障害者も有意義な転職をしよう:第1章 将来設計
転職活動を始めようかどうしようか。
転職活動は、新卒採用とは異なり、勤務しながら対策を進める必要があります。
今の仕事もあるので、ためらっている方もいらっしゃるかもしれません。
一度決まって働いたものの、このまま続けた方がよいのか、それとも変えた方がよいのか。
なかなか決めきることは難しいかもしれません。
そこであらためて、転職活動をすべきかどうかを一緒に考えてみましょう。
まずは、今の仕事と自分自身を分析してみます。
優先事項としてまず大前提となるのは、「体調」です。
これはどんな仕事に就いていても重要です。
体調が良くなければ、どんなに頑張ってもより悪化するだけかもしれません。
悪化すれば、元も子もありません。
体調は自分の資本です。
本当に本当に、大切にしましょう。
そのためには在宅ワークが採用されているか、通勤時間が短いかどうかといった環境要因も検討しましょう。
体調を良好に保つためには、これらをクリアしておいたほうがよいですね。
そのうえで、今の仕事が向いているかどうか、転職も検討した方がよいかを判断します。
ひとつの手法として次の3点から考えてみましょう。
今の仕事について・・・
① 収入 :給与額に満足できる
② 達成感 :やりがいを感じる・実力を発揮できる
③ 評価体制:出世・昇進・社員登用の可能性がある
それではこれを順に深く掘り下げてみます。
1ー1.① 収入 :給与額に満足できる
一般的に障害者雇用では、健常者と比較すると給与額が低いです。
業務内容がシンプルなものが多いため、企業からは業務内容をもとに給与額が判断されているのかもしれません。
しかし働く側としては収入も大切な判断基準です。
転職を検討するにあたり、給与額を重視してもよいでしょう。
ところで給与額が高い・低いという基準は人によって異なりますよね。
障害年金を受給しているかどうかも考慮すると、基準はさらに多様だと思います。
参考までに給与額の平均値を載せておきます。
(月額 週30時間以上勤務)
身体障害者:約24.8万円
知的障害者:約13.7万円
精神障害者:約18.9万円
(厚生労働省:「平成 30 年度障害者雇用実態調査結果」https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000521376.pdf)
ちなみに健常者の一般的な平均給与(月額)は約30.8万円です。
(正規雇用平均額369 万円÷12で算出) (国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査結果について」 https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/001.pdf)
いかがでしょうか。健常者と比較すると大きくちがいますね。
老後のために貯めておきたくても健常者ほどは貯められないかもしれません。
しかし障害者にとっても、今の生活だけでなく老後に備えておくことはとても大事です。
転職を検討するうえで給与額は非常に重要な項目です。
今の給与額に満足しているかどうか、生活していけるかどうか、将来どれほどお金を貯めたいか、という金銭面から仕事を検討してみるのもいいと思います。
1-2.② 達成感 :やりがいを感じる・実力を発揮できる
この項目は、自分が今の仕事をどう思っているかといった、ご自身の価値観に関わるものです。
仕事はもちろん、すべてが自分のやりたい業務内容ではありませんし、障害者雇用となると、これまで積み上げてきたスキルとかけ離れた業務かもしれません。
そんな中、日々の業務の中で社員の方々から感謝をされてやりがいを感じたり、少しでも実力を発揮できて達成感を感じたりという機会が多いほど、長く続けられるポイントになると思います。
給与額に不満があっても、今の仕事にやりがいを感じることで、続けようかなという意欲にもつながるかもしれません。
日常の中でほんの少しでも実力を発揮する機会があれば、前向きに働こうという気持ちになりますよね。
やりがい、実力の発揮度合いも、仕事を続けるかどうかを判断するうえで大きなポイントになると思います。
1-3.③ 評価体制: 出世・昇進・社員登用の可能性がある
この項目は、職場で管理者の立場に立つ人(会社の上司・人事部等)からの評価が該当します。
管理者からの評価は、給与額だけでなく出世・昇進・社員登用といった勤務先での役割の変化につながります。
出世・昇進・社員登用はもしかすると、障害者にとって一番遠い項目かもしれません。
なぜなら障害者は、健常者と同じような指標で評価されるのは珍しいからです。(私も以前の仕事では障害者には評価体制がなかったため、出世や昇進をはじめ、社員登用も諦めていました。)
でも他人から高く評価される機会があれば、働く意欲もでてくるかもしれません。
もし給与額が低くて自分がやりがいを感じていなくても、昇進が決まれば「もう少し続けようかな」という気持ちにつながるかもしれません。
他人の評価が全てではありませんが、職場を変えるか続けるかを検討するとき、ひとつのポイントとして考えてみてもいいでしょう。
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このように今のご自身を分析するうえでの手がかりとして、3点を挙げてみました。
(体調・環境は前提条件なので、あえて入れていません)
あなたにとって今、この3点は満たされていますか?
この3点のうちひとつでも達成していれば現職のままでいいと考える方もいるかもしれません。(私はこのタイプです)
そしてひとつでも当てはまらなければ転職したいと望む方もいるかもしれません。
決めるのは、ご自身です。
あなたは今の仕事に満足していますか?
ぜひ分析してみてください。ご自身を客観的にとらえることは、非常に重要です。
働くのはあなたですから。(上記の3点に限らず自分なりの優先項目を足してもいいですよ!)
なお、私が転職活動をしようと決めたのは、当時の仕事が3点すべてに該当しなかったからです。
全部当てはまらなかったので、このままでは続ける意欲が失せていってしまうなと思いました。
続ける意欲が失せてしまうと、仕事の効率も下がって周りに迷惑をかけてしまうかもしれません。
また生活時間のうち長い時間を占める仕事に苦痛に感じていては、人生楽しくありません。
そうなると精神面にも影響が出て、自分も苦しいし家族にも迷惑をかけてしまうかもしれません。
だから自分のため、そして家族のためにも転職をしようと決意しました。
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次章以降の記事では、転職活動について詳しく説明します。
なるべく具体的にイメージしてもらえるよう、私自身の経験もできる限り記しています。
先ほど挙げた3点のうち1つでも当てはまらなかった場合、この先の準備のためにも、転職活動の知識をつけておくとよいでしょう。
準備することに損はありません。
また迷っている方も、知識を習得することで、より客観的に自分の仕事や将来について考えられるようになります。
今の仕事に少しでも迷いがある方はぜひ参考にして、明るい未来につなげてください。
それでは、次章以降で転職活動のポイントについて述べていきます。
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本来はkindle出版を検討しましたが、noteですべて無料でお届けします。(今の就業先が副業禁止なのもありますが、少しでも障害者のみなさんのお役に立ちたいと思っています。)
ですので、読んでいただいたら、ほかの障害者や関係者の方々に広めていただけると幸いです。
(こちらのリンクを貼ってください。)
https://note.com/epilab/m/mc29dabeb2457
よろしくお願いします!
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