障害者雇用のお給料 企業に望むこと
なんだか重々しいタイトルになってしまいました。
さて。今回は、障害者雇用のお給料について。
大事なお話ですね。
障害者雇用は、一般的にお給料の額が低いです。
私は一般枠で働いたこともあったから余計にかもしれませんが、最近こんなことを考えていました。
私という「資本」そのものは一般枠でも障害者枠でも同一なのに、「障害者」というラベルが貼られることで「給与額」が低くなるのはなんだか納得がいかないなあ、と。
それでもどんなふうに納得がいかないのか、どうすればいいのか、ふやふやしたまま頭の中で放置されてきました。
そんな中で中西篤さまのnoteを拝読し、あらためて考えてみることに。
じっくりと腰を据えて書いてみるので、ちょっとばかりお付き合いいただけると幸いです。
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障害者雇用の給与額は、国の調査結果を見てみるとその平均は下記の通りです。
(月額 週30時間以上勤務)
身体障害者:約24.8万円
知的障害者:約13.7万円
精神障害者:約18.9万円
(厚生労働省:「平成 30 年度障害者雇用実態調査結果」https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000521376.pdf)
他方、健常者の一般的な平均給与(月額)は約30.8万円。
(正規雇用平均額369 万円÷12で算出)
(国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査結果について」
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/001.pdf)
健常者と比べて、障害者の給与額は相当に低いことが分かります。
さらに健常者はここに賞与(ボーナス)も加わります。
障害者雇用は正社員以外も多いので、その障害者(賞与をもらっていない障害者)と健常者との年収の差はさらに開きます。
(障害者のうち賞与を受け取るのが「正社員」とすると、その割合は身体障害者が52.5%、知的が19.8%、精神が25.5%のみです。)(厚生労働省:「平成 30 年度障害者雇用実態調査結果」)
以上概要をデータで見てみました。
そうしたなかで、障害者のお給料、さらには雇用体制について今回は企業に改善を図ってほしい願いを書いてみたいと思います。
ただ、障害者も人によって意見や状態はさまざまです。
星の数ほどある中での一見解として、やさしく見ていただければと思います。
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【企業に望むこと】
障害者に割り当てられた業務内容はいたってシンプルなもので、特記すべきスキルもそこまで必要ないし、すぐに実践できるものが多いです。
なるほどこの業務内容であれば、会社側もほかの社員たちと比べて額を決めるのだから、障害者は給与額が低くなっても仕方ないのかもしれません。
社員を業務の難易度順にずらっと横に並べて、ぺたぺたと給与額ラベルを貼って決めていけば、そりゃそうなるよな、と。
この理論はこれで分かります。
また、障害者の給与を上げてほしい、というのはそんなにシンプルな話ではないかもしれません。
というのも、健常者と同じように働けるならそれでいいのだけど、私個人としては、それは避けていただきたいのも事実だからです。
健常者を見ていると残業だらけだし(これは別問題かもしれないけど)、業務量も障害者と比べると格段に多くて、てんかんを持っている脳に負担をかけすぎると発作につながりかねないから、合理的配慮をしていただけると大変ありがたいのも事実なんです。
ありがたいのだけど・・・・
同時に、障害者もこれまで習得した能力はあるはずで、慣れてくれば業務で貢献もできるのではないかなあ、とも思うのです。
今後長いスパンで考えれば、成長だって見込めるはずじゃないかな、とも。
そういう志を持った人に、健常者と変わらない給与形態を組み入れることも検討していいのではないでしょうか。
どういうことかというと、
それは、合理的配慮は充分にありがたいから障害者枠という区分のまま、能力別・業績別にしっかりと「評価」をつけてほしいなということです。
健常者みたいに昇給のための自己評価・上司の評価をつけて、上司と定期的に面談して、お互い納得して、それに応じたお給料を与えてほしい。
そうしたら障害者にとって、将来に向けてよし頑張ろうというはずみにもなるはず。
障害者は自分の業務に心の底からしっかりと向き合い、この先成長しようとするはず。
障害者が前向きになって働くということ。
これこそ「障害者雇用」の核心ではないかなと思うのです。
そして重要なのは、こうして成長し続けようとする障害者も、企業の求める人材のはずだということです。
少子高齢化が進み障害者を労働力とする以上、貴重な一人材として大切にみてほしいなと思います。
以上のように、
企業は障害者にも能力・業績ごとの評価システムを導入し給与額を増やすべきということを、
今のところ、日本企業の改善点として望んでいるところです。
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さらに、ちょこっと視野を広げてみます。
「障害者」を障害者雇用というかたちで日本社会の「労働力」としてとらえるなら、「消費者」としても経済に貢献できるほどの収入があることが望ましいはずです。
健常者なみに給料をもらったら、それだけ消費も増えるから、今度は日本社会のあちこちの企業の利益にもつながります。
お給料に余裕ができれば、より一層、あらゆる小売店の消費者になれるし、グルメめぐりだって旅行だってできるし、ファンクラブに入ろうかなとも思える。慈善団体に寄付をしようというゆとりもできる。
これこそが、真の意味での社会貢献なのではないかと思うのです。
障害者だって、社会貢献はしたいんです。
だから会社も、障害者が真の社会貢献ができるほどもっと真剣に動いてほしいなと思うんです。
そしてゆくゆくは、障害者雇用を通じた社会貢献っぷりを求人に堂々と掲げて、企業のアピールにつなげてほしいなとも思います。
障害者雇用とお給料について、こんなふうに考えてみましたが、あらゆる視点からいろんな意見もあるかと思います。
今回私は業績・能力の「評価」を挙げてみましたが、もちろん業務量を増やさないほうがいいという方もいらっしゃるはず。
色々な見方を総合的に吸収して、少しずつでも社会が改善していってほしいなと思います。
また、引き続き世の中を見ながら、考え続けていきたいと思います。
以上です!(キョエちゃん風)
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