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押しボタン信号の秘密

タイトル画像をご覧になって、これが何者かすぐに分かりましたでしょうか?徒歩で活動される方ならお馴染みかと思います「押しボタン式信号」です。
今回は視覚障害者と押しボタン式信号の関係について書いてみます。


弱視者の歩行と白杖

写真 白杖と歩行者

移動中の自分の足元写真なのですが、えんじろうは視覚障害者と入っても中心5%ほどは視力がありますから、全く見えないわけじゃありません。その中心も0.1には届かない視力なので、それほど見える方でもありません。

よって怖いからというのと、周りの人にもそれを伝えるために白状を所持しています。実際白杖を突く音は、周囲の響きや迫る壁の認識に役立つので、イルカの「ソナー」的な恩恵があるんですよ。

大河のような道路

もしこの世界が歩行者のみだったとしたら、小さな足音からでも相当たくさんの他人の位置情報がつかめることでしょう。それどころかその他人が歩いている地面の状態情報も得られます。
前10mくらいまでは舗装されているけど、その好きは砂利道なんだなとか。前から数人の足音が横に広がっていれば、この道は広いんだなあとか。

しかし世界には自動車が走っています。速さを求めて生まれた自動車は、当たり前だけれど早いです。このため僕の頭の分析が追いつかないのです。逃げようと思ったところで、その行動も当然追いつかないわけです。
視覚障害者にとっての道路は、大河のようなものです。足を踏み入れてしまうと、足を取られてそのままお陀仏になりかねない危険地帯。
だから健常者のお年寄りなどが平気な顔して車道を横断するルール違反を知ると、とんでもない勇気の持ち主に見え、妬みもあるのでルール違反に対する怒りを覚えます(正直でしょ?)

横断歩道を渡りましょう

というわけで、道路を安全に渡るために横断歩道があるのだから、それをちゃんと使いましょうということですね。
横断歩道といえば信号機ですね。僕らがお世話になるのは歩行者用信号機。

LED信号機

写真 LED信号機

最近は明るく見やすいLED信号機が増えてきました。これは弱視者にとっては従来のものより遥かに見えやすいです。
特に僕のような視野狭窄持ちにとっては、ある程度予想を付けて探していますがそれでも信号のサイン自体がどの辺りにあるかを見つけることから始めなければなりません。横断歩道の向こう端から上に辿るのですが、横断歩道が消えかかっていたり、ちょっと変則的な位置だったりすることもあります。

電球式信号機

写真 電球式信号機

そしてこの従来の信号機に至っては、お天気の日には点灯しているかどうかすら判らないことも多々あります。更にLEDで強烈な光を放つ電号掲示板が近くにあると、これまた点灯しているのか見えないことも。信号がいつまでも青にならないと思っていたら、駐車場の満車を知らせる「満」の赤字を一生懸命見ながら待ち続けていたなんてこともあるんですよ。

カラフルな看板1つで埋もれてしまうこの電球型は、一刻も早く省エネのLEDに置き換えてほしいと切に願っています。

押しボタン式信号機

そして本題の「押しボタン式信号機」の存在があります。
こちらは歩行者が渡りたい意思表示を出すことから、とても合理的な感じがするのですが、視覚障害者にとってはまずそれが「押しボタン式」であることを知るすべがないのです。
更にボタンを探して車道との境目をウロウロすることはリスクですよね。

ボタンのありか

実は音声で告げているタイプのものや、テクノロジーと連携してスマホに知らせるシステムもあるらしいですが、何も無いタイプが圧倒的に多いのです。この統一されずにまちまちのシステムというのも大変問題です。
信号が意味をなすのは「赤は危険」というシンプルなルールがあるからです。この場合は「緑」とか、こうなら「黄色」が危険だよと言われたら発狂しますよね。

結局頼れるのは自分の耳。車の動きが「縦」か「横」かを耳で判別して、これは「青」になったに違いないと確信を得たら歩くということになっちゃいます。これはこれで、田舎で滅多に車が通らないと情報がないのですけどね。
弱視者は勇気を出していくこともできるでしょうが、全盲ならば本気で命をかけなければなりませんから。とんでもない話です。

見つけた術

えんじろうが普段使う場所は、押し釦の場所を覚えたので問題ないのですが、信号自体は電球型で見えていないことも多いです。幸い大通りなので川の流れ(車の動き)を聴いて判断できていました。
そんなさなか、押しボタン式信号機の特徴を1つ学びました。

写真 押しボタン

ボタンを押すと灯りがつくんです。そしてこの灯りは、信号が青になった時に消えるようです。昔盲学校に歩行訓練道というものがあり、そこにサンプルとしてあった押しボタン式信号機も、同じ仕様だったような気がします。
おそらくこの挙動は統一されているのではなかろうか?

つまり弱視者ならばという条件はありますが、この「おまちください」の表示が消えたら「青になったな」と判断できそうだということ。
これからは押しボタン式信号機の前で、信号ではなくボタンを真剣に覗き込む事になりそうです。

まとめと要望

命に関わる大切な情報ですら、まだまだバリアが多いという現実。
スマホ連携だなんだと画期的な技術でPRのインパクトなんて求めていません!ひとつでも多くの信号機を一挙に、そしてとても簡単に低コストで切り替えられるような実用的な変化こそが求めているものです。

えんじろう的にはすべての信号がLED化され、できればその周囲に対するカラフル看板の規制、そして「ピヨピヨカッコー」の音声と、統一された押しボタンを知らせる音声または言葉での案内をしてほしい。押しボタン自体の機械も統一された目立つものにしてほしいです。



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#信号機 #視覚障害者 #要望 #生活 #安全

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