ericocco

三度のご飯より読み物が好きです。紙の本も電子もどちらも楽しみます。

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最近の記事

「幸せへのセンサー」

「幸せ」になりたいなとは思うけど、「幸せ」というのは、ある瞬間のことなのか、あるいは状態やあり方のことなのか、などと考えるときりがなくなる。 イメージとしては、お金や地位などの物質的なことではなく、気持ちや心の状態が安定していて、不安や心配なこともなく、安定していて、自分だけではなく、周りも大事にすることができることかなと浮かぶ。 自分で書いてみたけれど、最初は「幸せ」かもしれないけど、時間が経過したら、それは「幸せ」ではなくなるのかもしれない。 「幸せ」は水物なのかな。

    • 『文章は「形」から読む ことばの魔術と出会うために』

      子どもの頃、新学期に教科書が配られると、真っ先に読むのは国語の教科書だった。 新しい学年では、どんな作品に出会えるのだろうと、わくわくしながらページをめくった思い出がある。 文章を読むことが好きだったから、文学作品でも、そうでない説明文でもどちらでもよかった。 けれど、子どもながらに、文学作品のほうが説明文よりも奥が深い森のようなイメージで、どんな読み方をしてもいいような自由な感触を持っていた。 さらに、文学作品は書かれた時代の文化や背景、常識、習慣などを知らないとイ

      • 予約中『724の世界 2023』

        長野県の古本屋さん、バリューブックスさん。 本好きとして、ちょこちょこ利用させてもらってますが、近年、出版物の刊行にも力を入れているとのこと。 そんなバリューブックスさんから、吉本ばななさんの日記本が出版されるそうです。 今月は誕生日月なので、自分へのバースデープレゼントとして予約しました。 予約締切は、母の日の明日2024年5月12日(日)までになるので、吉本ばななさん大好き!な方はもちろん、日記文学、ブックデザイン、アートとしても何か刺さるものがあるかもしれません。

        • 「なんくるない」

          なんとなく疲れたなぁと感じたときに、ふと手に取る作品。  ハードカバーで購入したけど、何回も読み返してるので、なんとなくくったりしている。 書下ろしの三篇と、新潮ムックが初出の「ちんぬくじゅうしい」の計四篇の作品集だが、「ちんぬくじゅうしい」がいちばん好きで、読むたびに じわっと涙して、読み終えて心がつやっとした気分になれる。 主人公の女の子に、那覇のおばちゃんが語りかける。 作品の主人公の置かれている立場とは、自分は全然違うところにいるのに、この言葉にはとても気持ちが

        「幸せへのセンサー」

          「黒牢城」

          米澤穂信さんの第166回直木賞受賞作品。 読み終えて、歴史小説の登場人物のように渋い声色で、「お見事」と呟きたくなってしまった。 米澤さんの作品は、これまでもコツコツ読んできたが、デビュー作「氷菓」や、『わたし、気になります』の秀逸な台詞の「〈古典部〉シリーズ」(「氷菓」もシリーズの1作品)、「本と鍵の季節」といった、青春ミステリと呼ばれるジャンルから、本格ミステリにカテゴライズされる「満願」、「儚い羊たちの祝宴」、「王とサーカス」など、いずれも読みごたえのある作品ばかり

          「黒牢城」

          「たけのこなんのこ?」

          春の訪れを知らせてくれるたけのこ。 子どもの保育園で、給食のメニューにたけのこご飯が出た日に、メニューのサンプルの隣に立派なたけのこと共に、こちらの絵本が置いてあった。 写真絵本なので、子どもと一緒に 「たけのこって竹の子どもなんだね。」 「たけのこの皮たくさんあるね。」 「たけのこが、ぐんぐん伸びて竹になったね。」 などと、わかりやすい写真を見ながら、たけのこの不思議について楽しむことができた。 後日、子どもと一緒にスーパーに買い物に行ったら、売り場にたけのこが。

          「たけのこなんのこ?」

          「オッペンハイマー」

          映画館で観たことを後悔した。 家で鑑賞してたら、叫んでいたかもしれない。 戦後生まれの戦争を知らない子どもたち世代だが、日本に原子爆弾が投下されたことにより、たくさんの生命が一瞬のうちに犠牲になり、そして、被爆による病気でたくさんの人々が苦しみ、生き残っても時が経つにつれて様々な病気になり、今でも苦しんでいる方がいることを知識として知っているし、映像や本、絵画などこれまで目にしたり、読んだりしてきた。 だからなのか、映画の中で、たくさんの人間が関わって原子爆弾が着々と作ら

          「オッペンハイマー」

          「チエちゃんと私」

          家の本棚には、吉本ばななさんの本が初期の作品からエッセイも含めて、ハードカバーと文庫でたくさん揃っている。 私にとって吉本ばななさんの作品は、これまでもこれからの人生においても、読むお薬みたいな存在なので、本棚に揃っているのを眺めるだけで、落ち着いたほっとした気持ちになる。 「なんだか心が疲れたな。」 「生きてくってなんか大変だな。」 「どうしてうまくいかないんだろう。」 こんなふうに心がほんの少しへたって、かわいたスポンジになりかけている時に、本棚の吉本ばななさんの作

          「チエちゃんと私」

          「離れていても家族」

          本書は表紙だけ見ると、「家族をテーマにした短編のアンソロジーかな?」のようにライトな雰囲気を醸し出しているが、中身は世代の異なる社会学者たちの研究成果が詰まった一冊。 内容紹介の一文からは、多少お堅い印象を受けるが、文書の構成や統計データの示しかたや、日本とイギリスのリビングの写真など視覚的な情報もあり、読みやすい工夫がされていると感じた。 「亭主元気で留守がいい」ってコピーが80年代に流行語に選ばれたそうだが、この時代は日中に家に誰もいないことはさほど珍しくもない。

          「離れていても家族」

          言葉がもたらすもの

          年度末なので、異動や任期満了で退職などという話が飛び交っている。 総務事務などでお世話になりっぱなしの方が、3月末で退職されると聞いて、せめて感謝の気持ちをお伝えしたいと思ってメールでお礼の気持ちをお伝えした。 その方のお返事のメールの書き出しに、思いもよらなかった言葉があった。 「憧れでした。」 曰く、忙しそうに仕事をしていて、育児もしているのを見て、そんな風に思ってくれていたとのことだった。 普段、育児家事仕事勉強日常雑事でへろへろになっていた自分にとって、

          言葉がもたらすもの

          「かくれてしまえばいいのです」

          自殺防止の対策に取り組む東京のNPO法人「ライフリンク」さんが、今月1日に開設した生きていくのがしんどいと感じている子どもや若者向けのWeb空間。通称「かくれが」 生きていくといろいろなことがある。 それは、子供でも大人でも、誰にでもある。 「〜しなければならない。」 「〜だから、〜すべき。」 っていう考えになってくると、どんどんしんどくなってくる。 そんなときに、この「かくれが」でしばしこの世のことを忘れて、なにも考えなくてもいいし、ちょっとしたゲームで気分転換するも

          「かくれてしまえばいいのです」

          『「静かな人」の戦略書』

          本書の表紙にサブタイトルがこう明記されてます。 このサブタイトルにぐっと気持ちを惹かれて、本書を手に取りました。 そして、読み終えて思ったことは、 「小学生の頃にこの本が発売されていて、読むことができていたら、もしかしたらもう少し生きやすかったかもしれない。」ということでした。 子供の頃、外向型の人はなぜたやすく人の輪に入れて、仲良くなることができるのだろうと思っていました。 緊張しやすく、最悪のケースを頭の中で想像(妄想?)してしまい、自分のことよりも相手のことを慮る

          『「静かな人」の戦略書』

          「劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」

          去年から子供と一緒にものすごく楽しみにしていた映画、公開2日目に観に行ってきました。 コミックス全45巻、アニメ化もされているこの作品。 漫画もアニメも全部通っているからこそ、いちファンとしては待ちに待った因縁の対決、それが「ゴミ捨て場の決戦」! 映画館に入った時からワクワクが止まらず、入場者特典を手に持った人を見て、仲間が~と勝手に嬉しくなってました。 映画はまるで本物のバレーボールの試合を観戦しているかのような臨場感でした。 映画館でなければ、試合展開に興奮のあま

          「劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」

          「枯れ葉」

          フィンランドのアキ・カウリスマキ監督の新作映画。 枯れ葉はいつの間にか庭の芝生の上や、コンクリートの道路の上に落ちているものだけど、あるゆったりとした朝に「カサッ」という微かな音がしたので庭の木を見上げたら、ちょうど枯れ葉が地面に向かって落下する瞬間を目にしたことがあります。 映画「枯れ葉」はそんな一瞬を丁寧に切り取った作品だと感じました。 フィンランドの街中のだだっ広いスーパーマーケットで働く女性。 慎ましやかなアパートに帰宅後、レンジに今日の夕食であろう惣菜のトレ

          「枯れ葉」

          「有元葉子 春夏秋冬うちの味」

          昔からレシピ本が好きです。  手に入れると、なんとなく料理が少し上手になった気分になれます。 自分の家庭を持ってからは、いわゆる「家庭料理」をこつこつ作り続けてきました。 時には失敗し、時には忙しくて献立を考える余裕がなく、料理そのものが面倒くさいなぁと感じてしまうこともあったけれど、レシピ本に助けられながらなんとか日々を過ごしてきました。 レシピ本は数ありますが、自分と相性があうレシピ本=掲載しているレシピのうち、いくつかをリピートして作り続けられることを、ひとつのポイ

          「有元葉子 春夏秋冬うちの味」

          「メタ思考」

          読書は脳への栄養補給と常々感じていますが、自分の中に、ジャンルは違えど、この本を読んだことでこれまでの自分の考え方や価値観がインパクトを受け、これからの人生に良い影響をもたらすなと直感的に感じた本のリストがあり、この本は新しく自分の中でそのリストに入れたいと思った本になります。 この本の中の「メタ思考」で、現在所属している組織や会社、コミュニティのことを俯瞰して、中の視点ではなく、大空を飛ぶ鳥のような外の視点で見直すことにより、今後この組織の中でどのように貢献できるか?など

          「メタ思考」