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ポジション別評価から考えるベイスターズの現状と今後の展望:投手編+α

皆さんこんにちは。馬です。前回、割と勢いに任せて書いてしまったベイスターズ野手評を思いの外皆さんに読んで頂き、誠にありがとうございます。と同時に今なんかちょっと申し訳ないな…て感じになっています。

その記事の最後の方で「投手編、やります。」みたいなこと言ってしまった手前、今こうして記事を書いているわけですが、実はあんまりトーンが上がらないというか。もしかしたら歯切れの悪い内容になっており、多分情報量も少なくなるんじゃないかなと。以下にそう思っている理由言い訳をいくつか載せておきますが

1.野手以上に試合数、内容に関するサンプル数が少なく、短期間の成績どうこうで語るのはあまり適当ではないこと。
2.そもそも起用などに概ね問題もないと想定しており、いくつか改善事項はあれど野手ほどクリティカルな内容にはならないであろうこと。
3.それはそうと現状結構悲惨だからなんか暗い内容になりそうであること。

まあこんな感じです。こちらを踏まえて覚悟がある方は是非以下へ。

1.投手評価とはどのように行われるべきか─「今永とバウアーの穴」という概念を言語化、数値化するとどうなるか。

ベイスターズファンの間で語られている今年の投手に関する懸念点といえば、間違いなく「今永とバウアーの穴が大きくて…」でしょう。実際私もそうだと思いますが、それを語るに当たって「じゃあ今永とバウアーの穴ってどのくらいの深さ、広さなの?」ということが語られていることはあまり無いかなと思います。

野手編でも語りましたが、プロ野球選手の最大の目的はチームを勝たせること。チームを勝たせるには得点を1点でも多く獲得し、失点を1点でも少なく抑えることが必要となり、その観点からプレーの一つ一つを評価することで、プロ野球選手の概ねの価値評価をすることができる。というのが野球のデータ分析における基本定義です。

野球に詳しい皆さんなら大体わかると思いますが、この観点から見て投手の仕事とはなんでしょう。守備時に投手が的に当てたらチームに1点!みたいなゲームでもないので、基本的には相手打者を一人でも多く抑えて、失点を抑止する。が目的になるでしょう。「基本的には」という枕詞を付けたのは、投手しながら打者としてゴリゴリに得点を稼ぐ異常野球愛好者がアメリカに居たり、投手なのにサヨナラのチャンスで代打に出てくるウィーランドとかいう人を見てきたためです。

ちなみに、投手しながら打者としてゴリゴリに得点を稼ぐ異常野球愛好者こと大谷翔平さんがMLBでめちゃくちゃ評価されている理由は、投手として圧倒的に他プレイヤーより失点を抑止しながら、打者としては圧倒的に他プレイヤーより得点を獲得している。その貢献を足し合わせたら歴代でも最強クラスに勝ちに貢献していることになっちゃったね♡。端的に言えばそれだけの話でもあります。ま、それだけの話だからこそ野球の歴史を変えてしまっているわけでもあるんですが。

閑話休題、今までのお話から、普通の投手なら責任範囲は「失点をなるべく抑止する」だけに留まることが概ねおわかり頂けたと思いますが、そうなると現代で当たり前とされがちな投手評価において、いくつかおかしい部分が見えてきます。

まず、勝ち星・負け星。これが付く条件というのは分解するとあまりにも複雑なため省きますが、基本的には相手が重ねた得点よりも自分のチームの得点が多いまま降板し、そのままチームが勝利すると付きます。

失点をなるべく抑止すれば、相手よりも得点を獲得する可能性が高まる、これはまあ理屈としてはわかるでしょう。ただ、味方がどれだけ多くの点数を取ったかどうかと、自分が失点をなるべく抑止するという観点はまるで無関係であるはずです。なぜなら、得点を増やすのは野手の仕事だから。まあ投球テンポが悪いから野手が打てないんだ〜みたいなのも言論として否定はしませんが、んなもん多分関係無いです。大体は。

つまり勝ち星って半分くらいは投手の個人的な能力以外の部分で勝手に付いちゃう指標でもあるわけです。まあそれを証として喜ぶ分には良いですが、投手個人の評価項目としては正直不適当でしょう。

また、セーブ、ホールドなども勝ち星や負け星と似たような感じでしょう。基本的には1-3点リードのタイミングで登板し、1イニングリードを守ったまま降板し、セーブであれば勝ったまま試合を終える(ややこしいなおい)が条件ですが、1点リードと3点リードを守るのが同価値なの、おかしくない!?そこに投手だけの失点抑止能力関係なくない!?など、色々ツッコミどころはあります。

じゃあ失点を抑えられたら良いんだな!防御率とかどうだ!みたいな話になるのですが、こちらもこちらで。野手編でも話した通り、野球には野手の守備という概念があります。例えばですが、全盛期の大和が各8ポジションに入ったチーム一般少年野球児童が各8ポジションに入ったチーム、どちらが失点を減らせるかと言われると100人のうち100人が前者と回答するでしょう。打球がアウトに繋がるか、失点を抑止出来るかというのは多分に野手の守備力が影響してくる分野となります。大体割合が52-48とか言われてますが詳しくは自分で調べてください。めんどくさくなるので。

こういった観点から、投手評価における指標では、守備など外部要素が関わる分野を省き、なるべく独立した数値のみを駆使して評価する。という考え方が主流となっております。

"ほぼ投手と打者の対戦のみで結果が確定し、それが明確にアウト、もしくはセーフに繋がるイベント"といえば何があるでしょうか。答えは確実にアウトとなる三振と確実に出塁を許す四球となります。

そして、このような評価をベースに、守備が関係なく確実に点数が入る項目である被本塁打を項目として加えたものがFIP(Fielding Independent Pitching)

打たれた打球別に「これはライナーだから+◯◯点!」「これは内野フライだから-◯◯点!」のように、打球ごとに得点価値を重み付けしたものがtRA(true Runs Average)となります。

この評価観点に関しては「いや、ピンチでギア上げる投手も居るだろ〜」や「実際に失点した割合を示している防御率の方が貢献度としては適切!」といった様々な考え方もあるのであまり詳細には語りません。

ま、詳細は1.02 Essence of Baseballに課金してtRAの項などを見ればわかりやすいと思うので是非チェックしてみて下さい(広告ノルマ)


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上記で示した質の観点に加え、野球選手の活躍というものは量でも評価することができます。野手で言えばそれが打席数と守備イニングだったわけですが、投手ならばこれは当然の如く投球イニングとなりますよね。

はい、ここまで前座です。理解できている方には当たり前の事ばかり読ませてしまい申し訳ありません。

今回は投球イニングを量として、また、奪三振率、四球率、打球割合などを質として、量×質の観点から各個人を評価していきます。tRAなどは普通に乗せたらちょっと申し訳ないんで、ぼやかします。課金して見て下さい。

さっそく、まずは昨年のベイスターズ(とりあえずは先発投手)を中心に、バウアー、今永と昨年もう一本の柱としてフル稼働してもらった東にフォーカスを当てて検証してみましょう。

2023年、昨年のセ・リーグの先発投手はリーグ全体で4988イニングを投げ、奪三振率は18.3%、四球率は6.2%という結果になりました。

DeNAをチーム単位で見ると854イニングを投げ、奪三振率は21.7%、四球率は5.9%とどちらもリーグ平均より優秀、特に奪三振率はかなり優秀な値となっています。打球の質的な評価では、他球団より多少被本塁打が多いものの、例年本塁打が少ない甲子園やバンテリンドームを本拠地としている阪神や中日と比較すれば増えてしまうのも仕方ないものであるため、許容の範囲内でしょう。つまり、チーム単位で見ても昨年のベイスターズは先発投手力で優位を取れていたと評せます。

では、個人レベルで見たらどうか。

今永はWBC日本代表として活躍してからのチーム合流となり、昨年リーグ内で100イニング以上投げた投手の中ではそれほど多くない22試合に先発しました。そんな中でも投球イニングはリーグ8位の148イニング。また、奪三振率は29.2%、四球率は4.0%とどちらもリーグ平均よりかなり優秀なスタッツとなっています。

特に奪三振率は100イニング以上投げたセ・リーグ全先発の中でダントツの1位。パ・リーグ含めても上には佐々木朗希しか居ないため、現在MLBで活躍している姿にも納得の数値と言って良いでしょう。

一方で失点を抑える打球といった観点で言えばゴロ率が35%と圧倒的に低く、フライがホームランになってしまう割合もほぼリーグワーストとあまり良い評価ではありませんでした。俗に言うキレ勝負型の投手、一発病タイプといった評も事実ではあるわけですが、そんなマイナス点を圧倒的な奪三振力と優秀な四球抑止力でリカバーする投手でもあったわけです。

結果として、22登板で平均6.7イニング程度を投げ、大体リーグ平均より1登板当たり0.7点ほど?を抑えるパフォーマンスであったということになります。間違いなくリーグ最上位に位置する先発投手の一人でした

tips1:ちなみに佐々木朗希の奪三振率は39.1%。DHありリーグなのに5人に2人は三振するくらいのパフォーマンスになっています。良く昨年の交流戦で勝ったなマジで。今年は当てないで下さいね。

Youtuberトレバー・バウアーは昨年3月に電撃加入。5月前後に一軍登板したもののなんか爆発するなどを経て一旦二軍調整し、その後は中5日、4日で登板しなんかよくわからんけど10イニング投げるなどまさに暴れ馬鬼神のようなフル回転。終盤は肉離れにより離脱したにも関わらず、結果として19登板130イニング投球と、明らかに登板イニング以上のインパクトはあったと言えるでしょうが、ここでは一旦130イニングのみを量として考えます。

投球内容としても今永ほどではないものの奪三振率24.3%、四球率5.8%は平均よりだいぶ優秀な値になっており、ゴロ率49.9%はそこまで高くないものの、フライがホームランになってしまう割合もほぼリーグワーストとまあぶっちゃけ右の今永みたいな感じでした。こちらも19試合平均6.8イニング程度を投げ、大体リーグ平均より1登板当たり0.4点くらいほどを抑える内容は素直にリーグ上位のピッチングだったでしょう。

tips2:YoutubeWAR、略してYoutubeRがあったら昨年度は確実に彼が沢村賞を獲得していたと言えるでしょう。対抗馬はNPBだとたいらゲーム辺りになるんですかね。

比較対象として挙げた東克樹は圧倒的なイニング消化力により24登板172イニング、1登板当たり約7.2イニングを消化する優秀さ。奪三振率20.0%はリーグ平均水準であるものの、異常なのは四球率2.3%。被打球の質もそれなりに優秀であるものの、失点が少ない理由は圧倒的に出塁を許さないゾーン勝負の姿勢と制球力であったと言えます。

防御率2.09、勝ち星16は前述した通りかなり他要素にも左右されるため、どちらかといえば運が良かったと評さざるをえないものの、それはそうとして今永、バウアーに引けを取らない失点抑止力、投球能力であったことも事実ということです。

今回並べた3人は間違いなく昨年のベイスターズの3本柱であったわけですが、その中の2人が離脱。さて彼らの穴は如何ほどか?という話、この前提を見るとだいぶイメージしやすくなったのではないでしょうか。

投球イニングで言えば148+130イニング、投球のクオリティで言えばリーグ平均よりかなり上の評価、その質と量を掛け合わせると、一軍投手最低限の能力、いわゆるリプレイスメントレベルと比較しておおよそ5勝、今年フル稼働する前提だったら6〜7勝前後を得ていた計算になると考えられます。

まあこれはあくまでスタッツ上の考え方であることと、5〜7勝がどれほどか?というのも個人の感想になるため難しいところではありますが、バウアーと今永の穴、その内容について一定の数値的な見立ては出来たと結論付けさせて頂きます。

今年のベイスターズは昨年の今永、バウアーがかなり優秀な内容で消化していた280イニング、1試合平均6.8イニング前後を他先発投手、あるいはリリーフによって消化することになり、その分をキッチリ"穴埋め"することになりました。というわけです。

2.既存戦力、新規加入戦力の現在地─今永、バウアーの穴だけではない厳しい現状とは─

では、ここから本年度のベイスターズについて見ていきましょう。

本年度のセ・リーグ先発投手は奪三振率16.9%、四球率は7.1%となっており、リリーフは奪三振率20.4%、四球率は8.0%となっています。

一方で、DeNA投手陣の先発投手は奪三振率18.4%、四球率は8.8%となっており、リリーフは奪三振率17.0%、四球率8.0%となっています。

ぱっと見で考えましょう

先発投手の奪三振率はリーグ平均を上回っているものの、四球率はリーグ平均よりだいぶ下。

リリーフの四球率はリーグ平均水準ですが、奪三振率は平均より圧倒的に下。

これはお世辞にも良いとは言えませんね。
ちなみに前項では挙げませんでしたが、昨年のベイスターズはリリーフも奪三振率、四球率共にリーグ平均程度の水準ではありました。つまり、今永、バウアーが関係無さそうなリリーフまで指標が悪化しているということになります。(一応、先発投手がイニングを稼げなくなった分は相対的に劣るリリーフが出てくる可能性が高まるため、悪化すること自体は無くもない=それ自体がバウアーと今永の穴とも言えますが)

それでは、早速ですが上記を踏まえて先発リリーフに区分し、いくつかの観点で評価を行っていきます。

先発1.平良拳太郎が稼働していないマイナスが大きい

最大のアクシデントはここになってくるでしょう。昨年59イニングを投げ、本年度はローテーション維持を期待されていましたが完封直前まで行った一軍今期初登板後に右肩違和感から離脱。例年も実はかなり高いパフォーマンスを出しており、奪三振率や四球率は並以上ながら、ゴロ率など被打球の質などについては今永・バウアーを上回るなど、投球内容は昨年もエース格と評せる内容だっただけに彼が稼働していないのは致命的なダメージとなっています。

が、明確にこれを解決するには平良本人に復帰してもらう他なく、どないせえっちゅうねんみたいなところがあります。頼むから無理しない程度に1秒でも早く復帰してくれ〜。

tips3:概ね起用による解消法とかないので、こういう感じで進みます。だから言ったでしょうが!

先発2.新加入した助っ人陣が今のところそこまで優秀とは言い切れない。が…

これに関しては、実際のところまだ5登板程度であるため評価するには困る部分もあり簡潔に。

アンソニー・ケイは28イニングで奪三振率19.5%、四球率8.5%とまずまずのスタッツ。実はゴロ率が高く被打球の質がかなり優秀で、空振り率が20%程度と相手打者から比較的空振りも取れているなど、現状出ている防御率よりは良化するのではないか?という見立てはあります。

アンドレ・ジャクソンは23イニングで奪三振率19.0%、四球率14.3%。広島で大爆発した残り香を感じるスタッツになっています。こちらに関してはフライの被打球が多い代わりに空振りも多い、タイプ上はバウアーに近いタイプとなっています。こちらも現状出ている防御率からは良化する可能性は充分にあるでしょうが、もう少し暴れなければという条件が付くでしょう。

また、両者ともにDER(インフィールドに飛んだ打球がアウトになる割合)が.640前後となっており、現在チーム平均が.670、リーグ平均が.700になっているため、打たれた打球がヒットになりやすい問題を抱えています。これに関しては運や守備力も関わってくるため投手評価とするには難しいところ。なんせあのバウアーもインフィールドの打球がヒットになりすぎて炎上した回もありましたからね。

なんにせよ、各投手共にめちゃくちゃ優秀とは言い切れないものの、両者ともに優秀な点がありそれなりに見えるスタッツにまとめてくるビジョン自体は見えていること、明確な代役もいないことから、下手にローテーションを弄るでもなく彼らに関しては長い目で信じてもらうしか無いかな。というのが正直なところ。シーズン通して彼らがどんくらいの成績残せるかは知らんけど、そこはまあ野球の神様に期待するしかないんじゃないですかね(他人事)

tips4:チームのDERが.670って普通に守備が酷いか運が悪いかのどっちかかな〜って感じなんですけど、少なくとも守備に関してはテコ入れする余地あるんですよね。それこそ森敬斗使うとか、守備指標が悪い選手を一旦下げるみたいな感じで。最近は度会なんかも休ませたりしてますけど。
運が悪いのはあれっすね。神社行くとか良いんじゃないですかね…

先発3.既存の投手のスタッツの微細な悪化が見られる…かも?

こちらも20〜30イニング前後の登板が主となっており、明確なコメントは出来ませんがいくつか気になる点について。

東克樹に関しては昨年度の項でも語ったように、圧倒的な四球抑止力が最大のストロングポイントでしたが本年度は奪三振率、四球率共に多少の悪化が見られる現状に。多少ストライクが取れていない、ストレートの平均球速が多少低下しているなども気になりますが、それ以外に明確な悪化部分などはなく、勝利数や防御率など明確に運が良かったと評せる昨年のスタッツを度外視すれば、エース格の一人としての期待は変わらずしたいところだが。多少下がった部分を戻せるかどうかですかね。

大貫晋一は昨年13登板76イニングとまずまずの投球回。例年、平均的な奪三振率、四球率と高めのゴロ率などで安定感のあるピッチングをしていましたが、本年度は5登板27イニングで奪三振率17.4%、四球率は9.6%と大幅に四球率が悪化しており、気になるところ。

ストレートの平均速度が低下しており、それを気にしてか投球割合を減らしているものの、ストレート自体は結局あまりクオリティ面が良くない点。ボール球のスイング率が昨年比で10%近く下がっており、明らかに見極められている点など、個別のパフォーマンスも気になるところ。

ただ、何が悪いからといって明確にどこを直すかみたいな話に繋がらないのが難しいところで。彼についてもあまり代役など語れる状況にはないので、頼むからパフォーマンスを頑張って戻してくれ…としか言えないのが難しい。

濱口遥大、石田健大については上でほぼ投げていないためあまり強くは言えませんが、例年投げたら投げた分それなりにやってくれるのでまあローテーションとしては問題ない想定でしょうか。流石にバウアーや今永レベルは望めませんが、1軍中位レベルの活躍は想定したいところ。このくらいのレベルのピッチャーに文句言ってたらマジで何も残らんのでね…

先発4.中川颯はDeNAを救う光になるか?

直近で評価急上昇中の中川颯。筆者は昨年戦力外組になった面子のスタッツを漁っており、10月くらいに中川颯、森唯斗、(堀岡隼人)辺りが欲しいなぁ〜とか言ってたら11月に獲得調査、そのまま普通に全員来てめっちゃ嬉しかったということがありました。あとヤクルトに行った西川遥輝も欲しかったが…

ほんとに来るんだからわからんもんですね

そんな中川颯、昨年までのスタッツは、登板が少なかった2022を除き二軍ながら奪三振率が30%近く、四球率は平均以下と極めて優秀な内容。どうやら退団前はオリックスと色々あったみたいで、人生って色々あるなぁ。と馬ながらに思ったものですが、退団前時点でも明確に成功が見える水準にはあったのではないかと思っています。

そんな中川はオリックス時代とはうってかわり、現状の奪三振率は10%前後、ゴロ率が60%近くになるほど高いなど、今のタイプはだいぶ打たせて取るピッチング。正直私個人としてあまりこのようなタイプは好きではないのですが、本人が成功するために明確にスタイルチェンジをしていると話している記事もあったため、まあそれはあんまり言わんでおきましょう。

今言えるのは、二軍で圧倒的に優秀なポテンシャルを残していた投手がスタイルチェンジなどを重ねながら今一軍で頑張って投げて好投している事実。正直このスタイルが成功するかは未知数ではあるものの、なんならスタイル戻しても良いわけですし、とりあえずしばらくは期待せざるを得ないかなってところですね。ベイスターズのフロントさんは割とスタッツとか見れるため、こういうとこはちゃんと良い仕事します。

救援1.昨年のリリーフを引っ張っていた面々は?
ぶっちゃけ、30イニング以上投げていた全員になります。具体的には入江、ウェンデルケン、石川、上茶谷、山﨑、森原、伊勢、(ちょっとパフォーマンスは悪かったけどエスコバー)皆水準以上のパフォーマンスがありました。

ムラはあれど奪三振率は概ね20%〜30%、四球率は高くて10%、低くて4〜5%、明確に被打球のクオリティに懸念があったのもエスコバーくらいと、良い意味でも悪い意味でも誰が投げようと大差無い優秀さ。その中で、昨年抑えを任されながら唯一不運と呼べるレベルで可哀想だったのが山﨑でしょうか。

奪三振率は28.6%、四球率4.3%と今永と同等の水準ながら、DERは.639と常に上手く行ってなかった時のバウアーみたいな感じ。確かに被打球の質はそんなに良くなかった気もしますが、それにしたってこれでも抑えなきゃ叩かれるんだから酷な仕事やな〜と思いながら見ていました。こういうこと、誰にでもあるからあんまり一人に責任押し付けないでね?みたいなとこはあります。その点、今年やってるダブルクローザーシステムみたいなのは結構好きなんですよね。個人的には。

救援2:じゃあ今年のリリーフはどうなってんの?

え〜、答えとしてはサンプル少なすぎてどうにもです。が、あまり質は良くはないのが正直なところでしょうか。
昨年軸となった8人の中からエスコバーを除いた7人で言えば、
森原、伊勢→奪三振率高く、四球も出さずかなりの良化傾向
山﨑→相変わらず不運寄りで、三振を取れてないのが気になるがようやっとる側
石川、上茶谷→スタッツ的には悪化気味、も少サンプルであるためまだ待てるかな
入江、ウェンデルケン→帰ってきてくれ〜
といったところで、離脱組以外はまあ水準以上かなとなるのですが、代役としてイニングを食っている松本凌人、森唯斗、徳山壮磨辺りは、しっかり投げている割に奪三振率、四球率、被打球の質含めて諸々がだいぶしんどい。頑張っているのはわかりますがいつ爆発してもおかしくない局面に居るため、どうしたものかといったところでしょうか。あとローワン・ウィックさんに関しては一軍二軍関係なく普通に爆発しててしんどいなどありますが。

まあぶっちゃけ、こんなサンプルで語るのもですしリリーフはイニング負担が少ない分そこまで勝敗に絡まないから…実はあんまり言うことは…てな感じです。

一旦まとめます

・先発は平良拳太郎離脱が特に痛い。

・ケイ、ジャクソンは今後活躍する見通しもあり、代役が居ないのもあるため継続的に起用せざるを得ないかなといったところ。

・既存投手陣、東に関しては多少の悪化、大貫の四球率の悪化が見られるが、石田、濱口含めそれなりに投げてもらうことを期待するしか無い。特に東には依然エース格の稼働を期待。

・中川颯、光になれ。

◯先発は優秀な投手であった今永、バウアーの離脱によるマイナスは言うまでもないが、一部戦力の離脱やパフォーマンス低下など決してそれだけではない問題点も内在している。既存戦力の奮起と新戦力の適応によりどこまで穴を埋めきれるか、思いの外課題は多い。

・リリーフは昨年軸となっていた概ねの面々が優秀であり、リーグ内でも中位〜上位に位置すると評して良い特に不満のない陣容であった。

◯今年のリリーフは昨年比で内容が改善した森原、伊勢などのポジティブな要素や、そこまで内容が変わらない山﨑も居るが、明確に悪化気味な上茶谷、石川達也や離脱組のウェンデルケン、入江の不在などが響き想定よりだいぶ苦しい。松本、徳山などの代役も防御率ほど指標は良くなく、依然爆発してもおかしくない懸念を内包しているのが指標上は低評価となる要因になっている。が、懸念点に関しても爆発するまで恐らく手を付けられないのが困ったところか。

3.数少ない光?二軍での有力投手と課題を改善する具体的な方策について考える。

えー、あんまり語ることもないので何人か上で投げられそうな面子を挙げます。

堀岡隼人は育成枠ながら奪三振率25%、四球率5%と優秀なスタッツ。昨年の二軍スタッツからしても成功の兆しはあり、今のベイスターズ二軍内でも最有力な投手の一人。このままなら支配下は間違いないでしょう。

中川虎大も既に昨年時点で二軍卒業レベルの奪三振率を残しており、今一軍に居ますが継続的な起用を求めたいところ。スペックもちゃんとあるからね。

坂本裕哉、例年一軍の壁に跳ね返されている投手ではありますが、ここ数年はスペック向上に伴い二軍スタッツも良化気味。今のメンツであればチャンスを貰えて然るべき立場ではあるでしょう。

宮城滝太は奪三振率25%を超えるなど昨年二軍卒業したかと思ったんですけど、まだちょいちょい二軍で投げているらしい。順調な推移で来ていると思うので、さっさと一軍定着してほしいかも?

先発なら石田裕太郎。ルーキーながらなかなかクオリティの高いピッチングをしており、奪三振率20%超え、四球率も3.2%とお見事。スペック的な不安などはあるものの、近いうちに一軍のチケットは貰えるかなといった質の良さを見せています。

小園健太は昨年までのスタッツはお世辞にも良いとは言えず、スペック不足から相手に隙を見せる脆さがあったものの本年度は二軍での奪三振率、四球率が更に向上し、決して良い結果では無かったものの一軍初登板を達成。現在の二軍スタッツが維持できればもう何度かは今年度中に上での機会があるかもしれませんね。

えー、ぶっちゃけ投手についてあんまり文句とか無いからこんくらいで良いですかね。まあ野手と違って結果残したら大体上に上がってるのと、起用がおかしいだろ!みたいな選手も別に居ないため言うことはありません。吉野光樹辺りもスタッツさえ良くなったら上がるだろうし。森下瑠大くんなんかもうちょい時間はかかるにせよ若手にしてはかなり有望株ですし、深沢鳳介くんは怪我が治ればパフォーマンス上は一軍で投げられるレベルでしょう。

私から一つ言えること、先発やれる投手をリリーフにするのやめてくださいくらいなんですよね。まあ明確な対象は入江のことなんですけど。純粋に優秀な投手にイニング食って貰った方が良いに決まっているじゃん…という話なので。ただまあ今は巨人の西館とか日ハムだのがやってるのが目立ちすぎててベイスターズは下火というか。

というわけで投手編でした。正直運用面にあんまり文句というか言えることも無くて、個人個人に頑張ってもらうしかないかなと思っているんで、皆さんも点数取られただの打たれただのに関しては、そんなに怒らず見てあげた方が良いと思います。

というわけで、要望があったとか、急なレスバトルで義憤に駆られてとか、有料noteの内容にキレてとかあったらまたnote書くかもしれません。その際はお手柔らかに。

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