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山が動くとき

 先日1993年の思い出を書いた。

 1993年は政権交代があった年としても記憶されている。

 思えばあの政権交代は、その数年前に起こった当時の社会党の躍進にあった。

土井たか子委員長が率いる社会党が「マドンナ旋風」を巻き起こした。土井氏の「山が動いた」との発言はこの年の流行語となった。

上記記事

 「山が動いた」。よく覚えている。選挙におけるいわるゆ地滑り的勝利。その20年後の2009年にも、民主党の地滑り的勝利で政権交代が起こったが、同じようなことを思ったものだ。

 1993年に話を戻すと、参院における社会党の躍進によって不安定な政治状況が生み出され、それが政権交代が起こる遠因になっている。

 さて、そんな「山が動く」瞬間というのは、他の分野にもある。

 おそらく、国立科学博物館のクラウドファンディングは、そんな「山が動いた」一つの例とされることだろう。

当館のミッションは大きく三つ、「調査研究」「展示・学習支援」そして「標本・資料の収集・保管」です。

しかし、その根幹である「標本・資料の収集・保管」が、昨今のコロナ禍や光熱費、原材料費の高騰によって、資金的に大きな危機に晒されています。

これからも安定的に標本・資料を収集し、多様なコレクションを適切に保管しつづける体制を維持するため、そして、将来の「調査研究」、「展示・学習支援」活動に影響が出ることを防ぐため、いま、ご支援が必要です。そこでこのたび、当館史上最高額となる「目標金額1億円」のクラウドファンディングに挑戦することを決めました。

https://readyfor.jp/projects/kahaku2023cf

 このクラウドファンディングの目標は、あっという間に達成された。

本日8月7日にスタートした国立科学博物館のクラウドファンディングは、公開後9時間で、当初目標である1億円に到達することができました。

文字通り、かはくにとっては「史上最大の挑戦」となった今回のクラウドファンディング。公開前はぎりぎりまで諸調整がつづき、館内も緊張に満ちていました。公開直後からまさかこんなに反響をいただけるとは想像だにしておらず、率直に驚きつつも感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。

https://readyfor.jp/projects/kahaku2023cf

 めでたし、めでたし…。

 と思った人は少なかったようだ。

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