見出し画像

自社の採用ブランディング・採用マーケティング状況を自己診断してみよう!という話

この記事では「自社で行っている採用ブランディングや採用マーケティングを自己診断し、問題発見や改善に向けた課題設定を行える」ように解説していきます。
なぜそんな情報発信をするのかという所から綴っていくので少々回りくどい順序での解説となっていますが、もしご興味ある方は最後までお付き合いくださいませ。

さくっと自己診断したい方は目次から「HRドックの内容とセルフチェック方法」の項目に飛んでくださいませ。


プロフィール

Photo by Mocho

山根 康介(やまね こうすけ)

▼何をやっているか
採用マーケティングコーディネーター
キャリアコンサルタント
広報アドバイザー

▼プロフィール
主な仕事は法人向けの採用支援です。
採用のブランディングやマーケティング、RPO、紹介領域などの伴走支援が得意。自社で自走できることを目指しての中長期の伴走や、直近半年で◯名採用する必要があるといった短期的なご支援も行っています。
要件に応じてチームを作り、「みんなで一緒にやろうぜ!」みたいなノリが好きです。
テニス・読書・フィッシング・なろう小説の読み漁りが趣味。

▼略歴
兵庫県洲本市(つまり淡路島!)出身、1986年10月24日生まれ(37歳)
島生まれ島育ち、高校卒業まで電車に乗ったことがなかったです。
===
●2009年:関西大学総合情報学部総合情報学科卒業。
●2009年:株式会社アルビオン入社。
●2014年:a-works株式会社へ転職。
 約2年ほどWEBマーケティング部門のリーダーやマネージャー。
 その後、人事部門を立ち上げ、責任者として約5年。
●2018年:フリーランスへ。
 国家資格キャリアコンサルタント取得。
 個人のキャリア開拓を支援するために自分で物販やレザーリペアを
 事業として行う。
 実家保有のアパート経営を整え、両親へ託す。
●2022年:博報堂グループ 株式会社No Companyと契約。
●現在:フリーランスとしては6年目に突入。採用支援事業を本格化する準備中。
===

背景や課題感について

元々自分自身が人事責任者として5年間、自社の採用戦略を練っては実施していた事もあり、採用人事の忙しさやジレンマなど社内だけでは解決出来ない問題や情報収集に限りがあるなとも思っていました。
(インプットしては試し、面接し、面接し、面接し・・・って感じで記憶を失うクラスで忙しくしてしまっていました・・・)

なので、あえて社外の人として企業の採用に関わっていくことであったり、社内リソースだと解決できない事をなんとかしていくであったり、そんな役に回りたいと思っています。

市場背景としても採用オンライン化が当たり前になっていく中で、非常に多くの企業から採用ブランディングや採用マーケティングに関する情報が発信されている中で、それらはあくまで自社プロダクトやサービスありきで、そこに向かう情報発信であることも多く、同じ「採用ブランディング」「採用マーケティング」という言葉でも定義や位置づけが違っていたり考え方が違っていたりする印象が強くあります。

そのため、話を聞く側になるHRや採用人事の方々からすると非常に混乱させられやすい情報社会となっていると感じています。
(誹謗中傷にしたくないので、あえてエビデンスなどは濁させてください)

実際、こんな事を思うシーンもあるのではないでしょうか?

  • 採用ブランディングや採用マーケティングと言われて、手を付けて見たけどやっている事が合っているのか、次に何をすべきなのかよく分からなくなっている

  • 採用SNSマーケティングとか、採用ブランディング強化のために採用サイトをリニューアルしましょうとか、採用オンライン化のためのツールを使いましょうとか言われるけど、結局のところ自社には何がベストソリューションなのか分からない

  • 自社ブログとかインタビュー記事とか動画を作って配信はしてみたが、いまいち効果性が見えないし手応えがなくてしっくり来ていない

そんな問題を解決し、目指したい理想の採用活動を実現するためのサービス展開をしたいと思っています。

行いたい採用支援と目指したい未来

採用マーケティングの観点からご支援していくために、人の健康状態を分析する人間ドックならぬ、HR・採用人事の方の活動における健康状態を分析するHRドックというサービスを主軸とした事業展開をしようと思っています。

企業の採用ブランディング・採用マーケティング活動において、まずはエラーになっているところを対処療法し短期採用が上手くいくためのご支援をします。
その後、改めてあるべき姿やその企業だからこそ取るべき採用ブランディング・マーケティング戦略の立案・施策実行のご支援という流れで企業の採用成功に寄与していきたいと思っています。

HRドックというサービスを推進するにあたり、我々なりに言葉の定義を定めています。

採用ブランディング・採用マーケティングの定義

  • 採用ブランディング:働く先として自社が一言でいうと何なのかを伝えること

  • 採用マーケティング:望ましい方が正しい自社理解のもと気づけば応募しているような心理変容、態度変容を起こす施策や導線設計をすること

こういった定義のもと、
支援先企業さまとともに実現したい未来

  • 働く先として正しい認知が世に伝わっている

  • 望ましい採用ターゲットが望ましい志望理由、企業理解の上で応募〜内定承諾に至るジャーニーを歩んでいる

  • 結果、採用CPAや採用効率が改善されHR・採用人事がより本来すべき業務に集中出来る体制となっている

というところです。
個人的には各企業さまとのお取り組みの延長線上に、自分自身のビジョンでもある「出会うべき人と企業が出会うべくして出会う世界」を実現したいと考えています。

こういった未来を実現するためのHRドックはどんな内容なのかを解説するとともに、ぜひ現HR・採用人事の方がセルフチェックできるような構成でコンテンツに落としていきます。(やっと本題・・・!)

HRドックの内容とセルフチェック方法

全体感を端的に述べたあと、項目別に解説していきます。

まずは全体感を。

  1. マーケティングにおけるカスタマージャーニーの採用版、求職者ジャーニーを整理する

  2. 採用ターゲット像の整理をする(一言でいうと、スタンス、スキル、素養)

  3. 求職者ジャーニーごとの情報発信内容を整理する(企業、事業、カルチャー、職種)

    1. ジャーニーごとに空白や乖離が無いか確認

    2. パーセプションチェンジをどう描くべきか言語化する

    3. 上記に合わせて理想の求職者ジャーニーを描き直す

それぞれを詳しく説明していきます。

1.マーケティングにおけるカスタマージャーニーの採用版、求職者ジャーニーを整理する

・求職者ジャーニーの整理方法について解説します

求職者ジャーニーsample

マーケティングにおけるカスタマージャーニーのような求職者のジャーニーを見える化します。
認知→興味関心・理解→検討→行動・意思決定の4ステップに分けて整理する事を推奨。

  • 認知:働く先として自社を初めて認知する接点を指します。

  • 興味関心・理解:認知後、働く先としての情報を深めていくためのコンテンツ接触を指します。このステップではまだライトなコンテンツ、例えば「上司と部下のやり取り」「営業職として力を付けていくために必要なこと」など求職者視点で興味を持てそうなテーマが望ましいと考えています。

  • 検討:転職先として比較検討されるステップです。採用サイトや募集ページを見て、「自分が転職した後の働くイメージ」を持てるコンテンツが望ましいと考えています。

  • 行動・意思決定:実際にカジュアル面談や応募など行動を起こすこと、および内定後に入社意志を固めるステップを指します。このステップ以前の間接的・オンラインメインから選考メインの直接的・オフラインメインの求職者体験となります。

各ステップで自社が今行っている事を書き出したり画像を入れたりしましょう。ランディングページや自社ブログ(それにあたるWantedlyストーリー記事やnote)が無い場合は空白で構いません。

各ステップごとで自社の事をどのように語っているのか確認しておくと後の手順が楽になります。
「働く先として自社のことを何と伝えているのか」という観点での確認をしておくイメージです。

求職者ジャーニーを作り終わったら、ジャーニーすべてを通して自社のことをどう伝えているのか?にステップごとで矛盾がないか検証をします。

求職者ジャーニー起点での問題発見図

この記事では深く言及しませんが、
例えば「問題ありパターンA」の場合は、オンラインでは「自社は仲良くフラットな組織でチームワークがすごく大事です!」と伝えているのに、選考官の方が「ウチは実際、超体育会だしぶっちゃけトップダウン、とにかく上司の指示に従ってね、土日も電話にでるように」と伝えてしまっているような状態を指します。

パターンCは(すごく例えばですが)採用SNSマーケティングだけ飛び抜けて進んでしまい、かつ母集団を増やすためにメッセージが強くなり、SNS上で伝えている内容と実態に乖離が大きくなってしまっているような状態を指します。

▼認知項目の作り方について

認知項目sample


認知の項目では求人記事を出稿している媒体、契約している人材紹介会社、活用しているSNS、採用目的で行っているイベントを書き出します。把握しきれていない場合は「自社名+採用」などのキーワードでGoogle検索し、上がってきた採用媒体をチェックし、出稿されている事が確認できた媒体を入れていきましょう。

▼興味関心/理解項目の作り方について

興味関心/理解sample

ここはシンプルです。
ランディングページ・自社ブログがあればそれぞれのスクリーンショットを貼り付けておきましょう。

ここでもランディングページや自社ブログで「結局、何を伝えたいのか」を確認しておくと後が楽になります。

▼検討項目の作り方について

検討項目sample

ここもシンプルです。
採用サイトや募集ページのスクリーンショットを貼っておきましょう。
もしも口コミサイト(OpenWorkライトハウスなど)に自社の口コミが蓄積しているようならそちらもピックアップしておきましょう。

この際にベンチマーク企業の採用サイトや口コミサイト内容を把握しておくようにすると今後の採用戦略や採用情報発信戦略の策定をしやすくなります。

▼行動・意思決定項目の作り方について

行動・意思決定項目sample

応募・選考項目には自社の選考ステップを記入します。
内定承諾項目には自社で評価の高い方に「なぜ自社の内定を承諾したのか、その決め手はなんだったのか」をヒアリングし、整理して記入します。

この段階で「決め手」になっていた事が認知〜検討項目で情報発信されていなかったら既にそれが課題の1つになっていると判断出来るかなと思います。

▼全体を通して
以上で自社の求職者ジャーニーを作るポイントの説明とします。
その他、採用コンセプトや採用コンセプトコピーがあれば記載しておきましょう。

2.採用ターゲット像の整理をする(一言でいうと、スタンス、スキル、素養)

採用ターゲット像sample

会社から評価の高い人材やその上司へインタビューをし、自社ではどういったポイント(スタンス・素養・スキル)が求められ、評価されているのかを整理しましょう。
選考フローの設計や人材紹介会社のマネジメントにも使えるよう項目を決め手整理をしたり一言でいうとどんな人なのかを行っておくと汎用性の高い採用ターゲット像となるかなと思います。


3.求職者ジャーニーごとの情報発信内容を整理する(企業、事業、カルチャー、職種)

3-1.ジャーニーごとに空白や乖離が無いか確認

情報発信内容sample

上記で現状の採用情報発信状況を整理します。
その上で、目指すべきステップごとの情報発信を作成します。
目指すべきステップごとの情報発信を作成するために、社内ヒアリングをしましょう。

自社の活躍人材にヒアリングをし、その内容は下記です。
・転職活動を始めたきっかけ
・自社へエントリーしたきっかけ
・自社内定を承諾した決め手
・入ってみて感じた良さ、課題
・自社に向いている人・いない人

3-2.パーセプションチェンジをどう描くべきか言語化する
この記事ではパーセプションチェンジ=求職者の自社への認知を望ましいものへ変化させることだと定義しています。

パーセプションチェンジsample

上記の図を参考にし、as isの横列へ3-1で作った情報発信の現状を参考にした今のパーセプションチェンジを書き出しましょう。
恐らく望ましいものと違ってしまっている事が多いかと思います。
to beのところへは社内ヒアリング結果を参考に理想のパーセプションチェンジを書き出しましょう。

as isからto beへの変化を狙って起こすことが採用ブランディング・採用マーケティングの主な目的の1つとなります。

3-3.上記に合わせて理想の求職者ジャーニーを描き直す

求職者ジャーニーsample(再掲)

3-2で作ったパーセプションチェンジを実現するために求職者ジャーニーを描き直しましょう。
実際にはパーセプションチェンジを促すためのコンテンツやストーリー設計を先に行い、それらを発信するために最適な媒体やメディアを選定したものが理想の求職者ジャーニーに描かれているようなイメージです。

終わりに

自己診断、いかがでしたでしょうか?
人によって情報量を多く感じる方も少なく感じる方もいるかと思います。
普段あまり言語化していなくて、山根がばばっとやっている事を出来るだけ描きだしてみたつもりではありつつも分かりにくいところがあったらすいません!

いろんな方からフィードバックいただいてブラッシュアップ出来たらフォーマット化し、ダウンロードしてすぐ使えるようなテンプレート化を目指していたりします。

読んでみて、やってみてのクレームやご意見、ご要望やご質問など忌憚なくいただけるととても嬉しいです!

こちらのnoteへコメントでも、山根のXへDMでも大丈夫です!

この記事が参加している募集

採用の仕事

仕事について話そう

仕事のコツ

with 日本経済新聞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?