サラリーマンが1億円を貯める方法-子供の日にした僕と息子の大人の秘密話②

続きです。

A4サイズの白い紙に書いた文章を見せながら子供に尋ねました。

「 ”起業家になるネタをみつけ、いずれ起業する”。と書いたけど、いま起業したいネタは何か持ってる?」

「・・・・・・」

もちろん想定内です。いま子供には起業のアイデアも、子供の世界観には ”起業” という文字もありません。

僕の質問の目的は「いずれ起業をしたい」という意識をもってもらうこと。若いうちに起業家マインド、投資マインドを持つことが将来の大きな可能性を作り、チャンスが向こうからやってくるからです。

僕は会話を進めました。

融資、出資、そして投資


「いま仮に起業ネタが浮かんで ぼろ儲けできそうだ!起業したい!と思っても、実際にはお金が足りないでしょ?お父さんや友人以外で、どこからお金を調達する?」

「銀行からお金を借りる。」

「銀行は借りた分は返済しろと言うよね。融資というやつね。でも起業に失敗したらお金は返せない。お金を返せと言われても困るでしょ?」

「融資と違って、起業する人を見込んで ”お金、経営ノウハウ、人脈、全部提供しますよ!” っていう人が世の中にいるんだよ。たとえ失敗しても ”お金を返せ" と言わない人。そういうのを何ていうか知ってる?」

しばらく考え、下の子が言った。

「神対応~」

「そりゃそうだ~ (^^) 。マジウケる!」と同格返し。でももう一歩だ!

「日本でいくと”神様仏様”だけど、外国だとなに?」

「・・・・ゴッド・・」 

いい線いってるのだけど、神様の親戚みたいなもの・・ww

「エンジェルって言うんだよ。起業家を支援するエンジェル投資家。」

「例えば、1000万円の資金が必要なビジネスで自分が500万円、エンジェル投資家が500万円を出資したら50%ずつ株式を持ち合う。会社が成功して10億円で売却が決まれば株式を渡すかわりにお金を貰うんだ。株式50%を渡せば10億円の半分、5億円がそれぞれ起業家とエンジェル投資家に入る。」

「つまり、儲けを出せるのは起業家だけじゃない。投資家も同じなんだ!」

「そのかわり起業に失敗したらお金は水の泡。だからエンジェルにとってもハイリスク、ハイリターンの投資。とっても真剣なんだ。」

「・・・・」

頭では理解しているようだがもう一歩だ!

「そう、エンジェルも真剣勝負なんだ。”斎藤さんだぞ~!”のトレンディーエンジェルじゃないからね!」

「・・・・」

「・・・・」

「なるほど、おとうさん、トレンディーだね!トレンディーエンジェルぅ~!」

と息子が僕と掛け合いをする余裕は無さそうだ。

でも”起業”という世界が何かは、子供の世界に染み込んだようだ。

2人の表情もニタニタとしてきた。


「もう1つ聞くね。いま、エンジェル投資家と同じような仕組みがネットの世界にあるのは知ってる?絶対に聞いたことがある言葉だよ。」


「クラウドファンディング」 

長男がすかさず、僕ではなく次男に向かってきっぱりと言った。

”俺は全部知ってるんだよ、弟よ!”というクールな一発だ。
これまでの僕の熱い語りと寒いジョークを一瞬で持っていく大胆さだ。それでいて憎めないところが長男の才能。きっと交渉上手になるだろう。

その後、クラウドファンディングのこと、成長・ベンチャー企業の上場を狙った株式投資としてJASDAQやマザーズ、個人が設立した会社の売買を仲介するM&Aのマッチングサイトなどの話題をした。

そして白い紙に僕はまた1行書き加えた。

    ”起業家や成長企業に出資/投資する”

”サラリーマンが億万長者になるための人生戦略”


これまで書き込んだ2つのポイントを四角で括り続けました。

「起業家になるのも、起業家や成長企業に出資/投資するのも、すべてはサラリーマンがなるべくリスクを取らずに、サラリーマンのメリットを活かして億万長者になるという戦略を話しているだよ。」

そう言ってA4の白い紙にタイトルをつけた。

”サラリーマンが億万長者になるための人生戦略”

A4の紙はこのような感じとなりました。

サラリーマンの人生戦略P1


「億万長者、すごそう~」と下の子は喜んだ。

「ミリオネアだね」と長男。

「どうせサラリーマンとして仕事をするなら会社に使われる人生はつまらない。 ”いずれ起業してやる” と意思をもって仕事すると、起業家マインド、投資家マインドが自然にできて、そして心も自由になるんだよ。」

「意識高い系だ~」 と長男が笑った。

「意識が高いというより金脈を引き寄せるんだよ。起業家や投資家のマインドをもって仕事したりプライベートを過ごしていると、ビジネスチャンスやお金が向こうから近寄ってくるんだ。」

「へぇ~そんな魔法みたいなことがあるわけない~!」

と子供は言い出したのでからくりを理解できるエピソードを話した。

チャンスを引き寄せる方法


アメリカで仕事をしていた時(40過ぎの頃に家族でアメリカにいました)の話をしました。

「平日の夕方、2人がお家で学校の宿題に追われていた頃、お父さんは時々 起業家の集まり(ミートアップ)に参加していたんだよ。きっかけは仕事でおつきあいのあるユダヤ系アメリカ人が誘ってくれたから。お父さんが彼と仕事でも、仕事以外でも起業や投資の観点で話をしていたからかも。」

「ミートアップはアメリカ人の起業家やエンジェルたちが50名位いて、コロナビールを片手に立食形式で飲み会をしているんだ。普通にワイワイと飲んでるのだけどね。」

「おとーはそんな英語できたか?」

「喋れないよ。でも日本人はお父さんだけ。英語ができなくても起業家たちと話題がつきなかったんだ。なぜなら起業家が ”自分のビジネスモデルやサービスを日本やアジアに展開できないか?”という話題でお父さんに話しかけてくれるからだよ。日本でこのサービスがウケるか、競合は、どう日本人に合うようにどうローカライズすべきか、効果的なマーケティングは?とね」

「会話の最初は違うよ。まずSUSHI食ったことあるぞ~、TOKYOはクールらしいなあ~。と、たわいもない質問をされる。もしお父さんが20代後半や30そこそこだったら、SUSHIは~・・・観光でお勧めは~・・・という文化伝道師の会話で終わっていたと思う。でも仕事をして沢山の知識や経験をつけていたからビジネスの話に発展していくんだよ。」

「そして実際ミートアップで会った人と今度ランチをしようと約束をする。ランチで議論を深める。すると日本に行って有識者と意見交換しようと企画が浮かぶ。実際に日本で会議を沢山設定して人脈を紹介する。打ち合わせのアドバイスもする。という流れで起業の手伝いをしこともある。」

と子供に話した。

「そこで投資したの?」

「いや、投資は自分のアイデアで起業した時だけ。人が持ってきたものは人脈を紹介するサポートで貢献分は株式の割当てを貰ったよ。」

具体的な話でわかりやすかったのか、偶然と必然の違いを想像できたようだ。僕に起業家・投資家のマインドがなければユダヤ系アメリカ人からミートアップに誘われなかった。誘われたとしても仕事で知識や経験を積んでいなければビジネスの会話が広がらなかった。僕にそもそも日本での人脈がなければ紹介することもできなかった。

「これが金脈を引き寄せるこつなんだよ。幾ら念じていても何も起こらない。自分で起業する場合も人の起業を支援投資する場合も、自分が全力で培った”知識”、”経験”、”人脈”を持っていて、それらを活かすことだよ。」

そして僕はこの3つをA4の紙に書き加えた。

長男は腹に落ちたのかビールを一気に飲み干した。
次男はストローでコーラを吸ったまま固まっていた。

サラリーマンの人生戦略P2


サラリーマンは極端なお金持ちにも貧乏にもなりにくい、ある意味、安定職業です。安定しているうちに、それを活かした資産形成や人脈拡大をしないと、会社だっていつ倒産したり終身雇用も廃止となるかわかりません。

お金持を増やす方法や法則は、より早い段階で知れば知るほど、人生の駒を上手に進めることができます。その資本主義の基本ルールはサラリーマンであれ個人事業主など職種に関係ありません。

個人事業主の場合はコミュニティーの横結束の強さやスキルジャンルを選べる自由度などサラリーマンにないメリットがあります。雇われ社長も、会社利益ひいては会社の価値向上などの経験で、バリュー投資の目利き力や経営者間交流で人脈も広がります。

他人を羨むのでなく自分の置かれた立場で ”知識、経験、人脈” を目いっぱい拡大するよう最善を尽くすことも、チャンスを引き寄せる力になると思っています。

「チャンスは必ず来るから焦らずに今を全力で歩こう!やがて向こうからやってくるから!」というのが子供に伝えたい大事なメッセージです。


・・・ 続く ・・・


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