エタリタ歴史学:クレジット運用の変化について

気が乗ったので今回は正式サービス開始からのクレジットに関係するメタや戦術の変化について書き残しておこうと思います。
記憶が正確なうちにやるべきだったかなと後悔してる。
若干時系列があやしい。


1.正式サービス開始、シーズン1

1-1.アーリーアクセス時のクレジット

正式サービス開始前はクレジットという存在は本当に微々たる影響力しか持っていませんでした。

というのも実装当時は実験体や変異野生動物を討伐した時のみ獲得することのできるもので、自然獲得も無かったため、入手量はごく僅かでした。
また、今で言うKioskもレア素材を購入した後、箱が出現するまでに20秒程度はかかる(しかもミニマップに呼び出し状態アイコンが常時表示される)という鬼畜仕様だったので島の弱者がアイテムを呼び出し、強者にパクられるという展開は日常でした。

最終的にはすべての野生動物からクレジットが獲得できるようになったり、敵から奪ったレア装備を分解することによって、
現在に近い運用方法である『好きな素材を買って好きな装備を1、2つは揃えられる』という形にはなりましたが、これは自然とクレジットが溜まって流れで行う行為であり、何か戦略に組み込める要素はほとんどありませんでした。
強いて言うならば自分で強い時間を作ることができる、くらいでした。


1-2.正式サービス時の仕様変更

では正式サービス時にどんな変更があったのか。
ざっくりまとめると

  • クレジットが時間経過で自動獲得できるように

  • 野生動物や実験体を倒した時より多くのクレジットが貰えるように

  • クレジットを使ったアイテム呼び出しが一律15クレジットに

  • 敵のレア装備は懸賞金として自動でクレジットに変換されるように

  • Kioskでのアイテム呼び出しの待ち時間がほぼ無くなった

  • レア素材の値段が高額化

  • 戦術スキルというクレジットを使って強化できるスキルが増えた

  • 『装具』という枠の装備欄が消えた

  • もっとたくさんあるけど割愛

みたいなところです。
それまでのクレジットは入手量が限られていた上、素材アイテム呼び出しが徐々に高額化していく都合上、基本的には大事に貯めてレア素材にぶっぱするのが基本でした。

それがどんな時でも一律30クレジットで済むようになった上、とにかく敵実験体や野生動物を倒せばどんどんクレジットが入ってくるため、クレジットを初期装備に回す戦術が生まれました。


1-3.素材アイテム呼び出しルートの活躍

当時は初期装備製作では5エリアほど回る事は当たり前だったものが、その他の調整含めて3エリアでも完成が可能という大きな時短が可能になったのが衝撃でした。

この単純な時短は装備ができていない他プレイヤーへの戦闘行為や野生動物の管理に拍車をかけます。
装備の完成が遅いだけでエリアを追われ、襲われ、狩れる野生動物も見当たらなくなるのです。
そのため通常の素材を呼ばないルートを使っていた場合、最悪素材が拾えず4エリアも歩いた上素材アイテムを複数個呼び出さざるを得ない敗北者になる可能性がありました。
なので3エリア1アイテム呼び出しのルートの使用を強要させました。

そしてそこから派生し、生まれたというか、帰ってきた戦略が『分散ファーム』です。


1-4.分散ファーム

3エリア周りのルートを使っていたプレイヤー達は基本的にすぐ野生動物を倒しに向かうのですが、ここであることに気づきました。
「野生動物弱いのにクレジットめっちゃ貰える…」と。
まだバランス調整不足だったため、敵実験体を倒すより野生動物を倒した方が結果的にクレジットが多く回収できて、レア素材回収場所へ向かわなくても安全に装備更新が可能だったのです。
しかもそれぞれの野生動物の体力は低く、クマであろうとほとんどの実験体は1人で狩りをして歩き回る事が可能だったのです。

結果自動復活が可能な2日目夜までは各自それぞれ野生動物を狩り、チームの総合獲得クレジットをとにかく増やして安全に装備を更新し、後は装備パワーでゴリ押ししてしまうという戦略が発生しました。
この動き自体はアーリーアクセス時にもあったのですが、あまりにも安定的で虚無だっため、色々対処され制限されるようになったのですが、正式サービス時の大規模変更により蘇ってきました。

さらに追い風だったのが、野生動物からのレア素材ドロップ率です。
この時のオオカミやクマからのレア素材ドロップ率は中々高く、生命の木や隕石程度の装備であれば簡単に作れました。
なのでクレジットはフォースコアや血液へ温存し、まさに理想的とも言える装備を簡単に用意することができたのです。

正式サービス開始による人口の増加でまだまだエタリタというゲームに不慣れなプレイヤーも多かった時期だったため、長引いた戦闘やオブジェクト前でのにらみ合いをするチームも多く、また野生動物の位置を覚えていないプレイヤーも多かったため、
その裏でサクサク野生動物を狩って回るチームはすくすくと育ち最強となり、高い勝率を叩き出しました。


1-5.野生動物調整による制限

ただ運営もすぐにこの戦略に対する調整を行います。
野生動物の強さを上げつつ、野生動物からの獲得クレジットを減らします。
さらに味方チーム員が野生動物を倒した際に周囲の他チームメンバーへ分配される熟練度も多くなり、どうにか集団行動して欲しいという隠されたメッセージも届きました。

この結果分散ファームは効率が悪くなり、また野生動物の位置を覚えてまとまって動くチームも多くなり、自然とこの動きをするチームは減っていきました。

ただ一度安全に強い装備を更新する動きを覚えてしまったプレイヤー達はフォースコアや血液への欲求を抑えられませんでした。
その時天啓、気付きを得てしまったプレイヤーが現れたのです。

クレジットの無駄遣いを省けと。


1-6.戦術スキル1止め戦略

戦術スキルは最初は10クレジット、その後は100クレジットを支払ってレベル2に強化できるアクティブスキルです。

当時も流石にレベル1は弱いからレベル2にしなきゃ、という風潮が最初はあったのですが、ゲームの理解度を深めていった結果、思いの外レベル1の戦術スキルでも強いことが発覚してしまったのです。

それもそのはず、定番だった戦術スキル『ブリンク』のレベル1のクールダウンは120秒。
長いと言えば長いですが、耐えようと思えば耐えれる時間でした。
「だったら、レベル2に上げずに100クレジット貯めても良くね?」
新戦略の誕生です。

やり方はシンプル。戦術スキルを1レベルで止めるだけ。
リターンとしては100クレジット浮くので簡単にフォースコアや血液にたどり着けるのです。
何よりアレだったのが、この当時は血液はいつでも呼び出し可能だったので、うまくやれば2日目には血液を買って装備にすることが可能だったのです。

ただこの時はまだすべての実験体が血液武器を所持していなかったので、この戦略で特に強かったのは選ばれた血液武器持ちの実験体達だけでした。
主にラウラが当時のキャラパワーも相まって、大会などではとにかく暴れました。

また、このクレジットの無駄を徹底的に省く、という都合上、初期装備にクレジットを消費しない4エリアルートもまた増えました。
プレイヤーの方も慣れてきて、どれくらいの装備が整えば野生動物を狩りながら残りの素材アイテムの回収に向かえるか、みたいな塩梅が取れるようになってきたのも影響しました。


1-7.貢ぎ戦略

ただどんなにクレジットを節約しても、1人から得られるクレジットには限りがありました。

そこで環境に現れ始めたのが低コスタンク達です。

それまでのタンク達は赤エキオンやレノックスといった、自分でダメージが出せるタンクが主流でした。
タンクもしっかり装備を入れ込んで、パワーで押し切ろうという形が大正義でした。
ただそんなタンク達もナーフされ、どんなに装備を更新してもタンクはタンクなので、ダメージとしてみると消費したクレジットと見合っているとは言えませんでした。

そんな事情の裏ではスクスクと環境に出させようとバフをもらい続けていた実験体達がいました。
それがマイやエステル、Elevenやシウカイ、アロンソといったレア素材がいらないタンク達です。

これらの実験体達はバフやスキル設計上、レア装備ほどのステータスがなくても最低限の活躍が可能で、クレジットを自分自身の装備に使う必要性が薄かったのです。

結果そんな低コスタンク達からクレジットを自分のために消費させ、強くなろうというキャリー勢の動きが活発化しました。

そうして2日目のタイミングで完成したキャリーを作って勝利しようというムーブが生まれました。

戦術スキル1止めと合わせて600近いクレジットと装備に変換できるこの動きはあっという間に大会で暴れ、結果を残しました。


1-8.レベル1戦術スキルのナーフ

あまりに一強過ぎたムーブであったため、これらが行えた戦術スキルは大きくクールダウンを伸ばされました。

結果今と同じ180秒という長いクールダウンになってしまったため、安定感が大きく削がれ、戦術スキルを1レベルで止めようとするプレイヤーは一気に数を減らしました。

ここまでがだいたいシーズン1までのメタの動きでした。
若干シーズン2まで入っていたかもしれません。


2.変化が薄いようで動きはあったシーズン2

2-1.シーズン2の変更点

思い出そうとしても思い出せないくらい変化の少ないシーズンでした。
どちらかというとユーザビリティの強化といいますか、野生動物の中身が漁りやすくなったり、治癒減少効果などがわかりやすくなったり。

遊びやすいエタリタにシフトしていこうとしていた時期です。


2-2.環境の動き

分散ファームも咎められ、クレジットの節約も怒られ、プレイヤーは悩みました。
じゃあ普通にプレイすればいいのかと。

唯一貢ぎ戦略だけはまだまだ存在はしていましたが、以前ほど圧倒的な装備になることは無くなったので、行う回数はかなり減っていました。

そんな中、新しい装備が追加されました。


2-3.低コスレア装備時代

腐食という新効果を携えた、血色のマフラーと宇宙飛行士のヘルメットが追加されました。
効果としてはスキルダメージを与えると、相手の体力に応じた持続ダメージデバフを追加するというもの。
効果自体が強すぎるのでダメージは抑えられて入るものの、生命の木や隕石と言った一番安いレア装備という枠組みの中では強すぎました。

この装備の追加あたりからプレイヤーも気づきを得始めました。
「安くて強い装備でゴリ押せばいいんだ」と。

腐食系装備を皮切りに、発火効果持ちの武器勢や致命打系の実験体たちが島を荒らし始めました。
それまでは装備は最終的なパワーこそ正義と言わんばかりに、フォースコア2つに血液1つ、みたいな高コスト装備が主流でした。
が、ある程度プレイヤーが試合に慣れていくと同時にそんな装備揃えられる状況じゃないという悩みも生まれていました。

そこで2日目昼から低コストでそれなり強い装備を用意し、その後のオブジェクトを装備の強さを持って制圧し、連鎖的に勝利を収めていこうという動きが活発化したのです。

この動きを後押ししたのがランクのシステムで、キルを取らなければRPが中々貰えないシステムになっていったため、どこでキルを稼ぐかというのが重要だったのです。
そこで倒されても自動復活できる2日目夜までに戦闘をとにかく行い、キルポイントを稼ごうという考えとこの低コスレア装備思考は見事に合致したのです。

2-4.序盤、スゴク、大事

と色々な考えが現れた結果、序盤強い実験体が序盤強い装備を持って駆け回るという流れができました。

ある意味感動したのが、本来であればこういった序盤の動きに対するカウンターとして、中・終盤強い実験体や装備があったりするのですが、
当時のエタリタではそういった最終的に逆転できる存在がキレイに弱体化されていたんですよね。

なぜか。
戦術スキル1止め時代に、みんながフォースコア装備で暴れたからです。
そのため頑張ってクレジットを貯めてフォースコア装備や血液装備を手に入れても、コスパの良い生命・隕石装備持ちに勝てること無く、
仕方なく次の試合では自分たちも生命・隕石装備に身を委ねていくのでした。

ちなみにシーズン2はこの考えで貫かれました。
それくらい変化がなかったのです。


2-5.クエイク勢

そんな中少しがあったとすれば、戦術スキルの値下げです。
シーズン1から2の途中までは戦術モジュールが250クレジットと高く、なのに今と効果は対して変わらずという見合ってない価格をしていました。

そこから現在と同じ200クレジットに値下げされ、それならば…と初手に戦術モジュールを持つ実験体たちが現れます。

そうして登場したのがクエイク勢です。

当時のクエイクはヴャーニャが自身のRを自分自身の力で当てるためだけに持つ専用スキルでした。
そのため誰かがいつか持ってくれるようにとひたすらバフをされ、今と同じ周囲への持続ダメージも出せるようになっていました。
(初期は戦闘中一定距離歩くと周囲へダメージ)

そんなクエイクを2日目昼タイミングで強化してみるとあら不思議。
レンジが死にました。
これにはタンクの方々口角が天井に突き刺さります。

Elevenやアロンソ、エレナを筆頭に敵に突っ込んでいくタンクがレンジ目掛けて突っ込んでいき、お互いのレンジが倒されてから戦闘開始という時代が開幕しました。

クエイクの調整はされたものの、しばらくはレンジはまともに歩くこともできない時代が続きました。


3.歴史は繰り返すシーズン3

3-1.反省からはっちゃけた変更点

シーズン2はあまりに変更点が少なく、プレイヤーも飽きて人口がびっくりするくらい減りました。

焦った運営はゲームバランスに大きなテコ入れを行いました。

それがレシピの簡素化と勝報効果、野生動物追加に血液武器全種追加でした。

まずレシピの簡素化。
無駄に長かった初期装備の素材がいくつか消えました。
結果ルートは3エリアで収めるのが当たり前。2エリアも可能という時代に突入しました。

次に勝報効果。
敵実験体に確殺を入れるとすべてのスキルのクールダウンがある程度返ってくるというシステムです。
これによって漁夫の利チームが現れてもある程度連戦できるようになりました。

そして野生動物の追加。
1日目夜に野生の群れが追加され、クレジット獲得場所が増えました。

最後に血液武器全種追加。
ある意味差別とも言えた武器による圧倒的装備差がかなり埋まりました。

それ以外にもフォースコア系装備の追加や強化がありました。


ただこれがまさかこんな流れを生むとは、この時は誰も考えもしませんでした。


3-2.一番健全?なエターナルリターン

シーズン2の頃にあった低コスレア装備メタにも調整が入り、ほとんどのレア装備はコストに見合った強さになりつつありました。

また、この間ずっと行われていた、『使われていない実験体にバフを入れ、色々な実験体が使えるようにしよう』という調整もあり、
しっかり装備を組み込めばどんな実験体でも活躍できるゲームへと生まれ変わっていきました。

細かい差による強弱はあれど、圧倒的に弱い実験体や最高にぶっ壊れた実験体などはかなり減り、エタリタ歴史上でもかなりバランスの良い時期に入りました。


3-3.復活の戦術スキル1止め戦略

ただそんな中、また奴が帰ってきました。

理由は何故か。
勝報効果くんのせいです。

以前戦術スキルのレベル1止め戦略は、レベル1時点での戦術スキルのクールダウンを大幅に伸ばすことで対応しました。
その点に関しては今も変化ありません。

ただ勝報効果によって、敵を倒してさえしまえばクールダウンをある程度短くできるという体験ができてしまいました。
そう戦術スキルも対象です。

そうしてまた戦術スキルをレベルアップせず、強力な装備にラッシュするチームが現れたとさ。


3-4.ただ暴れきれない

戦術スキル1止め戦略は帰ってきたものの、大会で暴れきる事はできませんでした。

以前と違って血液装備は3日目夜まで作れなくなっていましたし、装備を貢げる実験体も少なく、コストが軽いで有名だった致命打系ビルドもレーダーというコア装備がフォースコア素材になりました。

動き自体は強力で、実際に大会予選などでは圧倒的な強さを見せつけましたが、戦うタイミングや構成の難しさから勝利を収める事はありませんでした。

野良ランクでもこの動きを行うプレイヤーは増えましたが、その動き前提の調整をされているので環境を破壊することはありませんでした。


4.感想

このような感じでクレジットをどうするかという事だけで結構ゲームは変わっていました。

シーズン4になったらまた大きな変更が入ってどうなるのかわかりませんが、ここまで見てきてしまったのでニッキーでも愛でながら眺めていようと思います。

そしてまた気が乗ったら書きます。


5.情報共有

色々作ってるから使ってください。


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