Erika Ueda

クルディスタン関係の旅行記、クルド文学作品の翻訳、コンサート・映画・舞台の感想など。

Erika Ueda

クルディスタン関係の旅行記、クルド文学作品の翻訳、コンサート・映画・舞台の感想など。

マガジン

  • うたを求めてクルディスタン 2024春

    うたを求めて今年もクルディスタンへ。

  • クルディスタン音楽修行の旅 2023春

    2023年4月4日〜6月30日、クルド音楽修行inトルコ、3ヶ月の旅記録。できれば毎日更新したい。

  • クルド文学

  • トルコクルディスタン(2019年3月)

  • トルコクルディスタン(2018年10月)

最近の記事

Amedに移動、バスで9時間半@Gever→Amed

太陽の光で目覚めるのが、毎朝たいてい6時頃。そこからシャワーをして、バルコニーで本を読む。 9時半頃にお母さんが「Erika were taşte bixwe(エリカ、来て朝ごはん食べなさい)」と声をかけに来てくれる。 全く、いいご身分である。 ご飯のサイクルとして、朝ごはんをたっぷり、お腹いっぱい食べて、16〜17時頃に昼夜兼用のご飯を食べる。この二回で、後は夜にチャイを飲みながらナッツやフルーツを食べたりする。 このサイクルだと食べ過ぎなくてとても良い。 トドの

    • サントゥール奏者・Kajin Daraと再会@Gever

      Kajinが帰郷しているということで、セルダル、従兄弟のDoxoと3人で会いに行くことに。 その前にセルダルが散髪に行くというので、Doxoとうろうろしていると、ちょうど公園で、音楽学校の生徒たちによる合唱発表会みたいなことをやっていたので聴いてみることに。 めちゃくちゃ酷かった。 クルディスタンへやってきて、酷い歌を聴いたことが、これまで一度もなかった。誰も彼もが見事に歌うものだから、そういうものだと思っていたら、幸運なだけだった。 さて、Opiaという、Gever

      • 一つの村に車一台@Befircan-Gever

        今日もまた基本的には何もせずボーッとして過ごしたのだけど、そういえば、ジャーナン家の洗車を手伝ったのだった。 村の車問題。「一つの村に車一台きり」と、去年、セルダルのお姉さんのアイスンが言っていた。 買い物や病院、街中へ出かける必要があるときも、皆、足がなく困っているのだ。 街道まで降りていって、通りがかりの車に空きがあれば乗せてもらう。 車の所有者に片っ端から電話をして、乗せてもらえるか確認する。 この二択になるのだが、どちらも不確実なので、「何時にどこで」という予

        • お父さんが山の上に開いた泉を掃除する@Befircan-Gever

          夕方頃まではベロの家のバルコニーで過ごす。コーヒーを飲み、ケーキを食べ、チャイを飲みながら、Kindleでミステリー小説を読む。 去年この村にいた時にも書いたのだけど、この村は天国すぎて本当に危ない。緩くボーッと過ごすのに何の抵抗もなくなってしまう。 私がバルコニーで寝そべって本を読み耽っている間、ベロは家中を掃除しまくっていた。 さすがに体を動かそうと思い帰宅すると、セルダルと弟のセダットが「水を作りに行く」という。水を作る??ついていくことにした。 思ったよりもず

        Amedに移動、バスで9時間半@Gever→Amed

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        • うたを求めてクルディスタン 2024春
          32本
        • クルディスタン音楽修行の旅 2023春
          82本
        • クルド文学
          4本
        • トルコクルディスタン(2019年3月)
          2本
        • トルコクルディスタン(2018年10月)
          17本
        • イラク&トルコクルディスタン(2019年9月)
          13本

        記事

          かわいい赤ちゃんたちと天国で過ごす日曜日@Gever-Befircan

          日曜日ということで、セルダルのお姉さんとその子供たち、ベロのお兄さんとその家族、いろんな人が村へやってきた。 2歳児が2人揃い、大人たちはみんなホクホクだ。こんな天国みたいなところで、たくさんの大人に愛情を注がれて育つ子供たちは本当に幸せだ。 子供と遊びながらみんなで畑仕事をする。 仕事を終えて帰ってきたベロと小高い丘の方へ登り、Tûsîという草を獲りにいく。みんなその辺の草をよく食べているけど、そういえば私も子供の頃はツツジの花の蜜を吸ったりしていたなぁと思い出す。

          かわいい赤ちゃんたちと天国で過ごす日曜日@Gever-Befircan

          Vedat初対面、Wan湖のまずい魚@Wan

          セルダルのお姉さん宅で豪華な朝ごはんをいただいた後は、Gernasが仕事で近所まで来ているというので、顔を出しに行く。 指定された場所に到着すると、写真家のVedatもいた。SNSではよくやりとりしているが、直接会うのは初めて。半月程前にコメディアンのRasulにも会えたし、今日はVedat。だいたいコンプリートした感がある。 なんだかんだあって、たまたまそこに居合わせた人の会社が手がける複合施設がすぐ近所にあって、オープン間近だというので見学させてもらうことになった。

          Vedat初対面、Wan湖のまずい魚@Wan

          「知を共有する」シンポジウム聴講@Wan

          セルダルさんがWan で開催されるシンポジウムで登壇するというので聴講させてもらうことにした。 Şekir Axaという歴史上の人物がおり、その人物が殺された、という内容の古い歌があり、その旋律には様々なバリエーションがある。人が殺されたという歌なのに、クルドの人々はそれに合わせて踊るのだ。そういう歌がたくさんある。 クルドの口承文化は非常に豊かだ。長く母語の使用が禁止されていたことも、大きく作用しているだろうが、山がちな地勢、寒暖差の激しい気候、それに伴う半遊牧的生活な

          「知を共有する」シンポジウム聴講@Wan

          羊とBêrîvanとŞivan@Gever-Befircan

          今日もセルダルとジヤンが作ってくれた朝ごはんをいただいたあと、セルダルとお母さんと一緒に、家から少し離れたところにある、羊の群れ(Pêz)囲っている場所(Bêrî)へ向かう。 緑をかき分け、かき分け、進んでいく。セルダルとお母さんは、「Şekir Axa」という歴史上の人物のことを描いた古い歌を歌いながら歩く。お母さんんもまた素晴らしい声をしていて、2人のデュエットは本当に最高だ。 セルダルは、数日後に控えたシンポジウムでこの人物のこと、その人物にまつわるストーリーを話す

          羊とBêrîvanとŞivan@Gever-Befircan

          クルドの休日@Gever-Befircan

          朝は太陽の光と鳥のさえずりで目が覚める。天国すぎる環境。 セルダルとジヤンが作ってきた朝ごはんをみんなでいただく。お母さんが作るチーズがめちゃくちゃ美味しくて、去年も毎日朝ごはんが楽しみだった。一年ぶり、お母さんのチーズ。 「このチーズが本当に恋しかった!」というと、お母さんがとっても嬉しそうな顔をしてくれる。 初日はこのお家で朝ごはんを食べたかったので、ベロから朝ごはんに誘われていたのを断ったのだけど、お土産を持って訪ねることにした。 ベロが「ピクニックへ行こう!」

          クルドの休日@Gever-Befircan

          天国度が半端ない村@Gever-Befircan

          「Wanの朝食」といえば多様さで有名だ。 Juju宅で豪華な朝食をお腹いっぱいいただき、ミニバスでGeverに移動。去年もお世話になった村Befircanへ向かう。セルダル・ジャーナンさんの故郷だ。 Wanから約3時間、なだらかな平地から山がちな地形へと徐々に変化していく。 隣り合わせた老人がトルコ語で話しかけてきた。簡単な言葉は理解できるので、理解し、クルド語で返す。老人はトルコ語で継ぐ。クルド語で返す。5分くらい会話していただろうか。老人、 「クルド語はわからない

          天国度が半端ない村@Gever-Befircan

          結婚式最終日、今日も歌いました@Wan

          今日は結婚式3日目、最終日。 まず会場に行ってゲストに挨拶して、新婦の家に向かう。新婦はこの日で家を出ることになるので、家族に別れを告げる儀式を行う。涙涙のセレモニー。 それから車に分乗し、新郎新婦車を先頭に会場へ向かう。 「結婚式ですよ〜!」と知らせるために、全車が絶え間なくクラクションを鳴らし、窓から布を出して風になびかせる。窓から上半身を出して盛り立てる。 ものすごい騒音、蛇行運転、それで気分を盛り上げるのだろう。暴走族的発想だ。 再び会場に戻ると、食事が提供

          結婚式最終日、今日も歌いました@Wan

          6年ぶりの再会そして結婚式@Wan

          さぁ、明日行く、明日行く、と言い続けていたWanへ今日こそ移動! 朝7:30のバスにのって、AmedからWanへ6時間半。 到着すると、正真正銘、私にとって初めてのクルド人の友人Jujuが車で迎えに来てくれていた。 Jujuは結婚してアメリカへ移り住んでいて、ジーザスたちと一緒に働いている。今回、弟の結婚式のために帰郷していた。私が初めてイスタンブールで出会って以来、丸6年ぶりの再会! 髪の毛薄くなった!それ以外は何も変わらないビッグスマイルマン! 家へ到着すると、

          6年ぶりの再会そして結婚式@Wan

          Elîhの村の祭りがとても素朴だった@Elîh(バトマン)

          昨日Gernasから、「明日バトマン行くやろ?」とメッセージがあった。 Amedに到着した初日に偶然Gernasに会い、Elîh(バトマン)の彼の村で祭りがある、と聞いていたので、うっすら予定には入れていた。 でもちょっとした「社交疲れ」が出てきていたので、スキップしようと思っていた。前にもちらっと書いたように、総じて「その場限りの提案」がとても多いというのもあった。 そしたら意外にもリマインドがきたので、これは行ってみよう、となった。 11時頃、昨年にGernasの

          Elîhの村の祭りがとても素朴だった@Elîh(バトマン)

          パーカッショニストAzadと初対面@Amed

          今日こそはWanへ移動!と思っていたのだけど、音楽家Azadと今日会えそうだということがわかり、再度予定を変更。 私は永遠にWanに行けないかも知れない。 さて、Azadはパーカッショニストであり、アレンジャーであり、多くのミュージシャンと共演している。 昨日初めてインスタでメッセージを送ると即返信があり、 「メッセージありがとう!すごく嬉しかった!今日はMehmet AtliのコンサートでÇewlîg(ビンギョル)にいるけど明日はAmedにいるから是非会いましょう」

          パーカッショニストAzadと初対面@Amed

          今日も今日とてZeyneb Yaş先生訪問@Amed

          今日はMêrdinかCizîra Botanへ移動!と思っていたのだけど、研究者Zeyneb Yaşのアーカイブの中にまだ欲しい素材があるので、今日も今日とて彼女を訪ねることに。 なんだかんだで毎日Zeyneb先生と会っている。 彼女は「歩く博物館」。 クルド音楽に関する音源、文字情報、写真、動画、レコード現物、など、あらゆる素材が彼女の元に集まる。 そして、その膨大な資料を彼女はアーカイブしている。古い音源をデジタル化し、採譜し、映像資料や楽器実物を観られるように博

          今日も今日とてZeyneb Yaş先生訪問@Amed

          Amed TVの番組出演@Amed

          3日ほど前、現在厄介になっているFerayの元にAmed TVというメディアから私への番組出演依頼がきた。 今日はその撮影日。毎日のように行っている、旧市街にあるイスケンデル・パシャの旧邸宅で行う。 全然知らなかったのだけど、そのAmed TVを立ち上げたFeratという人は、音楽家であり俳優であり、インスタは12万人もフォロワーがいる。中島歩みたいな見てくれだ。 内容はいつもと同じ。クルド語を学び始めたきっかけ、視聴者へのメッセージ。でも今回はサズも演奏することになっ

          Amed TVの番組出演@Amed