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4/28 今を生きる人たち

こんにちは、Epsilonです。

写真は『ギミー・ザ・ルート NYグラフィティ』という映画のワンシーンでございます。

大学の授業が本格的に始まり、朗らかに読書とアルバイトと授業を楽しむ日々が戻ってまいりました。桜が散り、一年で緑が最も優しく光り輝くこの季節は、登下校時の並木道に毎日癒していただいております。

さて、今回も最近読んだ本についてつらつらといろいろなことを書き述べて行こうと思っております。

一冊目は夏目漱石『明暗』でございます。

先週読んだ岡潔氏の『春宵十話』において紹介されていた、夏目漱石氏の絶筆になります。一夫婦を取り巻く人々とその夫婦の中で取り交わされる会話や心理描写が印象に残る対策となっております。

私が気になったのは夏目漱石氏はどのような目線に立ってこの小説を執筆されたのかということです。登場人物の心の琴線を全てと言ってもいいほど詳細に記述し、作り上げていく一方で、彼らが生き生きと本の中で動いている様を観察しているかのような感覚に陥りました。登場人物と夏目氏の境目を捉えにくいなんとも言えない名作となっていると思っております。

二冊目は、河合隼雄氏の『イメージの心理学』でございます。

高校生ぐらいから人間の”心”や”対話”がどんなものなのかについて漠然と考えてきた私にとっては、これまでの人生でなぜか最も感動する一冊となっていました。

基本的には筆者が定義する『私』の心理学に関して、定義づけを行い説明を行なっていくという科学書というものに分類されるはずですが、その実哲学的な問題を筆者の言語で記していく一冊になっているように感じました。人と人は無意識的なところで繋がっている。そんなスピリチュアルなところを科学的に記述する目新しさに惹かれました。これからの長い人生においてもある程度はこの本の考えに頼って生きていきたいと思える本になりました。

三冊目は、池田潔氏の『自由と規律-イギリスの学校生活-』でございます。

この本は、筆者自身のイギリスでのパブリックスクールの生活を振り返りながら、その実態を説明していくという一冊になっております。

華やかな大学生活とは裏腹に、徹底的な規律のもとで育まれるイギリス紳士のパブリックスクール期間(日本での中学一年生から高校三年生)の壮絶な日々。私のこれまでの学生生活が恥ずかしくなるぐらいに1日1日を濃く過ごしている様子に胸が熱くなりました。今回の三冊に関しても日々を濃密に過ごし、自身の生き様が克明に刻まれた本は人を動かす力がこれでもかというほど豊かです。

こんな好きものnoteを読んでいただき非常に恐縮です。
今回もお読みいただきありがとうございました。

Epsilonがお送りしました!

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