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【無料】イスラエルとハマス? 悪いのはどっち?

この記事は

どこよりも分かりやすいパレスチナ情勢。いいパチンコnote名物「正確性よりも分かりやすさを追求した超ザックリ解説」です。


登場キャラ紹介

パレスチナガザ地区のハマスがイスラエルを攻撃????


はい、もう分からない。

パレスチナってなんだよ。ガザってなんだよ。イスラエルは国だよね知ってる。でもハマスってなに?? というわけで、登場キャラの紹介から。

画像引用・Google
舞台はイスラエル(中段左側)


イスラエル

人口920万人。ネタニヤフ首相。ユダヤ教を信奉するユダヤ人国家。民主主義かつ資本主義国家。情報通信、ハイテク農業、医療機器、製薬などに強みを持つ。欧米に匹敵、あるいは凌駕する文化レベルを備える先進国。ユダヤはダイヤモンド流通を独占しており、一人当りGDPは日本の1.3倍。


パレスチナ

土地、地方の名前。

画像引用・NHK

イスラエルはパレスチナ地方に建国されました。


パレスチナ国・パレスチナ自治区・パレスチナ人

パレスチナ国は、かつてパレスチナ地方にあったイスラム教を信奉するアラブ人国家。現在はイスラエル国内に「パレスチナ自治区」として存在し、独自の政府機関や大統領を持ちます。

この記事では以下のようにかき分けます。

パレスチナ→地方の名前
パレスチナ国→かつてあったアラブ人国家
パレスチナ自治区→現在パレスチナ自治政府が統治する地区
パレスチナ人→パレスチナ自治区の住民

↑この複数ある〝パレスチナ〟が混乱の大きな原因。

パレスチナ自治区は、自治政府のあるヨルダン川西岸とガザ地区に分れています。

パレスチナ自治政府は独立国になりたがってる

トップはファタハ党のアッバス。報道では「PLOのアッバス議長」と呼びますが、直接民主制で選ばれており、日本の外務省は「パレスチナ自治政府のアッバス大統領」と表記しています。


ガザ地区

今回問題になってるのはガザ地区。

画像引用・BBC

ファタハ党のアッバスら自治政府はヨルダン川西岸地区にあり、ガザ地区はハマス党が実効支配しています。ハマスは実質テロリストのため、国内に侵入されると困るイスラエルはガザ地区を緩衝地帯で囲った。

航空写真を見るとすごいよ。

写真引用・Google

ガザ地区、まるで上から線を引いたようになってるでしょ。これが緩衝地帯で、検問所を通らずに突破すれば、民間人であろうと、イスラエル・ハマス双方から射殺されます。

検問所へ続く1キロに渡る〝通路〟
画像引用・NHK

緩衝地帯はガザ地区をぐるり囲っているため、「ガザは史上最大の監獄」と呼ばれたりします。

ガザ地区の人口は210万人。宮城県や新潟県くらいの人口です。ガザ地区北部と南部に100万人ずつ居住し、イスラエルは今回、北部の100万人に対し24時間以内に南部へ避難せよと通告しました(距離にして20kmくらい)。

自動車の保有率は極めて低く、子供や老人を含む100万人をいきなり20km移動させるなんて不可能でしょう。

ハマスはガザ地区の地下に通路を張り巡らせており、出入口は民間人の家だったりする。イスラエルがガザを落とそうとした場合、民間人を殲滅せねば完遂できません。だからよほどのことがない限り、イスラエルもガザへ地上軍を投入できない。


ハマス

「アッラー以外に神は無く、ムハンマドはアッラーの使徒なり」

ハマス(ハマス党)はイスラム教の原理主義者です。アッラーを唯一の神として絶対視し、異教や異端を認めません。ほぼほぼテロリスト。

ファタハ党の初代大統領〝アラファト〟らが汚職政治を進めたため、対抗野党として力を伸ばしました。現在、議員数はファタハより多い。ただしテロリスト

中東専門家によると「ガザシティに隣接するエジプトが、本来同胞であるパレスチナ人の入国を拒否するのは、200万人もの難民を受け入れられないのと、難民に紛れてテロリスト(ハマス)まで入ってくるから」とのこと。

過激なイスラム原理主義で有名なのは、国家としてのイラン。同時多発テロでアメリカを攻撃したアルカイダ。アフガニスタンのタリバン、シリアのヒズボラ、ISIL(イスラム国)など。


イスラエルvsアラブ諸国

イスラエル(ユダヤ教)とアラブ人(イスラム教)は2000年もの間、争い続けています。

今でこそエジプトやヨルダンはイスラエルと国交がありますし、トランプ前大統領の仲介でUAEやバーレーン、スーダンとモロッコは国交正常化に合意しました。

アブラハム合意
画像引用・ARABNEWS

トルコとも関係改善は見られるものの、イスラム教国に囲まれてる現実は変わりません。

薄い色はイスラム教シーア派が多数
濃い色はイスラム教スンニ派が多数

よくまあイスラエルは、こんな場所で生き残ってるよな。


悪いのはイスラエル?

そもそもパレスチナには、ユダヤ教を信じるユダヤ人の王国がありました。2000年前くらい。

ローマ帝国に滅ぼされちゃったため、ユダヤ人は世界中に散り散りとなります。ユダヤ人は、かつての故郷パレスチナに戻ることを2000年もの間、願い続けた。

国家を奪われ、世界中に散ったユダヤ人は、至る所で迫害を受けます。

迫害の理由は簡単。

異教徒だから。

特にキリスト教国から見た場合、ユダヤ教は「イエス・キリストを殺した連中」であるため、害虫レベルに嫌悪しました。

移民にできる仕事は限られており、既得権益のある農業や水産業は無理。近代に入りユダヤ人は〝金融〟に活路を見出します(→ロスチャイルド家)が、それまでは千年以上に渡り迫害され続けた。

数百年の時を経て、強勢を誇ったローマ帝国も弱体化。しかし、ユダヤ人は戻れません。パレスチナに住み着いたのはイスラム教徒でした。ユダヤ人は世界中に散らばったまま近現代を迎えます。

ユダヤ教徒のユダヤ人、悪いっていえますかね。

ましてやこの後、ナチスドイツによるホロコースト(ユダヤ大虐殺)が待っているわけで・・・。


悪いのはアラブ?

1300年頃、パレスチナは巨大なイスラム教国・オスマン帝国(オスマン・トルコともいう)の領土となります。彼らは中央アジアのトルキスタン出身でありアラブ人ではない。むしろアラブ人はオスマン帝国に支配されました。

画像引用・チャンネル銀河

1900年代に入り、オスマン帝国は産業革命に出遅れ弱体化。アラブに民族独立の機運が高まり、中東各地でアラブ国家が誕生します。

しかし、同じイスラム教でも〝民族〟と〝宗派〟で細かく分かれてしまい、アラブ人による国家統一は実現しません。中東はイギリスやフランスの植民地になっていきます。

第一次世界大戦で疲弊したイギリスはユダヤマネーに目をつけ、「金をくれたらパレスチナにユダヤ国家を認めたるわ」と言いました。

驚きの三枚舌外交
画像引用・ソルバ

世界中の金融を牛耳っていたユダヤ人は目の色を変え、国家建設運動を起こし、イギリスへ多額の資金を送りました(イギリスの国債を買った)。

第二次大戦後、イギリスは中東から引き上げます。1948年、ユダヤ人はイスラエルを建国し、ついにパレスチナを奪還。イギリスもこれを承認します。

こうして人造国家・イスラエルが誕生しました。

画像引用・駐日イスラエル大使館

パレスチナにいたアラブ人は強引に追い出されます。多くはパレスチナ難民としてヨルダンへ向かったものの、今も世界中で50を超える難民キャンプがあり、その数は拡大しています。

画像引用・MIRASUS

アラブ人、悪いっていえますかね。

結局のところ、ユダヤ教のユダヤ人にも、イスラム教のアラブ人にも、善悪だけで語れない悲劇の歴史がある。2000年の歴史を無視して「イスラエルが悪い!ハマスが悪い!」と語るジャーナリストは、ちょっと違うと思うんだよね。

ただまあ、イギリスは悪いわ

第二次大戦前の世界情勢、イギリスとフランスは本当に悪党だった。


悪いのはパレスチナ国(自治区)政府?

今回に限っては、間違いなくハマスが悪い。いきなりイスラエルにミサイルを打ち込んで、民間人しかいない街で殺害・略奪・誘拐をしたんだから。

ただ、ハマスのテロをパレスチナ自治政府のせいにしていいのかってーと、ちょっと違う。上述の通り、パレスチナを統治するトップはファタハ党のアッバス議長であり、ハマス党ではない。

もしもトランプ前大統領を支持する共和党議員が日本でテロを起こしたとき、アメリカの責任になる? バイデンの責任になる? ならんでしょ。ガザ地区を支配するテロ組織ハマス党と、統治機構を持つパレスチナ自治政府(ファタハ党・アッバス大統領)は分けて考えねばならない。

実際、パレスチナ自治政府は「ハマスの行動はパレスチナ政府の本意じゃないからね!」と声明を出しています。

意外かもしれませんけど、イスラエルはユダヤ教徒のユダヤ人ばかりではありません。国民のうち1/4くらいはイスラム教のアラブ人。首都テルアビブにもアラブ人は住んでる。

パレスチナ国自治政府からすれば、イスラエルに100万人以上の人質を取られてるようなものなんです。

アッバス大統領の立場では戦争を回避したいのだけど、同じ国民のハマスを捨てることはできない。敵はあくまでもユダヤ・イスラエルです。

ハマスを切ってイスラエルと握ろうもんなら、アッバスは他のイスラム過激派に暗殺されるでしょう。


なんでイスラエルは激怒してるの?

前述のとおり、イスラエルの周りは敵だらけです。一瞬でも隙を見せればユダヤ人は再び、国を持たぬ民となる。アラブ諸国からの侵略を防ぐためにも、ハマスの奇襲攻撃は許せない。

実際、イスラエルは建国以来、2000年前の悲劇を繰り返さぬよう「力こそ正義」と考え、豊富なユダヤマネーを惜しみなく軍事力強化へ注ぎ込みます。

アメリカ製の最新兵器を完備し、戦車もあれば戦闘機もある。なんなら核兵器も持ってる(と言われてる)。オリジナル兵器も多数開発し、今やイスラエルは武器輸出大国です。

一方のハマスは、エジプトとガザを結ぶ狭い地下通路からセコセコと集めた火薬で作ったお手製ロケット弾がメイン。兵力は53万人vs2万人と絶望的な差です。

画像引用・静岡新聞

第一、ガザ地区の電気や水道はイスラエルが提供しており、ハマスに戦争を続ける能力はありません。

ただ今回使用されたお手製ロケットには北朝鮮製の兵器もあったらしく、割とエグい破壊力だったもよう。

ハマスの狙いはただ一点。アラブ人の魂に呼びかけ、イスラエルやアメリカになびき始めた流れをアッラーの元へ引き戻すこと。民族全体でイスラエルを締め上げ、パレスチナをユダヤから解放することにあります。そのためなら女子供も殺します。

イスラエルの姿勢もハマスと同様、「我らの神に歯向かう敵は赤ん坊だろうとブチ殺す」ですから、全面衝突は避けられません。ガザ地区は平地にされるでしょう。


イスラエルの焦り

周りをアラブ国家に囲まれ、内部にテロリストの居住地を持つイスラエルは、首都を守るミサイル防衛システムを作り上げました。このシステム〝アイアンドーム〟は世界最高の防御力を誇り、どんなミサイルも撃ち落とすらしい。

画像引用・乗りものニュース

ウクライナ・ゼレンスキー大統領も欲しがっています。

↓これは実際にアイアンドームがロケット弾を打ち落としている様子。

すげー
画像引用・Yahoo!ニュース

でも今回、ハマスのお手製ロケットはアイアンドームを突破した。理由は簡単で、アイアンドームが一度に発射できるミサイル数を上回る攻撃を同時に行ったんです。

これを〝飽和攻撃〟といいます。

今回使用されたお手製ロケットは3284発。物理的に間に合わない。

ついでにいえば、イスラエルは世界有数の情報機関(スパイ)・モサドを持ちます。なのに3000発をむざむざ作らせた挙げ句、発射まで気付けなかった。このこともイスラエルに切迫した危機感を与えています。


どうなるパレスチナ情勢

このままじゃイスラエルは周辺のアラブ諸国から総攻撃を受けてしまう。建国以来、四方全てを敵に囲まれ続けたイスラエルは「10倍返し」を基本に全力で戦い続けました。

民間人の犠牲なんて意に介さない。国連から何を言われても耳を貸さない。唯一話を聞くのはアメリカだけです。だからバイデンはすべての予定をキャンセルしてイスラエルへ向かった。

なお、バイデン大統領とネタニヤフ首相はメチャクチャ仲が悪いらしい。

今もイスラエルは、国連で認められているパレスチナ自治区を少しずつ侵略しており、国連決議違反を繰り返しています。ほんと他国の言うことなんて一切聞きません。いざとなれば国連は自分達を助けないと知ってるんです。

画像引用・パレスチナ子どものキャンペーン

タイミング悪く、イスラエルのネタニヤフ首相は不正で追求を受けており、国民の目を外へ向けるためにも、ガザを、ハマスを、殲滅しようとするでしょう。

そもそもパレスチナは誰の国? ←この問題に答えを出せない以上、解決は不可能じゃないかな。

ユダヤ人(イスラエル人)「2000年前ローマ帝国に追い出された!パレスチナは俺達の土地!」

アラブ人(パレスチナ人)「700年前はオスマン帝国、70年前はイスラエルに追い出された!パレスチナは俺達の土地!」

ローマ帝国「キリストを殺したのはユダヤ人!」

どうすりゃいいんだよもう・・・。

安易に「平和が一番!戦争をやめよう!」という人は、パレスチナについて何も分かってない。あるいは政治信条で意図的にどちらかを悪魔化してるのだと、ご理解いただけると思います。
パレスチナ問題に善人はいません。


=追記=

これを執筆してる間に、イスラエルのネタニヤフ首相は「血に飢えた怪物を根絶やしにする」と宣言。ガザ地区の病院を空爆し、500人もの患者を殺戮したもよう

これを受け、パレスチナ自治政府のアッバス大統領は、米バイデン大統領との会談を欠席すると表明。仲介役だったヨルダンのアブドラ国王、エジプトのシシ大統領は会談そのものの中止を表明しました。

残念ながら、予想通り、激化の展開となっています。

なお、この爆撃も「本当にイスラエルからの爆撃なのか? ハマスの粗悪ロケットが当たったんじゃないか? 爆撃時にできるクレーターが小さすぎるんだけど?」との説もあり、真相は不明です。


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