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「学歴コンプ」の治療法

 話題の朝ドラ「虎に翼」。いろいろ考えさせられながら観ている。

 最近放送された17話に興味深い表現があった。

 明律大学(明治大学がモデル)の学生たちが集まっている店に帝大生がや入ってきた。すると、普段は威張り散らしている男子学生たちが「スンッ!」となってしまう。

 この「スンッ!」はこのドラマのキーワードの一つなのだが、簡単に言えば、犬が服従の姿勢を示すみたいな、自分を押し殺す態度だ。

明律大生が帝大生に引け目を感じて「スンッ!」とするシーン、不愉快に思われた校友の方がおられたかもしれませんが、帝大生が憧れの存在であったことは事実でしょう。しかし、岸本辰雄が行った講演「明治大学の主義」(明治36年)からは、国家の上級官吏の養成を目的とする帝国大学は、ともすれば国家権力に迎合し学問の自由を自から放棄する恐れがあるのに対して、私学(明治大学)こそが—設備は乏しくとも—、学問の目的である真理を追求できる場なのだという「独立・自治」の精神、私学としての自負を読み取ることができます。明治大学は、創立以来、帝大に劣らぬ、数多くの弁護士・判検事そして政治家を生み出したのです。

https://meijinow.jp/article/toratubasa/95782

 昭和初期にも「学歴コンプ」(学歴コンプレックス)があったのだ。

 そう、誰しも(とは風呂敷を広げすぎだが)抱えるあの思いだ。

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