マスコミが伝えない 川勝知事はなぜ辞任へ追い込まれたのか
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県の職員は高い知性。他はバカ
静岡県庁の新規採用職員に対する訓示で、今回の失言は発せられました。
県庁で働く人は頭脳・知性の高い人。野菜を売ったりする人、牛の世話をする人、モノを作る人はバカ。
そう言ってるに等しい、ド直球の職業差別発言です。新職員をおだてようと思ったのだとしても、実際に思ってないとこんなセリフは出てこないよね。
川勝知事の失言集
2016年12月
2019年12月
2020年10月
2021年6月
2021年10月
2023年7月・県議会不信任決議案
2024年1月・能登半島地震の会議欠席
2024年3月
いや、すごいな。
川勝知事の略歴
京都の名家出身のボンボンで、親戚縁戚には府議会議員や銀行頭取だけでなく、当時日本有数の新興宗教であった〝霊友会〟の初代会長までいます。
川勝は早稲田大学経済学部を出てからは研究者の道を歩みました。同大教授まで出世し、国際日本文化研究センター教授へ就任。その後、公立静岡文化芸術大学の学長となります。
同大学理事長は静岡県知事・石川嘉延で、川勝はブレーンとして石川に仕えました。
石川は後継者として川勝を指名。当時は自民・民主相乗りの予定でしたが、自民党と決裂。接戦を制して静岡県知事となります。
しかし、民間で働いていないことからか、一般人の感覚とかけ離れていた。数多くの失言を繰り返し、静岡市長を〝キミ〟と、部下のように呼びつけ、常識のなさを露呈したこともありました。
リニア問題・JR東海vs川勝知事
◆JR東海の建設方針
川勝知事といえばリニア中央新幹線問題。
JR東海はリニアモーターカーの特質を生かすべく、なるべく直線距離で東京-名古屋を結びたい。そこで南アルプスをぶっちぎるルートが選ばれました。
総工費10兆円。名古屋まででも7兆4000億円の巨大プロジェクトです。
川勝知事は民間人だった頃、JR東海の車内誌にコラムを掲載するほど関係良好で、リニアの必要性も強く認識していました。
◆JR東海は川勝のプライドを折った
しかし、静岡県駅を作らないと分かり、川勝は態度を硬化させます。
「静岡県駅を作るか、南アルプスを北側へ大きく迂回すればいい」と川勝は主張しますが、北へ回れば距離は伸び、速度を落とすことにもなるため、リニアの速達性を大きく毀損します。
JR東海は静岡県駅の建設を拒否しました。
だって、南アルプスルートの静岡県部分って、こんな場所よ。
国道すらない深い山奥。
駅を作ったところで静岡市内から1時間以上かかる。
新幹線の静岡駅を使えば1時間で東京でも名古屋でも行けちゃうのに、誰が山奥の駅を利用するのかと。
◆静岡空港の新幹線駅問題
川勝知事とJR東海には因縁がありまして。
前知事・石川からの懸案として続く、静岡空港の利用客数問題です。1900億円ぶっこんで作ったものの、予定利用者数138万人のところ、70万人しか使わない。当然赤字です。
石川や川勝は「新幹線地下トンネルの上に静岡空港を作ったんだから、新幹線の駅を作ってくれ。そうすれば空港利用客数も増える」と要望するものの、JR東海は無視します。
理由は経済合理性。
駅を作ったところで利用客はほとんどいないと見込まれるから。
新幹線でそのまま座ってれば東京にも名古屋にも大阪にも広島にも福岡にも行ける。海外なら品川から京急へ乗り換えれば、羽田や成田といった日本最大の空港へ行けるのに、ソウル便しかない静岡空港を利用する?
そもそも飛行機は新幹線のライバルですしね。JRが駅を作るメリットは1ミリも無かった。
これで川勝知事とJR東海の関係は決定的に悪化します。
◆反対の理由「大井川の水」
川勝知事はリニアそのものへは賛成と言いつつも、「南アルプスにトンネルを作ると大井川の水量が減る。流域住民の命に関わる」と、静岡県内のトンネル工事に反対します。
JR東海から「水量は大丈夫」との調査結果を受け取ると「トンネルから出る水は全部大井川へ戻せ」と言い始めます。
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