ITSMコンサルタント鈴木寿夫の6つのルール【前編】
DIG2ネクスト代表の鈴木寿夫は「ePlugOne」の講師を務めるとともに、コンサルタントとしても活動中です。ITSM(ITサービスマネジメント)の最適化やDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業の支援を行っています。
これまで多くの実績を挙げてきました。一方で、支援先の企業からは「鈴木さんは、一般的なコンサルテントとはちょっと、イメージが異なりますね」と言われることも、少なくありません。
いったい、何が違うのでしょうか?
鈴木に話を聞くと、仕事を行う上での6つのルールが浮かび上がってきました。
ルール1:リッチな資料はつくらない
――今日は、鈴木さんがコンサルティングを行う上で大切にしていることをお聞きします。日頃から「自分のコンサルティングは、一般なコンサルティングのイメージとは少しかけ離れているかもしれません」とおっしゃっていますね。
鈴木 例えば、コンサルティング企業が提出する資料は、デザインや情報量にこだわったものが少なくありませんよね。
――はい。
鈴木 でも、コンサルティングの本質はお客様の課題を解決すること。リッチな資料をつくる時間があるなら、他の支援にリソースを回すべきだと考えています。
ですので、資料はできるだけシンプルに要点だけをまとめたものしか作りません。事前に、リッチな資料は作らないことをお伝えして、ご了承いただいてからコンサルティングにのぞみます。
――膨大な資料だと読む時間もかかるので、お客様にとっても、実際はわかりやすいシンプルな資料の方が良かったりするんですよね。ただ、簡潔に要点のみをまとめた資料を作成することにこそ、コンサルタントとしての力量が試されそうです。
鈴木 そう思います。しかし、おかげさまでお客様からは、資料の簡潔性という点でも評価いただいていると思います。
ルール2:とにかく話を聞く、お客様に寄り添う
――ここで鈴木さんが「仕事をする上で一番心がけていること」について、改めて教えてほしいです。
鈴木 コミュニケーションをしっかり取って、お客様の声にしっかり耳を傾けることです。
コンサルタントの本質的な役割は相談役です。だからこそ、まずは相手の話をきちんと聞くことが大切。どのような提案をするかよりも、インプットが重要だと考えています。そうでないと「お客様が自走する」という最終的な目標に至ることができませんから。
ルール3:お客様企業の一員として考え、行動する
――目標を実現するために、工夫していることはありますか?
鈴木 自分もお客様の立場になって、話し、考え、行動することです。
――相手企業の課題や思いを、自分ごととして捉えるわけですね。
鈴木 例えば、あえてお客様企業を「御社」や「貴社」と呼ばずに支援することもあります。それもお客様企業側の人間と思って動くための工夫です。
お客様の立場になれば、ITSMの最適化支援を行うにしても、ITの観点だけでなく、その企業におけるビジネスの観点でも物を考えるようになります。コンサルティングを行う上では、そのような目線でコミュニケーションを取って、相手に寄り添い、伴走することが重要なのです。
(後編に続きます!)