見出し画像

芋づる式読書のすすめ

今日の電車は、本を広げている人が多くてうれしい。同志ですね、何を読んでいるかは存じませんけれど。

暇つぶしのために読んでるのかな。
それともなにか目的があって? 気になる。

わたしは暇つぶしのために本を読むことはあまりしない。一冊読むと、関連する本(次読みたい本)が何冊も浮かんできてしまうから常にいそがしい。

年末年始にかけて、執行草舟「現代の考察」を読んだ。PHP研究所にて全6回におよぶ講演があり、それを一冊にまとめたもので、辞書並みの分厚さと紙の薄さが特徴。巻末には、索引がついている。




こんな索引見たことがなくて、思わず写真を撮ってしまった。
この本では、いろいろな文学や哲学、思想が紹介される。あれもこれも読みたくなるなか、わたしは寝室の本棚にダンテの「神曲」が収まっていることを思い出す。
地獄篇だけ読んで、煉獄、天国は手つかずだった。いい機会だから読んでみようか、ちょうどコテンラジオでキリスト教や宗教改革などなどのエピソードを聞いたばかりだし。キリスト教は西欧の歴史そのものなわけだし。

そうして読み始めてみると、ウィリアム・ ブレイクの挿絵が美しくて釘付けになる。ブレイクは大学に入りたてのときに「無垢と経験の歌」を読んだけど、キリスト教世界への知識がなさすぎてろくなレポートが書けなかった記憶しかない。
今ならもっとしっかり読めるかも。

そんなことをフェイスブックに書いてみる。フェイスブックはもっぱら師との交流のために使っている。わたしはいつも、先生からの何らかの反応を期待してフェイスブックに投稿をする。

「わたしの学生だった女性の話をしましょう」という長めのコメントがついて、わたし歓喜。
なんと、同じ先生に師事していた人が、アメリカで歌手としてデビューしたばかりという。彼女は先生の講義を聞いてブレイクのことが大好きになり、イギリスの美術館まで足を運ぶほどになった。卒論もブレイクだったという。
ブレイクの詩に曲をつけて歌うというライフワークもある。



一冊の本を読んだことをきっかけに、芋づる式にのびた興味関心は、その記憶とともに自分の糧になりうる。
なのでわたしはいつも芋づる式。



スキやシェア、フォローが何よりうれしいです