漢気のある女たちを観ると元気が出る【朝ドラ「虎に翼」】

久しぶりに朝ドラにハマってる。
毎朝7時半からBSのはや虎をスタンバッて観てる。
なんならOPのさよーならダンス（勝手に命名）も踊れる。
「虎に翼」っていうタイトルも覚えやすいし語感が好き。さすが故事成語。

そもそもテーマが「日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリー」という時点で期待はしていた。
令和じゃ考えられないけど、女性というだけで弁護士になれない時代があったなんて、ほんと「はて？」っていう気持ちにもなるよね。
どうなってたのよ当時の民法は。

放送が始まってそろそろ１ヶ月経つので、キャストとかこれまでの話とかは触れずにいくけど、今週はいよいよ寅子たちが本科と呼ばれる法学部に進学する。男子だらけの法学部で思いのほか優しく迎えられる寅子たち。

ちなみに、ここで満を持して岩田剛典が登場。学ラン似合う。
アンチヒーローで人を殺めて無罪釈放されて証拠品を雑に捨ててた翌日に登場だから。
いやいや、ほんとのこと言うとがんちゃんがね、朝ドラに出てくることすっかり忘れてました。
先週のラスト1分で花岡がんちゃんが登場した時、リアルに「出た出た！」って声が出た。

この花岡がんちゃんはね、寅子たちのこと「お待ちしてましたよ！法律を志すあなた方は素晴らしい女性たちです！」って、それはもう紳士な対応で法学部に迎え入れてくれるし、身長差で黒板が見えないだろうから女子が最前列に座りなさいっていう配慮までサラッと差し出してしまうデキ男。
そんな花岡がんちゃんの紳士ぶりにチャチャを入れるのが、最後尾が定位置の轟くん。車が3つの轟ね。女と一緒に学ぶなんてよぅ・・のスタンスね。

花岡がんちゃんの紳士ぶりも相まって穏やかに法学部での学びが始まり、今度みなさんでピクニックに行きましょう！ってリア充みたいなお誘いもあったりして、今週はキラキラした法学部編かな？くらいの気持ちで見てた。

ところが、ですよ。
花岡がんちゃんはね、まぁモテるみたいで。どこかの女子に告白されてた。河原でお手紙をもらってた。これで今週は4人目だろ？みたいなこと言ってた。モテすぎ。
ここまでなら、女子にも分け隔てなくやさしいデキ男だからそりゃモテるでしょうね。で終わったのに、花岡がんちゃんはね、こともあろうに内心では女子のこと思いっきり見下してたんですよ。

ピクニック当日の待ち合わせで、先に男子が集合してて。
なんで女子からの告白を断るんだよ〜みたいなボーイズトークで盛り上がってる最中にね、まさかの一言が出た。

「女はやさしくするとすぐつけあがるから。立場をわきまえさせないと。」

！！！！？？？
え？花岡サイコパスなの？いやいやこの思考は嫌いだわ・・・
物陰からこの一言を寅子もバッチリ聞いていて、狼狽えてた。
何事もなかったかのようにピクニックに行くものの、ランチタイムにこともあろうに花岡じゃなくてこれは別の男子だけど、梅子さんの子供に「弁護士のお父様のように君も妾を囲うくらいの男の甲斐性を見せなさい」みたいなことを言い出したので、寅子ブチ切れ。

「そんな話を子供にしないで！」ってもうそれはほんとそう。
言い合いになりそうなところに花岡も割って入るけど、ご婦人に好かれることも男の格を上げるためには必要だって花岡も言ってやれよ！と秒で巻き込まれて、いやだから男が稼いで家族を養っているんだから外に癒しを求めたって良いじゃん？その方が家庭円満になるじゃん？みたいな持論を展開し始めて、再び寅子ブチ切れ。

「円満だと思っているのは男の方だけです。女遊びを知って幸せだと思う女はいません。」
はいこれ。これに尽きる。

そんなこんなで寅子と小競り合いになってなんか岩から転落する花岡。岩田なだけに。嘘ごめんなさいつまんないこと言いました。
打撲と骨折で入院した花岡が退院してそのまま学校に行くっていうから轟が付き添いに来たんだけど、花岡が「男と女が一緒に学ぶのは無理かも…もうオレ下手に出るのはやめるわ。てかこの怪我で寅子を訴えるわ」とか言い出すから、今度が轟がブチ切れて、花岡のことビンタしちゃうの。愚か者！っつって。怪我人なのに。

でもね、轟はただの暴力じゃないの。見抜いてるの花岡のこと。
思ってもないこと言わなくていい、ここには俺しかないんだから虚勢を張るなって。
寅子たちを「女だから」という目でどこかでまだ下に見ていた轟だけど、ボカァね、あの人たちを好きになったよ！と花岡に言うわけ。
なぜなら、自分が今まで男の美学だと思ってた強さや優しさを虎子たちが持ってるからって。
男らしさだと思ってたものは、むしろ無縁だったのかもしれないと。

轟！！！めっちゃいいヤツ！！！！いや泣くし！！
最初はウザいなって思っててごめん。

そして轟がとどめの一言。
「上京してからのお前は、日に日に男っぷりが下がってる。俺はそれが悲しい。」
持つべきものは、いつの時代も、本当のことを言ってくれる友人よね・・・

花岡はちゃんと覚醒して、梅子さんにごめんなさいしに行くの。
本当はそんな女子のこと見下すような子じゃなかったってことよね。
秒でキライになってすまんかった。

ちなみに、梅子さんは夫が弁護士で、家庭を持ちながらも学校に通わせてもらえるなんて恵まれた主婦だと思われてるけど、実は夫と離婚したくてその時に親権を奪われないようにしたいから、法律を学びたいんだって。
毎日みんなに美味しそうなおむすびを配ってくれる梅子さんの秘めたる決意たるや・・・もちろん朝から泣く。

梅子さんだけじゃなく、寅子たちみんなそれぞれバックグラウンドがあって、法律家を志す想いもさまざまで、何かに傷ついたことがある分だけ人にやさしくできる包容力があって、放課後は甘いもの食べに行くのが好きで。

しなやかで強い、かつての女性たちの姿に、朝から元気をもらえてる。

今週も神回だったなぁ・・って思ってたら銀行勤めの寅子パパが贈賄で逮捕されて家宅捜査が入ってた。実際の帝人事件がモデルだってさっき知った。
もう怒涛の展開すぎて目が離せない。