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GKを組み込んで上回る【清水エスパルス vs 横浜FM】マッチレビュー J1 第23節 9.August.21

こんにちは、Gran El Equipoです。

熱いオリンピックが終わり、Jリーグが戻ってきました。
今回は、第23節横浜FM戦を振り返ります。

勢いをもって入った序盤に幸先よく得点し、ボールを保持される苦しい展開ながら、堅い守備を見せたエスパルス。
しかし、攻撃のクオリティはすさまじい横浜FMもそのまま引き下がる相手ではなく、前半間際と後半開始早々で得点を奪い返します。

ただ、ここで引かなかったエスパルス。交代で流れを変えると、中断期間のアップデートの一つとロティーナさんも言っていたビルドアップから素晴らしい攻撃で同点に追いつき、上位相手に貴重な勝ち点をもぎ取りました。

1.スタメン

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前回対戦で採用した、3-5-2ではなく4-4-2を採用したエスパルス。
ロティーナさんは柔軟にシステムを変えながらリーグを進めてきましたが、頭の中では4-4-2を高めていきたいと考えているような、そんな気もします(4-3-3のうわさもあるみたいですが?)。
そして、注目されたのはなんと言っても新加入の松岡君。さっそく攻守に渡り期待通りの働きを見せてくれました。

2.プレスから構える守備へ

試合開始早々は、積極的にプレスをかけたエスパルス。リーグ再開のエネルギーをぶつけていきました。
しかし、横浜FMは目まぐるしくポジションを入れ替えながら、ボールを保持し、エスパルスのプレスを剥がし、ぐいぐいと前進してきました。

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序盤のエスパルスは、いつものようにチアゴと唯人で相手ボランチを背中で隠しながら、CBへと規制をかけて行く狙いを持っていたと思います。

しかし、横浜FMはそれぞれの選手が所定の位置に囚われない柔軟なポジション取り、ボールを保持します。
両WGは幅と高さを取り、エスパルスの最終ラインを下げさせると、小池は例の如く、偽サイドバックと呼ばれるような、中間のレーンに頻繁に入るため、サイドハーフの滝も押し込まれる形になります。
そして、中盤と最終ラインの間ではセアラとマルコスが下がってボールを受ける位置を取ったり、扇原がボランチとサイドハーフの脇に入ってきたりと、中盤で数的優位を作ってきました。

前から規制をかけようとしても、中盤で相手を潰せなかったため、エスパルスは徐々に構える守備へと移行していきました。

ゴール前までボールを運ばれることは多かったですが、中央をきちんと締め、クロスの対応もペナルティエリアの中にきちんと人を立てることで堅い守備を見せてくれました(この試合でも権田に何度も助けられました)。

3.追い込まれるのを下から外す

ボール保持では、中断期間でのアップデートとも思えるほど、後方から丁寧に繋いでいく意識を高く持ち、相手のプレスを外す試みが見られました。

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横浜FMは、ボールを失うと即座にプレスをかけ、相手をボールサイドに押し込み、奪い取る狙いを持っていました(攻撃の勢いそのままに守備に移行する感じです)。

エスパルスからすれば、相手が作る密集をかいくぐり、反対のサイドへボールを運ぶことが出来れば、プレスを空転させ、相手を一旦帰陣させることが出来ます。

ここでエスパルスはGKをビルドアップに組み込みました。以前であれば、GKに戻すとボールを蹴り出すことも多かったのですが、この試合では、GKがボールを受け、時間を作り、次の場所へ繋ぐ意識が高かったです。

GKを使ってボールを繋ぐことが出来れば、当たり前ですが、それだけで11対10の数的優位を作ることが出来ます。
原へのロングボールが短くなってしまった場面もありましたが、権田は積極的のボールを受け、この役割をこなせるよう取り組んでくれており、今後もっと良くなれば大きな武器になりそうです。

エスパルスの反対サイドのサイドバックへGKを経由しながら、ボールを逃がしていく試みと、横浜FMの積極的なプレスの争いは見ごたえがありました。

 4.3枚替えの効果とすばらしかった同点弾

横浜FMの攻撃に耐えつつ、ボールを奪えば何とかボールを保持していくという試合展開となりましたが、前半は中々有効なチャンスを作り出すまでには至りませんでした。
しかし、後半早々の3枚替えで、エスパルスは流れを引き寄せることに成功します。

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サイドハーフに入った後藤と西澤は内側のレーンに入り、相手ボランチの脇に位置取り、唯人と合わせて3対2の数的優位の状況を作ります。

サイドハーフが内側に入り空けた大外のレーンでは、片山と原の両サイドバックが高い位置を取ることが出来ました。

両サイドバックが高い位置を取り、CBとの距離が空いてしまうところには、竹内が中継点を作り、ビルドアップをサポート。

横浜FMもWGを一枚押し出してプレスをかけようとするのですが、エスパルスは上手く中盤にパスを入れながら、ボールを保持することが出来ました。

上図のボールの保持から、1分以上ボールを持ち続け、エスパルスの同点弾が生まれます(この得点には声が出た…!)。

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ここでも立田が権田を上手くビルドアップに関与させ、権田をひきつけながら松岡にボールを付けます。
ここでは、アンカーの場所に入った松岡を頂点に竹内と唯人で逆三角形を作り、相手ボランチに対して数的優位を作りました。
扇原が慌ててプレスに出てきますが、松岡は扇原が来る反対側へ身体を反転させ、片山へ展開することで相手のプレスラインを攻略しました。

少しパスがずれてしまったのですが、片山がボールを収めると数的同数になっている前線へボールを送りました。
その後のごっちゃんの反応、クロス、そして西澤の気持ちで押し込んだヘッドも素晴らしかったのですが、GKから相手を剥がし、相手ゴールを陥れたチームのアップデートを象徴するような得点でした。

5.新加入選手を生かしながらアップデートする

苦しみながらも、ボール保持にトライし、リーグ2位の相手と引き分けることが出来たのは、良い結果だったと思います。

前節の井林、そして今節は松岡と新加入の選手がチームに新たなクオリティを加えてくれ、既存選手と共にエスパルスの成長を加速させてくれていると感じる試合でした。

松岡は相手のプレッシャーがかかりやすい、ピッチの中央でボールを受け、前を向き、展開することが出来る素晴らしい能力を持った選手だと改めて感じました。

以前つぶやいたような、唯人が下りてきたところを使って、松岡が前向きにボールを受けて展開する形も早速見えており、チームとしても着々とボール保持に磨きがかかっていくのではないかと期待してしまいます。

「勝ちたいと思います」ではなく、「勝ちます」とコメントするメンタルには、年齢関係なくハッとされるところもあり、いきなり心を奪われました笑

これからコロリ、ホナウド、そして藤本と新加入選手が続々と試合に関わってくる中で、良い流れを作るためにも、順位の近いガンバはきっちり叩いてほしいです!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。


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