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自分を認めることからセルフケアが始まる

大草直子さんと考えるホリスティック・ヘルス&ビューティ
『全体』『つながり』を意味するホリスティック。心身ともにバランスの取れた健康美を育む、その秘訣とは? ファッションからライフスタイルまで、幅広い年代の女性たちに提案を届けるスタイリングディレク ター‧大草直子さんのセルフケアから紐解きます。

大草直子 Okusa Naoko
1972年東京都生まれ。編集者を経てスタイリストに。雑誌、広告等でのスタイリングからファッシ ョンブランドのディレクション、ウェブマガジンやオウンドメディア「AMARC」の編集、執筆など精 力的に活動中。近刊に『飽きる勇気 好きな2割にフォーカスする生き方』(講談社)がある。



選んだお茶で自分の心や体の状態をチェック


大草さんがセルフケアに目覚めたのは、40代に入ってから。仕事に子育てにと目まぐるしく動いていた 時間が一段落してからだったといいます。

「子どもが小さかった頃は、とりあえず自分よりも家族が優先。お風呂に一緒に入っても、子どもは潤 って自分は乾いていくばかり…。という毎日でしたが、肌も髪もまだ若かったですからね。40代半ば近 くなって、ようやく自分に手をかけられるようになりました。」

そうして実践するようになった習慣の数々は、ごくごくシンプルだけれど、心地よさのポイントを押さえ たもの。まず朝は、一杯の常温の水を摂り、体を健やかに目覚めさせることから始めます。

「寝ている間に飛んだ水分を補給することで、『朝だよ』と体にサインを送る効果になりますね。お茶が 好きなので、日中飲むのは紅茶だったりハーブティーだったり、日本茶だったり。気分や体調で選べるように、いつも7種類ほどの茶葉をストックしています。選んだお茶で、その日の自分の状態に気づくこ ともできるので。」

朝、水を飲む前に抗菌作用のあるマヌカハニーを舐めることも。
その日の自分に問いかける意味でも「茶葉の選択肢 があることは大事」だという。


空間にバイブスを与える花のある暮らし


滑り出した1日に弾みをつけるのが、軽い運動と身近に置く花。自分の気分に合った花を暮らしの中に 取り入れることも、ルーティーンのひとつになりました。

ヨガ好きな大草さんが日常行うのは、なんとラジオ体操!「普段は伸ばさない側面のストレッチも叶うし、つくづくよく できた運動なんですよ」

「セルフで手に取れる花屋さんが近所にできてから、季節の花をというよりも、お茶と同じくそのときの 気分や感覚で選んでいます。花を選ぶのも洋服と同じで、結局はコーディネートなんですよね。高いお花を何本も取り揃えなくても、3日に1回くらい花器を変えてみたり、その向きを変えたり、あるいは置く場所を変えてみたり…。それだけで印象も気分も変わります。生き物である花は、そこにあるだけで 空間にバイブスを与えているというエビデンスがあるそうですが、それはこういうことなんだなぁと感 じますね。」

花を選んでいるときは「究極のマインドフルネスの時間」と大草さん。一本一本の花に触れながら、まるで自分の心を取 り出し、いたわっているよう。

花もお茶も、その日の気分で手に取ったもので、自分の心や体の状態を確認するという大草さん。ちょ っとユニークなセルフチェック法ですが、楽しみながらできそうなところが、大草さんらしいポイントで す。


大草さん流セルフケアの見つけ方


ファッションやライフスタイルなど、聞けばすぐに取り入れたくなる大草さんの提案。それは、自身の体験や実感を通して発せられたものだからなのでしょう。実際、人から勧められたものや場所は、状況が 許す限り「全部試す主義」だと言います。

「心が動いたということは、自分が、体が動きたがっているというサインでもあるんですよね。それは、セ ルフケアも同じ。だから、いろんなエクスキューズをつけず、やれるものはとりあえずやってみる!そして、とくに女性の場合は月の満ち欠けや月経の周期などによってコンディションが刻々と変わっていく ので、その日の自分に問いかけて選ぶということが、すごく大事なことだと思っています。選択によって、自分を乗せていけたらと。」

ただ癒しを求めるだけでなく、その姿勢はあくまで積極的で能動的。目指したい美しさの像は、若い頃 からずっと変わらず「健康的であること」で、体だけでなく機嫌や情緒が安定し、常にゆったりと柔らか くいられる人に、無上の美しさを感じると言います。


肌や体に触ってみるだけでもセルフメンテに


しかし、家庭や職場でも、ストレスにさらされる日常では、ときに平穏な心 を保つことすら困難に感じられることも。大草さんは「そんな自分も認めてあげてほしい」と続けます。

「日本の女性は真面目で誠実だから、どうしても頑張り過ぎてしまいがちですが、調子が悪かったり、気分が乗らなかったりするのも自分の大切な一面だし、過ぎていく時間の中で揺れ動き、変わっていく自分もまた自分ですから…。不安なときは毎日の習慣を見直し、何より、まず自分の肌や体に触ってみるといいですよ。触るって、実はすごく癒しの効果が高い行為。セルフケアは外見だけでなく、心や、自分の生きる指針にもとても密接に関わることなんだなぁと、私もこの年齢になってより実感しているし、これからくる更年期の波も、そうして乗り越えていけそうな気がするんです。」

正のエネルギーだけを仕事に注げるよう「メールのやりとりはできるだけ朝か日中に」がモットー。前向きな言葉で穏や かなやりとりを心がけている。

ファッションや旅のみならず、セルフケアも、ちょっとでも「やってみようかな?」と思ったら、行動してみ るという大草さん。「今の私の気分ってこういう状況なんだ。」と自分を認めることからセルフケアが始まっていると言います。心身の声に素直に従ってみることが、ホリスティック・ヘルス&ビューティの第一 歩なのかもしれません。ぜひ、大草さんのセルフケアを参考にしてみてください。



epotiveは、ミッドライフ・クライシスに悩むミドル女性を応援するためのプログラムです

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