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引っ越しに向けて

えんじろうは来年から、新居に移動します。
と言っても同じ浜松市内であることには変わらないのですが、今いる家から離れ、その家には二度と我が物顔で入ることができなくなるのは事実です。皮肉めいたことに、そういう事実が確定すると、見えてくるものがあるんですよね。
今回はそんなお話です。


9年の法則

現在の家に住んでから9年が経とうとしています。40年ちょっとのえんじろうの人生の中で、9年という長さはバカにはならない長さです。

時計のようなもののイラスト

えんじろうは不思議なことに、小中学の9年間を静岡市、高校と専門学生時代の9年間を浜松市で過ごし、その後3年ほど実家で過ごした後に再び浜松市に出てきました。
浜松市に再来してからの最初の9年は中区の南の外れに住み、そこから現在の場所に来たという流れです。
流れから行けばこの土地でも9年間いることになる予感はしていたのですが、移動の話が出てきたときには8年というときでした。でも実際に引っ越しの準備が進むに連れ、狙ったわけでもないのに来年1月に移動をするという結果になりました。そうつまり9年になったのです。

法則の縛り

色々な法則がありますが、9年移動の法則は自分が過ごしてきた結果勝手にそれを繋げて捉えてしまっているだけのこと。そこには意味なんてないはずです。
しかし「法則」と自分が一度思ってしまったときから、それは特別な意味のあることのようになってしまうわけですよ。例えばその事例に従っていればきっとうまくいく、だって今までそれでうまく行っていたのだから。9年いたからということが根拠となるような理屈が一切ないのに、そう考えてしまうのが人というものではないでしょうか?
自分が招いた結果が勝手に法則を想像し、今度はその想像に自分の行動が捉えられてしまう。ある意味宗教やらギャンブルやら占いやらの世界と共通だと思いました。

ならば利用しちゃえ

こういう思い込みは、自分でこうやって「思い込み」だと書いていても足を洗うことが難しいものです。どこかで今回も9年なのだから良い結果になると思ってしまう自分がいます。無意味な統計学から抜け出せない哀れな自分ですが、それならばどっぷり浸かってしまうのも手ではないでしょうか?

そう、僕はこれまでこの法則に則ってなんとか生き抜いてこられたのだ。もちろん良い人たちとの出会いがあってこそですが、その出会いすら9年の法則から導き出されたものかも知れないじゃないか!
うんだから、今回もきっと良い生き方につながるだろう。

これでいいのだ~!

愛おしい景色

日差しの分かれ目

不思議なもので、退去が決定した途端に、今の家で見られる景色の数々が神秘的で愛おしいものになるんです。
冬場の庭に西側から刻々と伸びてくる日向。太陽の恵みが自分のところに来るのを今か今かと待ちわびる草たちの様子。鳥たちの声も陽の光に共鳴するかのように元気になってゆく。

すっかりいつものことと化していた景色や出来事が、特別なことに見えるようになるのです。実際にここにいられなくなれば、それはもういつでも見られる景色でなくなるのだから、確かに特別なことなのですよね。

玄関前に植えたスイセン

玄関前に植えて、毎年春を知らせてくれるスイセン。季節以外にはどこに行ったと思うくらい存在が消えているのに、時期になるとしっかり顔を出して準備を進めているご様子。
自分がいなくなった後、このスイセンたちはどう過ごしているんだろうか?今でも面倒を見ているわけではないので、きっと僕などいてもいなくても元気に咲き続けることでしょうね(笑)でもそれを確かめに行くわけにはいかないのです。

ひとつの判れ

ここだけの景色、ここだけの感覚。そんなもがたくさんあったことに気がつくのが、この「判れ」の特徴のひとつなのかも知れませんね。

タンポポの花

色々考えながら庭を歩いてみた時、タンポポの花を発見しました。人工物だけに囲まれた世界では感じることのない、自然界からのサプライズの数々がありました。庭があることは草刈りがあって大変ですが、それも楽しめていた自分にとっては、こうしたサプライズも貴重で幸せを感じるひとときでした。

今を大切に

おかしなことですが、さんざんライブなどで「今を大切に」なんて人様に伝えていたのに、こういうときにはそれが自分の中にずんと響きます。

モチノキの様子
たくさんのモチの実

ヒヨたちの声も、そのヒヨたちが集まるモチノキも、次の場所にはない者たちです。せめてここを出て行ってしまう前に、発見した時同様の感動を再度味わえたことに感謝という感じです。

あれこれ考えると、やっぱりえんじろうにとっては9年おきの移動というのは必要不可欠なもののように思えてきます。現状が永遠と続くと思ってしまいやすい自分にとって、環境が変わり「今を大切に感じる」ためには必要なことなのかも知れません。



#enjiro #えんじろう
#引っ越し #判れ #今 #かけがえないもの #9

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