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神戸市灘区でパフュームの衣装と震災の爪痕を見る

神戸市灘区に行ってきた。パフュームの衣装展示、「パフュームコスチュームミュージアム」を見るためである。
パフュームに関してはファンというわけではないのだが、彼女たちの衣装は美しいと思っていた。
ついでに行ける場所を探したら、「人と防災未来センター」という阪神淡路大震災の博物館があったので寄ることにした。
神戸市灘区は神戸の海側の地区で、関西で最も難関と言われる灘高校がある。

まず地元から大阪駅に出て神戸線に乗る。
阪神電車経由でも行けるようだが、乗り換えがひとつ多いのでやめた。私は、乗り換えをよく間違えるのだ。
神戸線も芦屋まで行って各駅停車に乗り換える方がいいようだ。
といいつつJR神戸線とJR宝塚線を乗り換えを間違えて1時間くらい無駄にした。とりあえず来てた電車に乗るのがよくないんだろうな。もう高速バスで行けるところはバスで行かないと……。


兵庫県立美術館は一度行ったことがあるのだが、巨大な建物で見て回るのに三時間くらいかかった記憶がある。今回は目当ての展覧会を見て次の場所に行きたい。

何だかんだで神戸線灘駅に降り立ち、Google Mapで目的地に案内してもらおうとすると、

駅出てすぐに目的地が見えていた。カエルのオブジェ、でけー。これは迷わないな。
このかえるは美かえるという名前らしい。見た目のかっこよさのわりに、名前がダジャレ。作ったのはフロレンティン・ホフマンという人で、大阪の川に浮いていたあひるちゃんと同じ作者だそうだ。
目的地までの道がわかりやすいと近く感じる。到着したのは11時半くらいだった。
お腹がすいたのでミュージアムレストラン、フォルテシモでご飯を食べる。

社員食堂みたいな武骨なレストランでオシャレ食べ物が出てきた。神戸の観光地ってちゃんと手がかかったものが出てくるからすごいと思う。ボッタクリではない。これはチキンソテーのセットで1600円。普段のご飯よりは大分高いが、たまの贅沢だからね。
鶏肉は脂身が少なくてあっさりしていた。ソースも具だくさんで、入っている野菜の種類が多い。
ご飯は雑穀米。雑穀の食感が楽しい。
早く目的地を回った方がいいのだが、ドリンクバーがついているとダラダラしてしまう。よくない。爽健美茶とコーヒーを一杯ずつ飲んだ。
展示室前にむかうと展示のメインビジュアルが貼ってあった。絵になる。

安藤忠雄の建築物はあまりにも関西に多くて食傷気味だったけれど、パフュームみたいな幾何学的なデザインのグループには似合うなあ。
中は最後の部屋だけ撮影可だった。最後以外は生身の目で見る。
パフュームは生身の人間が精緻なダンスをするのを売りにしているグループだ。衣装にも、ダンスをして映えることと激しいダンスに耐えられるデザインであることが求められる。
凝ったデザインであっても関節の動きを邪魔しないように考えられている。
特にそではしっかり胴体にくっつけてしまうと腕を動かしにくいので、被せるように上の部分だけ止めたり、ゆとりを多めにしたり、フレンチスリーブにしたりしている。


衣装担当の涙ぐましい努力が見える。
また、活動初期は既製品の服をカスタマイズして衣装にしており、ファンが同じ服を探し出して着ていたというのも面白い話だった。
パフュームの名前がついている展覧会なだけあって、展示室にはパフュームのキーホルダーをつけた人が複数人いた。かわいい。
最後の撮影OKの展示室は、思ったよりも服が多く、壮観だった。これらはライブ用衣装なのだそうだ。

「ライブで踊れる服」と「見た目が美しく装飾的な服」のぎりぎりのところを攻めるデザインが面白い。

見終わって外に出ようとしたら、こんな表示が。海のすぐそばに山がある神戸ならではの案内である。
とてもわかりやすいのだが、こんなオシャレ建築で堂々と日本語でこの表示をするのが面白い。大阪だったら却下されそう。
海側に出ると神戸港が目の前に広がっている。海風と穏やかな貿易港の景色が美しい。気候のいい時期なら持ち帰りのコーヒーでも買って海辺でぼんやりしたい光景だ。しかし今は日帰り旅行なので、先を急ごう。

次に隣の「人と防災未来センター」を見た。名前からはどんな博物館かわからないが、要するに阪神淡路大震災とその教訓を展示する場所である。


東館と西館に分かれており、西館には恐ろしい展示が多いので東館だけ見ることもできる。
最初に短い映画を見るのだが、序盤で「これ怖いやつだな」と思って途中退出してきた。シアターから出るとベッドが置いてあり、気持ち悪くなる人がいるのだな……と思った。
最初に案内の方が途中退出OKって言ってくれないと危ないところだった。

2階では阪神・淡路大震災における被害を、災害発生直後から復興期に至るまで、解説している。
中には災害発生時の人々の日記、ボランティアに携わった人たちの活動記録、外部の親戚から被災者に宛てた手紙など、当事者でなければ提供できない資料もある。
これらの紙資料はひとつひとつは重い価値がないかもしれないが、並べて整理することによって重要な資料となっている。博物館の面目躍如だ。
個人的には「ライフラインの止まった町で自転車で移動する神戸市民」の姿が印象的だった。
被災者やその周囲の人々の手書きの記録はどれも心に染みる。特に当時流行っていた漫画のびんせんに描かれていた手紙は、時代らしさと子どもが大人を案じる文面とで、胸が苦しくなった。

西館は体験型の施設になっていた。面白そうだと思いつつ、時間が足りなかったので飛ばし見になってしまった。ボランティアスタッフが異様に博識で、展示に関することだけ覚えているにしてもすごかった。お金を払いたい。
お互い関西のおっちゃんおばちゃんの立場だからか、スタッフとコミュニケーションを取ろうとする人がとても多い。フレンドリーな光景である。

素晴らしいミュージアムなので何か買おうと思った。防災てぬぐいにした。通りすがりのベンチの上で写真を撮る。
地震編と豪雨編を買ってみた。



2枚買っても1100円なのは安いなあ。

15時ごろ、大阪に帰る前に喫茶店リコーに寄った。いかにもレトロで老舗っぽい雰囲気だ。

カフェインを取りすぎると体調不良になるタイプのため、チョコレートのフローズンドリンクを頼んでみた。これで800円。派手さはないが、かわいらしい外見だ。喫茶店で今日見たものをメモしたり、整理したりする。
そして16時くらいに大阪への電車に乗る。お疲れ様でした。また来るぞ神戸。

関連リンク

行った場所

兵庫県立美術館
https://www.artm.pref.hyogo.jp/

カフェ フォルテシモ
https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280103/28018419/

人と防災未来センター
https://www.dri.ne.jp/

リコー
https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280103/28020660/

買ったもの

防災拭い

紹介した作品の作家

Perfume
https://www.perfume-web.jp/

フロレンティン・ホフマン
https://florentijnhofman.com/

安藤忠雄
http://www.tadao-ando.com/

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完成した同人誌はこちら。



作者の活動↓





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