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ようこそ我が家へ

このごろ外出中に思うのは
「早く帰ってピアノを弾きたい」
こればっかりだ。

なぜなら我が家には
3週間から新しいピアノくんがいるのである。

中古ピアノ探しの旅に出てから4ヶ月、
いろいろなピアノに出会った。
業者さんのところでも
個人のお宅でも
それぞれのピアノに
物語があって興味深かった。


あるお宅でのスタインウェイ。
素晴らしい音色に
少々予算を超えても、と心が動いたが
メカニックに故障を発見して断念。

ひとときはヤマハC5、カワイKG5など
低音の美しい大きなピアノにも惹かれたが
結局はカワイKG1という小さなグランドピアノを
迎えることになった。

なぜかというと
まずは、
我が家のグロトリアン爺さんを
どうしても手放せないと
夫と娘が言い出したのだ。
今は無理でも
いつかオーバーホールをしてあげたい、のだそうで
ピアノが3台(うちにはアップライトもある)になるなら
サイズを小さくしなくては入らない。

二つ目の理由は
成長中の娘には
鍵盤は少し重ための
そんなに大きくないピアノで練習すると
コンクールやコンサートに良いと
ピアニストさんたちにアドバイスを貰ったのだ。

これからどんどんお金がかかりそうな
娘の将来のためにも
今は無理せず小さな良いピアノを買った方が良さそうだ。

そんな時に
このカワイKG1に出会った。
82年製だが、今まで出会ったピアノの中で
状態はかなり良い。


持ち主はマルセイユに住む
バリトン歌手のムッシューで、
ピアニストとのリハーサル用に買ったけれど
彼のピアニストがスタジオを持ってから数年、
ほとんど弾いていないという。

丸い音、決して軽くはないが重た過ぎないタッチが
(その前に見たプレイエルは筋肉痛になりそうに重かった)
家族3人とも、すぐに気に入った。


そういうわけで
私たちはピアノの家の住人となった。
毎日競争するように弾きあっている。
聞いて聞いてこの音!と言う娘の笑顔が
何よりも嬉しい。

ドアを開けて入ってくる生徒さん達も
あ!ピアノが増えてる!と驚いていた。


それでも娘が
1日の終わりに
こっそりグロトリアン爺さんを撫でて
優しく弾いているのを私は知っている。


今週末は室内楽コンサート!








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