障害者雇用 転職先、決まった
先日所用のため、とある空港へ行く機会があった。
ちょうど鮮やかなパープルカラーの飛行機が滑走路をゆっくりと走っていて、今から飛ぶのかそれとも帰ってきたのか、どっちだろうねと夫と話しながら見ていた。
用事があったから飛行機の行く末を見届けることはできなかったのだけど、だだっ広い滑走路をぬおーんと走る姿が印象的だった。
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約2ヶ月かけてエージェント経由で励んでいた転職活動がようやく終止符を打った。
内定が出たのだ。
最初は驚いて慌てふためき、その後じわじわと喜びが湧き上がり、何度も何度も内定通知のメールを読み返した。
ああ、ようやく。
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結果は14社書類で応募して、そのうち4社ほど一次面接に進んで、さらにそのうち3社ほど二次(最終)面接まで進んだ。
第一志望に通ったので、1社は内定をいただいたもののお断りを入れ、もう1社は二次面接を辞退した。
(ちなみに14社のうち1社は書類を提出して以降、音信不通のまま終わることになった。)
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内定時に提示される給与額は会社による各社員への賭けだと思っているのだが、今回会社から提示された年収は、現在より220万円アップしていた。
同じ人体に対して、会社によってこんなにも評価がちがうのかと目を見開いたほどである。
・・今の会社では月給の額がスズメの涙程度なのと、ボーナスが出ないことがひとつの要因ではある。
そしてなにより、転職先が大盤振る舞いして賭けをしてくださったからでもある。
求人に書かれていた上限額を大幅に超える額が、内定を告げるメールの文面で堂々と輝きを放っていた。
アナログメーターの針がレンジの右端の数値を大きく振り切っていたようなイメージである。
エージェントは内定が出た瞬間に電話をかけてくださり、誰よりも嬉しそうだった。
まあ、コンサルティングフィーは給与額で決まるのでエージェントに高値で入るからということもあるが(こんなに高い金額は初めて見たと社内で盛り上がっていたらしい)、来月末から出産・育児休暇に入るのでその前に決まってよかったです!ああよかったです!嬉しいです!と感激されていた。
転職先が決まったことで、私だけでなく、誰かに福をもたらすことができてよかった。
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次の企業での業務内容には、これまでの経験が反映されている。
最終面接でそれを告げられ、泣きそうになった。
事務仕事もあるが、ゆくゆくは社員研修とか採用に関わってほしいということだった。
障害者雇用ではありながらも、「障害者」として隔離されるのではなく、健常者と同じような業務に携わることもできるのだ。感激した。
そして雇用形態は、まずは契約社員である。
契約社員として一年以上働いて、「常識的なことをしていれば、正社員登用」だそう。(面接官談)
正社員になれば、退職金ももらえるようになる。
ただ一方で、登用されなければ契約社員は5年が満期とのことだ。
つまり入社後も気を引き締めていく必要がある。
最終面接で4人の面接官を相手に「こんなに転職しているので説得力がないかもしれませんが、定年退職まで働きたいんです。いや、再雇用まで!」と熱弁をふるったから、それが叶うように。(面接官は「ハハハ」と温かく笑ってくださった。)
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決まったら、もう進むのみである。
転職活動中は、黙々と企業研究をしたり、学力試験の対策に勤しんだ。
気持ちもどんよりと暗くて、私の心の天候は曇りだった。
先が見えぬ中で、気が張り詰めながら前進していくような感じだった。
それがやっと終わり、今は目の前に青空が広がっている。
太陽が進む先を照らしてくれている。
転職活動を終えた今は、地上に降り立った状態でもあるし、
これから飛び立とうと地上で助走している状態でもある。
2カ月間の飛行から次の何十年もの飛行へ。
転職先が決まった今この瞬間の私は、滑走路をぬおーんと走る飛行機である。
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参考
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