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難伏のたぐい。

15日に弁天さまのご祈願を控えて、少しずつ
準備をしています。

今回は弁天さまにお花を色々お供えしたいなあ
と探して、いつもよりも多めに飾ることにしました。

いつもより低めに作ってみました。

弁天さまのご祈願、申込締め切りは明日です。


明王さまが対応するのが「難伏のたぐい」。
読んで字の通り、「伏するのが難しいものたち」という意味。
仏法に心を向けず、よくない行いをするものたちです。

理を以って説き、優しく対応しても仏法の方に向かわないものを
力ずくで救済するのが明王さま。

しかし、明王さま方のコワモテさを以ってしないと
心を変えないというのは単に強情、というだけではなく
ある意味なかなかに思うところの強いものたちでもある
と言えます。

例えば、デーヴァダッタやアングリマーラがそういうものの
イメージに近いかもしれません。

デーヴァダッタ(提婆達多)はお釈迦さまの十大弟子の一人、
アナンダの兄といわれています。

最初はお釈迦さまに従いますが、最終的にはお釈迦さまの
教えに満足できず、離反して仲間を率いて自分の教団を作りました。

その過程でお釈迦さまを暗殺しようして
象をけしかけたり毒を爪に塗って襲い掛かったりした
というエピソードが語られます。

最期には生きながら地獄に落ちますが、
最終的には将来如来になることになっています。
これについて語るのが法華経の提婆達多品。

法華経の提婆達多品は、提婆達多と龍女が成仏することが
お釈迦さまによって説かれ、悪人も女人も救われることを
教える重要な経典です。

アングリマーラもお釈迦さまの弟子。
バラモンの出身で、非常に聡明で容姿端麗で体も強い優れた人でしたが、
バラモンの師匠の妻に懸想されその誘惑を断ったため、
彼女に讒言され、師に憎まれ、修行の完成のため100人の人の指を
切り取るよう命じられて人々を殺して指を集めました。

最後の一本となった時、お釈迦さまに出会って改心して
弟子となりました。

その行いによって怒りをかい、迫害されることもしばしば
でしたが、最終的には最高のさとりを得ました。

世間知に長けた人、物質的に成功している人、
優れた能力を持っていたり強い自負心を持つ人は、
多く自分が正しいということに強い確信を持っています。

信じることの強い人、人に従うことに価値を見出している人は
間違っていると思うことがあっても
信じていることや、従わねばならない人の方を重視して
そちらを選びます。

仏さまが望ましいとすることは、人間的な価値観とは異なることも多く
世間的な感覚では判断を誤ることがあります。

もし仏の教えに少しでも心を向けているのなら、
自分の世間的な判断力とは違うところにある
仏教の発想というものを理解しようとする必要があります。

しかし、世間的な世界に生きて忙しく日々を送っているのに
そのための研鑽や積み重ねは行うことが難しい
という人もいるでしょう。

そういう時、自分の思い込みや偏見や勘違いを正してくれる
明王さまを信じることは意味があることかもしれません。

自分は悪人でないと思っていても、
もしかしたら間違っているかもしれない
もしかしたら誤ってしまっているかもしれない
自分で気づくことができないかもしれないと考えて
どうかそれを教えて正してほしい、と願うなら
明王さまは厳しくも慈悲深く導いてくださるでしょう。

驕慢や増上慢や愚痴や妄信といったものから離れるのに
必ずしも自分一人の力でやらなくてはいけない
ということはありません。

意思が強く自分のことは自分でやりたい人、
正義感が強く正しいことが大事と思う人、
信じるがゆえにかたくなになりかねない人こそ
明王さまのお力を借りようと試みてください。

道を誤らないために必要な謙虚さとは
このようなものでもあります。


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