見出し画像

【読書感想文】 運動は万能薬。運動ありきで毎日を生きるべきだと思った。『脳を鍛えるには運動しかない!』

今回紹介するのは、ジョン J. レイティ 著、エリック ヘイガーマン 著、野中香方子 訳の『脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方』です。

2009年に出版された本書は、運動が脳に与える影響を細かく記したバイブル的な1冊。私の敬愛する勝間和代さんや樺沢紫苑先生らも絶賛しており、いかに運動が人間の人生に好影響を与えるかを、脳科学的な根拠を示しながら述べています。

私もこの1冊を読み、 運動せずにはいられないという気持ちに駆られましたし、「運動を生活の中心に置かなきゃ!」と思い始めました。

●痩せるだけじゃない!運動が人間にもたらす驚くべき効果

この本によると、運動は以下のような素晴らしい効果を人体にもたらすとのこと。

・運動させた子どもは成績が上がる
・運動すると35%も脳の神経成長因子が増える
・運動することでストレスやうつを抑えられる
・運動で5歳児のIQと言語能力に大きな差が出る
・運動する人は癌にかかりにくい
・運動を週2回以上続ければ認知症になる確率が半分になる
・運動は依存症や不安障害、パニック障害、発達障害、PMSなどの予防・改善に役立つ

『脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方』から抜粋・編集

本当かよ!って思いますよね?(笑)効果だけを見ると疑ってしまうかもしれませんが、この本には実際に運動によって能力が向上したり、成績が上がったりした例が何個も出てきます。たとえば体育の時間を増やしたことで劇的に生徒の成績が良くなった学校や、ワイン依存症をなわとびで克服した人、ジムに通うことで薬物中毒から抜け出した人などなど。運動習慣を身につけることによって人生が好転した人たちが、次々に出てくるんです。

また、どうして運動によってそういう効果がもたらされるのかも、脳科学の専門用語を使いながら理論的に述べてくれています。専門用語も親しみやすい言葉で解説してくれるのでわかりやすく、知識がなくてもスラスラ読めちゃう。運動によって人生が変わった人たちのストーリーも追えるので、難しさよりもおもしろさが勝り、私はのめり込むように読んでしまいました。

この本の概要を簡単に言うと、「体を動かすことで脳が動き、様々な脳内物質が放出されることによって気分や身体に好影響をもたらす」というもの。「運動は痩せたい人だけがやるもの」と思っている人もいるかもしれませんが、この本を読めばそんなことはないとわかるはずです。最近気分が上がらない方、PMSに悩んでいる方、何かの依存を断ち切りたい方、認知症を予防しいつまでも若々しい脳を保ちたい方、今のいい状態をキープしたい方はぜひ読んでみてください。


●実際、どんな運動がいいのか?

「じゃあ、どんな運動をすればいいの?」と思った方もいるかもしれません。詳しくは本を読んでもらいたいですし、その人の症状や悩みによっておすすめの運動は異なるのですが、著者が提唱している運動の1つは以下のようなものです。

★週に6日、何らかの有酸素運動を45分〜1時間するというのが理想
・そのうち4日は中強度で長めにやり、後の2日は高強度で短めにする。
・短時間で高強度の運動をするときは、筋力トレーニングを含んだ方が良い。
・高強度の運動は2日続けてやってはいけない(体と脳が成長するには回復のための時間が必要となるから)

※強度の定義については長くなるので割愛しますが、中強度はジョギング、高強度はランニングというようなイメージです。詳細は本書にて。

『脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方』から抜粋・編集

この本で著者は筋トレにはあまり触れず、有酸素運動を強調しているのですが、その理由は単純で「筋トレやヨガといった複雑なトレーニングは動物実験による実施が難しく、研究があまりされておらずはっきりとした効果が言えないから(有酸素運動は走らせるだけなので動物でも実現可能)」だそう。なので筋トレが悪いと言っているわけではありません。最近の研究だと、筋トレでも有酸素運動と同じような効果が得られると言われているみたいなので、なんにせよ運動することが大事ですね。


●私自身も体感した、運動のすごさ

ここまで本の紹介をしてきましたが、最後に私自身の経験も書きたいと思います。

私は2020年の春から2022年の秋ぐらいまで、ほぼ毎日筋トレをしていました(もちろんさぼることもありましたが)。その間はコロナ禍にもかかわらず、メンタルをあまり崩すことなく過ごせたような気がします。

しかし2022年の11月ごろから、寒くなったせいか筋トレをサボるようになり、そこからどんどん鬱っぽくなっていきました。日曜日の夜に「明日から仕事だ」と考えて涙が止まらなくなったり、3日間くらい胃痛に襲われてろくに食べれなかったりしたのです。

そんな時に図書館で予約していたこの本が借りられることになり(常に100件以上の予約が入っているくらい人気の本なんです)、読んでいくうちに「やはりもう一度運動を再開すべきだ」と思うように。そこで仕事終わりに筋トレや有酸素運動(私の場合はYouTubeにあがっているエアロビクスダンス)をやるようにしたところ、鬱っぽさがだんだん減り、徐々に気分が明るくなりました。これは紛れもなく運動の影響だと思っています。

この本を読むまでは「運動をするための時間がない」とか「気力がない」とか言い訳をしていましたが、無理に時間を作ってでも運動すべきだし、嫌でも体を動かすべきなんだなと悟りました。著者もうつと運動の関係を述べる章で「自分の人生がかかっていると思って、うつに背を向けて走るのだ」的なことを言っています。最初は正直「大げさな表現だな〜」と感じましたが(笑)、実際自分自身が運動することでだんだん気分が明るくなっていくのを感じ、確かに運動するかしないかで自分の生活が向上するかどうかが決まるのかもしれないと思いました。このタイミングでこの本を読めたことは本当にラッキーでした。

運動をして脳を整えることで、人生が変わっていく。オーバーな表現かもしれませんが、この本を読むと本当にそういう気持ちにさせられるので、まぁとりあえず読んでみてください!笑

***
そのほかの読書感想文はこちら。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?