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「質の高い教育をみんなに」アフリカでの取り組みから

「社会課題の解決」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
環境問題への取り組み、人権への配慮、貧困の解消など、さまざまな取り組みが多くの企業・団体などによって行われています。
エプソンも、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」、そしてパーパスの実現に向け、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組む企業の一つです。

2022年11月、COP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)がエジプトで開催されました。
気候変動を中心とした社会課題に世間の関心が高まるタイミングに合わせ、開催国と同じアフリカでの取り組み事例を、世界各地の販売会社からLinkedInやFacebookなどを通じて発信しました。

世界各地の販売会社のSNSを通じて発信されたニュースレター

今回ご紹介するのは、東アフリカに位置するタンザニア連合共和国(タンザニア)での事例です。インド洋に面するタンザニアは、ザンジバル諸島と呼ばれる島々を抱えています。Epson Europe B.V. (EEB)は、2021年から英国のネットワークプロバイダーである World Mobile Group(WM社)と共同で、質の高い教育環境を構築するプロジェクトをザンジバル諸島において開始しました。いったいどのようなプロジェクトなのでしょうか。



「質の高い教育をみんなに」


ザンジバル諸島は、タンザニアの本土から25~50㎞ほどの距離に位置する島々です。かつては香辛料貿易や象牙貿易の拠点として栄えました。世界遺産に登録された美しい街並みや透明度の高い海があり、ヨーロッパから多くの観光客が訪れる人気のリゾート地です。一方で、島々は教育を含む多くの課題に直面しています。

「質の高い教育をみんなに」は、SDGs17の目標でも4番に挙げられており、地域の経済的発展に寄与する重要な要素です。

ただ、発展途上の国々では、資金やインフラの不足により十分な教育環境を整えることができずにいます。ザンジバルも例外ではありません。
教師不足に加え、教材、ネットワーク環境などの設備が整っておらず、経済的な理由から学校を早期に中退する学生も多いのです。

2021年11月、EEBとWM社は共同でプロジェクトを開始しました。
WM社は学校でネットワーク環境を、エプソンはインクジェットプリンターとプロジェクターを提供しています。ITを活用し、教師を支援することが目的です。
また、学校に提供されたネットワーク環境は地域住民も低価格で利用でき、学校は継続的な収入を得ることができます。WM社のCEOであるミッキー・ワトキンスさんは「我々はアフリカをサステナブルな方法でつなぎ、教師や生徒たちに学習ツールを提供していくというミッションがある」と語ります。

アフリカの課題

 EEBで中東・アフリカ担当を務める副社長のニール・カフーンは以下のように述べています。

「グローバルで考えれば、エプソンはSDGsの17の目標すべてにコミットしています。ただ、このプロジェクトではSDGsの4番『質の高い教育をみんなに』に焦点を当てています。
どこで生まれようと、どのような経済状況に立たされようと、誰もが平等に教育の機会を得るべきだと、私たちは信じています。
ただ、アフリカにおいて平等に教育の機会を得るのは、『言うは易く行うは難し』です。アフリカ大陸には14億人もの人々が住んでいますが、このうち3分の1もの人々が1日あたり1.9米ドル以下で過ごしています。
アフリカのいくつかの国々では、限られた人々しかインターネットにアクセスできません。

我々は経済的に、あるいは地理的に困難な環境にいる人々が、教育を受けられる方法を模索しています。
爆発的に人口が増えているアフリカならではの課題もあります。アフリカの多くの国々では、世界的に見ても人口に占める若年層の割合がとても高く、教育を受けるべき年代の人々が数多くいることが分かっています。
人口が急増する中、各国政府は教育を含む社会インフラを必死に整えようとしているのです。」

中東アフリカ担当のニール・カフーン

このような大きな課題に対し、エプソンのような一企業には何ができるのでしょうか。
EEBとWM社は、インターネットへのアクセスは基本的な権利であり、SDGsの4番を達成するには欠かせない要素だと考えています。しかし、寄付の予算は限られています。両社は、参加した企業や、現地に利益がもたらされるようなプロジェクトこそ、持続可能性がある、と思っています。

エプソンの技術で貢献! パートナーシップで大きな効果を。


エプソンの技術はこの地域の事情に適している、とカフーンは考えています。エネルギー消費量を抑え、メンテナンスを簡素化するインクジェット技術があるからです。

「インクジェットプリンターは、レーザープリンターに比べ、非常に低消費電力です。アフリカ、特に発電機を使用しているような農村地域では使える電力が限られており、消費電力が少なくて済むことは非常に重要なポイントです。また、大容量インクタンク搭載インクジェットプリンターには、カートリッジタイプに比べ、大容量のインクが同梱されています。

別のプロジェクトでは、中東とアフリカの7か国の学校と病院に800台のプリンターを寄付しました。アフリカでは教科書を購入できる子供たちばかりではありません。寄付されたプリンターで教科書や教材を印刷することにより、多くの子供たちが紙を用いた教育を受けられるのでは、と考えています。

ただ、WM社が提供するネットワーク環境がなければ、印刷できるコンテンツは非常に限られます。プリンターがもたらす効果はとても小さなものになってしまうのです。

今後も、営利・非営利を問わず、他の組織との協力を模索し、アフリカの人々の教育環境に貢献していきたい、と考えています。こうした協業により、教育の機会が非常に限られているアフリカの人々へ、私たちが当然のように享受する教育の機会を届けられるようになるからです」

アフリカを市場として見るだけでなく、コミュニティの将来を考え、その成長をサポートし、行動しているエプソングループの活動をご紹介しました。

エプソンは、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」やパーパスで掲げる世界の実現に向け、今後もさまざまな取り組みを継続し、社会へ発信していきます!

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