日は
観光客で賑わっていた。
ここには2年前の夏にキャンピングカーで
遊びに来たことがある。
ソルグ川の辺りで水音を聞きながら眠った。
その時も泉の美しさに息を呑んだが
滝の上方には水がなかった。
湧き水が溢れる春に行くと良いと
たくさんの人に勧められていて、
今回はその念願が叶った。


洞窟から流れ出る水の勢いは
自然の力強さにあふれていた。
娘は水の音を録音した。

鴨が気になって仕方のない犬がいた

子供たちは泉の近くで遊び
私は本を読んだ。

ソルグ川沿いのレストランで食事をして
水車を使った元紙製造工場を見学し
手漉きの紙で出来た栞などを買った。

いつもと違う景色に触れて命の洗濯をした気分。
とくに水の力はすごい。

港町に暮らしていた
夫のおばあちゃんがいた頃は
バカンスの度に海を見ていた。
時々あの日々を思い出す。



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